センター試験概況2018/1/18掲載

 2018年度の大学入試センター試験(以下、センター試験)は、1月13日・14日の両日に、全国695の会場で実施されました。寒波の到来に伴う雪の影響や人身事故などによる交通機関に遅れが生じた地域では、試験開始を繰り下げる会場もありました。雪のなか、大変な思いをして会場に向かった受験生もいたことでしょう。

センター試験志願者・受験者数はやや増加

 2018年度センター試験の志願者数は582,671人(昨年575,967人:前年比101.2%)、本試験の外国語受験者数も548,465人(昨年540,941人:前年比101.4%)といずれも増加しました。
 大学入試センターが発表した志願者数の現卒別の内訳をみると、現役志願者数は昨年から1,728人増の473,570人(前年比100.4%)、既卒生志願者数も4,830人増の103,948人(同104.8%)といずれも増加しました。来春の高校卒業見込み者(現高3生)が昨年から約1万4千人減少する一方で、現役生の志願者が昨年並みに留まったのは、センター試験の現役志願率(センター試験現役志願者数/高校卒業見込み者数)が上昇しているためです。現役志願率が上昇している背景としては、推薦・AO入試でセンター試験の利用が拡大していることも要因でしょう。また、既卒生志願者の増加は、2017年度入試が私立大で合格者絞込みがあるなど厳しい入試であったことも影響しています。

 センター試験は2020年1月の実施を最後に廃止され、2021年からは「大学入学共通テスト(以下、共通テスト)」が導入されます。これは、国が進める大学入試改革の一環で、学力の3要素である「思考力・判断力・表現力」を評価する目的で新たに実施されるものです。2017年12月には、「共通テスト」導入に向けた試行調査の問題が示され、対話形式での出題や、文章や図表など複数の素材から考えさせる設問が目立つ内容となっていました。
 今年のセンター試験の問題では、全体として大きな変化はなかったものの、この入試改革の方向性を踏まえた新しい形式の出題がみられました。例えば国語「現代文」の第1問では、本文に付された図(写真)に関する生徒の話し合いが紹介され、そのうちひとりの会話が空欄補充問題として出題されました。また、英語「筆記」では、第2問の対話の流れを読み取る問題や、第3問の話し合いの発言内容をまとめる問題が出題され、より実践的なコミュニケーション能力を問う傾向が強まりました。

「英語(リスニング)」難化、平均点は大きくダウン

 <図表1>は、河合塾が実施した自己採点集計「センター・リサーチ」参加者の平均点を集計したものです。
 英語では、「筆記」は昨年並みだったものの、「リスニング」の難化の影響で、全体の平均点が4.7点ダウンしました。「リスニング」の平均点は、23.3点と昨年から5.4点ダウンし、2006年のリスニング試験開始以来最も低い平均点となりました。
 数学は「数学Ⅰ・数学A」、「数学Ⅱ・数学B」とも平均点は昨年から大きな変動はありません。ただし、80点(得点率8割)以上の高得点層が大幅に減少しているのが特徴です。
 国語では、平均点が昨年より2.4点ダウンしました。これは、「古文」の難化が影響しています。
 主に文系生が受験する理科①では、最も選択者の多い「生物基礎」は、平均点が40点近くまで上昇した昨年から3.8点ダウンしました。理科②では、昨年難化した「化学」は平均点が8.3点アップし、主に理系生が受験する「物理」「化学」「生物」の平均点はいずれも61~63点の中におさまりました。理科①、理科②とも、昨年と比較すると科目間の平均点差は小さくなり、選択科目による不公平感はほとんど感じられません。
 地歴・公民は、受験者の多い地歴Bの全科目と公民の「倫理、政治・経済」で平均点がアップし、いずれの科目も平均点が6割を超えました。とくに、「倫理、政治・経済」は平均点が74.3点と非常に高く、過去最高の平均点となりました。80点以上得点できた受験生も大幅に増加しています。

 なお、「センター・リサーチ」の集計結果をもとに河合塾が予想した各教科・科目の予想平均点はこちらを参照してください。

 センター・リサーチ:センター試験受験者の8割以上に参加いただいた自己採点集計

<図表1>「センター・リサーチ」参加者 主要科目・総合型平均点

文系、理系とも成績上位層で減少

 <図表2>は「センター・リサーチ」参加者の7科目型受験者の成績分布です。
 多くの国公立大で必要となる7科目の受験者平均点は、文系型で昨年から2.9点ダウンの563.7点(900点満点)、理系型で0.7点アップの571.3点(900点満点)と、どちらも大きな変動はありません。文系は、地歴B科目や「倫理、政治・経済」で平均点が上昇したものの、「英語(リスニング)」、「国語」に加え、選択者の多い「生物基礎」で平均点がダウンしたことが影響しています。一方、理系は、多くの理系生が受験する「化学」や、選択者の多い「地理B」での平均点アップが、「英語」・「国語」などの平均点ダウンを相殺した形となりました。
 得点分布は、文系型、理系型とも720点(得点率8割)以上の高得点層が昨年と比較すると1割程度減少しています。主要科目である「英語(筆記)」、「数学Ⅰ・数学A」、「数学Ⅱ・数学B」の平均点はほとんど変化がなかったものの、いずれの科目も成績上位層が減少していることが要因でしょう。今年のセンター試験では、高得点が取りづらい状況だったことがうかがえます。

<図表2>「センター・リサーチ」7科目受験者の成績分布