国公立大 全体動向2018/1/18掲載

今春入試のポイント

 はじめに、今年の国公立大の出願動向を予測するうえで、影響が大きいと考えられる大学側の主な動きをまとめておきましょう。
 1点目は学部・学科の新設・改組です。ICTの発展などで注目が集まる情報系のほか、これまでみられなかった新しい名称の学部・学科が目立ちます。また、2018年度も理工系学部の再編が多く行われますが、それに伴い、他の学部で募集人員を減らすケースも散見されます。募集人員に変更があった学部では、志願者数が前年並みでも倍率が変動するため、注意が必要です。
 2点目として、中期日程の募集人員増加が挙げられます。2017年度に公立大学法人化した長野大のほか、2018年度新設の長野県立大、山陽小野田市立山口東京理科大(薬)が新たに中期日程での募集を行います。中期日程は前期・後期日程とは別に受験できることから、高倍率となるところもありそうです。
 最後に、志願者数の隔年現象も頭に入れておきましょう。隔年現象とは、志願者数が1年おきに増加したり、減少したりすることで、医学科や科目数の少ない公立大を中心に、各地でみられます。

国公立大出願予定者は前年並み 学部系統別の人気は文高理低が継続

 「センター・リサーチ」のデータをもとに国公立大の志望動向を確認していきましょう。国公立大入試の中心となる前期日程の出願予定者数は、前年比99%となりました<図表1>。公立大が実施する中期日程は前年比107%と増加していますが、これは前述の通り新規実施大学・学部によって募集人員が増加したことが要因です。後期日程は前年比95%と減少しており、国公立大全体では落ち着いた入試となりそうです。
 図表の右は学部系統別の志望動向を集計したものです。大きく文系学部と理系学部に分けて集計すると、文系の前年比102%に対し、理系は同97%と減少しています。今年度入試でも、ここ数年の文高理低の傾向が継続しそうです。
 文系は全体的に好調な人気ですが、特に模試でも堅調な人気を示していた「経済・経営・商」学系は前年比104%と高い人気を示しています。教育は「教員養成課程」「総合科学課程」ともに大きく減少しています。
 理系では、「工」「農」学系の出願予定者が前年を下回り、人気の低下が感じられます。ただし、「工」学系の中でも「通信・情報」分野では出願予定者が増加しています。
 医療系は、「医」が前年比93%と減少しているのをはじめ、「医療技術」96%、「保健・福祉」89%など、全体として低調な人気です。
 「総合・環境・情報・人間」では、「情報」分野の出願予定者が募集人員以上に増加しており、人気となっています。

 センター・リサーチ:センター試験受験者の8割以上に参加いただいた自己採点集計

<図表1>国公立大志望動向(全体概況)

難関国立大の動向

 <図表2>は、旧帝大を中心とした難関10大学の大学・学部別の志望動向です。難関10大学全体の出願予定者は前年比100%で、国公立大全体が前年比99%だったことを考えると、堅調な人気と言えるでしょう。難関10大学も国公立全体と同じく文高理低で、文系学部の出願予定者が前年比101%、理系学部が同100%となっています。
 東京大の出願予定者は大学全体で前年比100%です。2017年度入試で志願者が増加した文科一類は前年比98%に落ち着きましたが、同じく志願者が増加していた文科二類は人気を維持しています。理科類では、2017年度入試で志願者が大きく増加した理科二類で前年比97%と減少。2次試験で新たに面接を課す理科三類の出願予定者は、「医」分野自体の不人気もあり、1割減になっています。出願予定者の成績分布をみると、文科類は得点率9割以上の高得点層が減少しており、ボーダーラインは各科類とも1%ダウンを予想しています。反対に、理科類は得点率9割以上の高得点層が増加しており、志願者の減少がそのまま易化につながるとは言えません。ボーダーラインは理科三類で1%アップを予想しています。
 京都大の出願予定者は前年比99%とやや減少しています。国公立大全体の動きと異なり、文系学部で出願予定者の減少が目立ちます。とくに教育学部では、2017年度入試で志願者数が大きく増加した反動がみられ、出願予定者は1割以上減少しています。医学部人間健康科学科は2017年度入試において、募集人員の減少により難化しました。出願予定者は前年比81%と大幅に減少していますが、成績分布を見るとむしろ成績上位層は増加しています。ボーダーラインも昨年同様を予想しています。

<図表2>難関国立10大学 大学・学部別志望動向

自分の立ち位置をしっかり確認しよう

 以上、国公立大の全体的な志望動向をみてきました。
 まずは各種データで自分の位置を確認し、冷静に状況を把握しましょう。

 粘り強い受験が合格への鍵であることは言うまでもありません。国公立大は後期日程までしっかりと受験することを検討してください。今年はセンター試験の日程が早く、2次試験の準備期間を例年より長く取ることができます。センター試験の結果が、良くても悪くても気持ちを早く切り替えて、この後の私立大一般入試、国公立大2次試験の準備に集中しましょう。