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大学進学を考えるにあたって

近年の受験環境

少子化の時代、受験生は減っている?

 下のグラフは18歳人口とその年の大学志願者数の推移をみたものです。18歳人口は、1990年代の前半には200万人を超えていました。その後少子化が進み、2000年代後半からの18歳人口は120万人前後で推移しています。ピークであった1992年と比較すると、6割未満となっています。
 一方の大学志願者数をみると、こちらも近年は68万人前後で推移しています。ピーク時の1992年からの減少率は25%ほどにとどまっており、「18歳人口の減少ほど大学志願者は減っていない」といえるでしょう。これは、かつてと比べると高校卒業後に大学進学を志望する人の割合が高まっているためです。
 「少子化」から受験生が大きく減っているようなイメージがあるかもしれません。しかし、大学志願者数はイメージほど大きく変わっていないのです。

● 18歳人口と大学志願者数の推移

※学校基本調査より(2019年度大学志願者数は河合塾推定値)



大学・学部の人気は時代によって変化する

 2010年代初頭に顕著だったのは、景気の低迷を背景にした国公立大学志向、地元志向などでした。2008年秋に起こったリーマンショックをきっかけに、国公立大学の志願者数は増加しました。国公立大学は私立大学に比べて学費が安いことなどから、不況時には人気となるのです。
 2015年度は現課程の入試への移行に伴い、センター試験では理科の科目負担が増えました。このため、国公立大学を敬遠する動きが見られ、国公立大学の志願者はやや減少しました。以降、国公立大学の志願者数はそのまま横ばいで推移しており、人気は落ち着いています。これまでにも国立大学の科目負担が増え、志願者数が大きく減少したことがありました。景気など社会環境はもちろん、入試の変化が志願動向に影響を与えることがあるのです。
 私立大学の延べ志願者数はここ数年増加を続けています。これは私立大学を志望している受験生が増加しているというよりは、一人あたりの受験校数が増加しているからです。私立大学全体の志願者数は増加している一方で、半数近い私立大学が入学定員割れを起こしているのはこのためです。
 学部系統の人気も変化しています。2008年秋のリーマンショック後、大学生の就職が厳しい時代には、理系や資格に直結する学部が人気となり、いわゆる「文低理高」となっていました。最近は、企業の採用が改善したことなどから文系の人気が回復し、学部系統の人気は「文高理低」となっていました。
 2019年度入試では「医」「薬」「生活科学」系といった資格に関連が深い学部系統が引き続き不人気でした。一方、文系学部では前年入試で人気系統だった「経済・経営・商」学系で志願者が減少、理系学部では「理」学系で志願者が増加するなど、ひとくくりに「文高理低」とはいえない状況となりました。また、文系・理系を問わず、「情報」系が人気を集めています。近年、IoTやAIなど情報技術の発展に対する期待感が高まっているのがその要因でしょう。
 このように学部系統の人気は時代によって変化するものなのです。


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