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2019年度入試を振り返る

2019年度入試の概観

 2019年度の大学入試では、近年活発だった国公立大の学部の新設・再編の動きは落ち着いたものの、理工系の学部を中心とする学科再編の動きは活発でした。一方、私立大では、国公立大とは対照的に学部新設の動きは盛んで、国際系、医療系の新設が目立ちました。前年入試では国の定員超過抑制策の影響で合格者を絞り込み、難化した大学が相次いでいだことから、今春はさらなる合格者の絞り込みを警戒して難関大を敬遠する動きが目立ちました。
 はじめに、2019年度入試の志願動向に影響を与えたポイントを確認しておきましょう。

大学志願者数は前年並み
図表1・2

 今春の大学志願者数は、前年並みの約68万人だったと推測します<図表1>。18歳人口は2018年度から減少期に入っており、今春の現役大学志願者数は微減となった見込みです。一方、昨年私立大入試が厳しかった影響から既卒生は増加しており、大学志願者数全体では前年から大きな変動はなかったとみています。

センター試験 英語(リスニング)・国語で平均点上昇

 つぎに、センター試験について確認します。
<図表2>は、河合塾が推定するセンター試験の5教科7科目総合型の平均点推移です。今春のセンター試験では、「英語(リスニング)」「国語」といった主要科目で平均点が上昇しました。この影響で、5教科7科目総合型の平均点は文系型・理系型ともに大きく上昇、現行課程になった2015年度以降最高点となったと推定しています。文系型では569点(前年+17点)と大幅にアップしましたが、理系型では571点(前年+11点)と上昇幅は小幅にとどまっています。理系型生の多くが受験する「物理」「化学」や、選択者の多い「地理B」などの科目が難化したため、文系型ほどの上昇にはなりませんでした。

 <図表3>は、河合塾が実施した自己採点集計「センター・リサーチ」における7科目型受験者の成績分布です。分布は文系型・理系型ともに右側(高得点側)に動いており、昨年と比べて高得点層が増加したことがわかります。主要科目の易化により、高得点が取りやすかった様子がうかがえます。
 センター試験の平均点は、例年その年の志願動向に大きな影響を及ぼしますが、今春は主要科目の平均点アップの影響が顕著にあらわれる志願動向となりました。

図表3
入試変更の動きは控えめ、公立大では中期日程の新規実施が増加

 今春は、大学入学共通テストの導入をはじめとする新入試を2年後に控え、全体的に変更が少ない入試でした。そのなかでも特徴的な動きをみていきましょう。入試における多面的評価導入の動きは拡がりをみせており、今春もAO・推薦入試などの特別入試を拡大する動きが目立ちました。東北大(文、法、理)ではAO入試の拡大にともない一般入試の募集人員が減員となったほか、大阪大(工、医-医)でも推薦入試の拡大により一般入試の募集人員が減員となりました。なかでも大阪大(工)では前期日程の募集人員が前年から30名減と減少数が大きく、競争激化を警戒した動きからか志願者は減少しました。
 医学科では、2段階選抜に関する変更が目立ちました。前期日程では、新潟大、名古屋市立大で新たに2段階選抜を実施したほか、筑波大一般枠では第1段階選抜の予告倍率を5倍から2.5倍へ引き下げました。また、東京大理科三類では2018年度入試から導入した面接試験に時間を要するためとして、第1段階選抜の予告倍率を4倍から3.5倍に引き下げました。これらの大学では、2段階選抜実施への警戒感からか志願者数が減少し、入試変更が受験生の動向に影響した様子がうかがえました。
 今春は公立小松大、公立諏訪東京理科大、兵庫県立大(社会情報科学)、新見公立大(健康科学−地域福祉)が新たに中期日程を実施しました。近年、公立大では中期日程を設ける大学が増えており、今春は20大学28学部が実施しました。今春の中期日程の志願者数は前年を大きく上回り、過去10年で最多となりました。中期日程実施大の増加にともない、中期日程を選択肢のひとつとして出願する受験生が増えています。

活発だった私立大の学部新設、今春は難関大でも学部新設の動き

 私立大の学部新設の動きは活発でした。今春は、青山学院大(コミュニティ人間科学)、中央大(国際経営、国際情報)、立命館大(グローバル教養)といった難関私立大で学部新設の動きがあったことも大きな特徴といえます。このほか新設された学部の顔ぶれをみると、国際系や医療系の学部が目立ち、看護系では今春も8大学で新設されました。
 国は定員規模の大きい私立大を中心に適切な定員管理を求めており、定員を大きく超過した大学には国からの補助金を不交付とする、学部等の新設を認めないなどといったルールを設けています。2018年度までの3年間、この補助金不交付となる定員超過率の基準が段階的に厳格化されてきたことで、都市部の大規模大を中心に合格者数を減らして入学者数を抑えようとする動きがみられ、2018年度入試ではとくに人気の文系学部を中心に難化した大学が目立ちました。今春入試は一般入試でのさらなる合格者の絞り込みを警戒して、受験生の安全志向が際立つ入試となりました。AO・推薦入試の志願者数は増加し、なかでも首都圏や近畿地区などの都市部では増加率が高くなりました。AO・推薦入試を活用して早期に進学先を決めた受験生が例年以上に多かったと推測します。ただし、昨春時点ですでに定員超過の適正化を済ませた大学の多くでは、今春入試でさらに合格者数を減らす動きはみられず、合格者数が増加した大学も目立ちました。


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