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2021年度入試の概要2021年度入試の受験環境

この夏、各大学から2021年度入試の概要が発表されました。2021年度入試からは共通テストの導入に代表される新入試がスタートします。また、新型コロナウイルス感染症による影響も懸念されます。ここでは、2021年度入試を展望するうえで重要な、入試を取り巻く環境や、注目される入試変更点、大学の動きについて確認してみましょう。

受験人口は減少期へ、競争緩和が期待できる年

大学志願者数は近年66~68万人程度で推移してきましたが、今春行われた2020年度入試の大学志願者数は、18歳人口減にともない前年から1万人以上減少したと推測しています。では、2021年度の大学志願者数はどうなるのでしょうか?

来春の18歳人口は今春からさらに2万6千人減少します。また、現役生の大学志願率も頭打ちと見込んでおり、2021年度の現役の大学志願者数は減少しそうです。

既卒生はどうでしょうか? 2020年度入試は、新入試を翌年に控え受験生の安全志向が顕著にあらわれた入試でした。人口減の影響も大きく、国公立大では前期日程の志願者が過去20年を遡っても最少、私立大の一般選抜でも14年ぶりに志願者が減少しました。一方、合格者数は増加したことから2021年度入試を受験する既卒生は減少しているものと推測します。

これらのことから、2021年度の大学志願者数は現役生・既卒生ともに減少するものとみられ、競争緩和はますます進むと考えられます。

新入試がスタート、新型コロナウイルス感染症の影響も

2021年度入試は新入試がいよいよスタートします。大学入試センター試験(以下、センタ―試験)は大学入学共通テスト(以下、共通テスト)に変わります。各大学の入試においても、「学力の3要素」を評価する入試へと様々な変更があります。新入試にともなう変更については、このあとの「国公立大入試の主なポイント」「私立大入試の主なポイント」で詳しくご紹介します。さらに来春入試で気になるのが、新型コロナウイルス感染症の影響です。ここでは、新型コロナウイルス感染症による大学入試の変更点を確認しましょう。

2021年度の共通テストは、本試験2回(第1日程:1月16・17日、第2日程:1月30日・31日)と特例追試験(2月13日・14日)の計3回実施されます【図表1】。本試験の第2日程は、第1日程の追・再試験となっているほか、同感染症による休校等で「学業の遅れ」があると認められた現役生が出願時に選択できます。例年、追・再試験は本試験の翌週に実施されますが、来春は2週間後の実施となります。このため、大学への共通テストの成績提供は1週間程度後ろ倒しとなり、大学の入試スケジュールにも変更が生じています。

【図表1】2021年度共通テストの対応
【図表1】2021年度共通テストの対応

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また、各大学は、文部科学省からの要請(学業の遅れに配慮した「出題範囲等の配慮」、同感染症等に罹患し入試を受験できなかった者への「受験機会の確保」など)に応じ、それぞれの対応について公表を進めています。1点目の「出題範囲等の配慮」については、当初予定した教科・科目から変更する大学は限定的ですが、高校3年生で履修することの多い科目(数学Ⅲ、理科4単位科目、地歴Bなど)については、特定の単元を出題範囲から除く、“発展的な学習内容”からは出題しないなどの配慮を示す大学が散見されます。2点目の「受験機会の確保」については、国公立大の多くは追試験の実施を予定しています。一部の公立大では、追試験日を設けず共通テストの成績及び提出書類等で合否判定を行うケースもみられます。私立大では、追試験の実施、別日程への振替、共通テストの成績で代替する3パターンに大別されます。一般方式であっても、共通テストの成績を用いて合否判定するケースも珍しくありません。各大学の対応については、下記の「新型コロナウイルス感染症への各大学の対応」で確認できます。

学部の新設・再編つづく、理工系では活発な動き

2021年度は新設・再編の動きが活発です。国公立大では、公立の三条市立大(新潟県)、叡啓大(広島県)の2大学のほか、専門職大の国際観光芸術専門職大(兵庫県)が新設を予定しています。また、群馬大(情報)、金沢大(融合)、和歌山県立医科大(薬)などで学部新設・改組が予定されています。近年理工系学部を中心に学部・学科の再編が活発にみられますが、こうした動きは来春も続きます。九州大(工)では6学科を12学科に再編し、一般選抜は学科をグルーピングした「学科群」で行います。Ⅰ~Ⅴの5つの学科群に加え、入学時に学科群を特定しない学部一括入試(Ⅵ群)の計6区分で募集します。このほか、岡山大では工、環境理工の2学部を工学部の1学部1学科に再編します。

私立大では、松本看護大(長野県)、大阪信愛学院大(大阪府)の2大学と4つの専門職大が新設を予定しています。東京理科大では経営学部が国際デザイン経営学科を新設するほか、湘南医療大(薬)、金城学院大(看護)、関西医科大(リハビリテーション)といった医療系の学部新設が目立ちます。近年の情報分野の人気の高まりを背景に、データサイエンス系の新設・改組等もみられます。中央大では理工学部経営システム工学科がビジネスデータサイエンス学科に名称変更するほか、立正大(データサイエンス)、大阪工業大(情報科学-データサイエンス)などが新設を予定しており、データサイエンスを学べる大学は広がりをみせています。また、理工系の学部では国公立大と同様に再編の動きが活発です。関西学院大は理工学部を4学部(理、工、生命環境、建築)に再編するほか、青山学院大(理工)は物理・数理学科を2学科に、南山大(理工)では3学科を4学科に再編します。

2021年度入試の概要

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