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倫理,政治・経済

2021年度入試(2021年4月入学生向け入試)からセンター試験に代わり、「大学入学共通テスト」が導入されます。

共通テストに向けてどのような学習を行えばよいのか、河合塾講師からの学習アドバイスをご紹介します。

河合塾講師からの学習アドバイス

倫理,政治・経済学習アドバイス

共通テスト「倫理、政治・経済」では、これまでのセンター試験と同様、倫理分野と政治・経済分野の全範囲からバランスよく出題されることになるでしょう。「倫理分野」について見ると、青年期の課題と自己形成、源流思想、西洋近現代思想、日本の思想、現代社会の倫理の5つの領域から、まんべんなく設問が設けられ、「政治・経済分野」については、政治と経済のそれぞれの領域からほぼ同比率で出題される可能性が高いです。したがって、トータルバランスに気を配り、すべての単元の学習事項をしっかりと押さえ、未学習の単元をつくらないようにすることが大切です。倫理あるいは政治・経済のどちらかの分野にばかり時間を費やすようなことも避けたいところです。

共通テスト「倫理、政治・経済」では、これまでのセンター試験とは異なるタイプの設問と、センター試験と同じようなタイプの設問が混在する形になることが予想されます。どちらの形式の設問が出題されるにしても、出題の中心は教科書で扱われている基本事項にかかわるものとなるでしょうから、教科書を丹念に精読していくことが何よりも重要な学習といえます。ただし、教科書に登場する人物名や語句を単に暗記しただけでは高得点は望めません。例えば、誤文の選択肢の文章中にそれとなく重要キーワードを組み入れ、受験生を惑わすような“ひっかけ問題”は、これまでのセンター試験に引き続き、新しい共通テストにおいても用いられる可能性があります。この種の手法にひっかからないためには、教科書の内容理解に徹した学習が重要となります。また、模擬試験などを活用して理解を正確にし、誤文を見抜く眼力を養うという学習方法も有効です。

新しい形式の設問を研究するには、2018年に実施された共通テストの試行調査「倫理」と同「政治・経済」をチェックしておくとよいでしょう。新しい形式の設問に対応するためには、読解力や思考力を試す設問への対応力を磨くことが求められます。特に、この種の設問は1問当たりに費やされる時間が多くなりがちですから、「試験中にこの種の設問に時間をかけすぎて、解答時間の配分に失敗した」という事態に陥る可能性があります。読解力や思考力を試す設問への対応力や時間管理力を磨くには、模擬試験などの演習を通じて練習しておくとよいでしょう。
センター試験「倫理」および同「政治・経済」の過去問を演習しておくこともオススメします。共通テスト「倫理、政治・経済」の設問のなかには、これまでのセンター試験と同じような形式の設問も混在する可能性があるからです。センター試験の過去問に登場する設問を用いて、知識事項の確認・補充を積み重ねていくことは、共通テスト対策としても有効な学習手段となるはずです。

大学入試センター発表資料

令和3年度試験情報令和3年度試験情報

共通テストの時間割や問題作成方針などが掲載されています。

平成30年度試行調査平成30年度試行調査

平成29年度試行調査平成29年度試行調査

[参考] 2020年度センター試験 問題構成と設問別分析

大問 分野 配点 マーク数
1 現代社会の諸課題と青年期 14 5
2 日本の思想・源流思想 18 7
3 西洋の近現代思想・源流思想 18 7
4 「平等」の実現に関する課題 22 8
5 経済成長と地球環境問題 14 5
6 自由民主主義の原理と制度 14 5
合計 100 37
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設問別分析

第1問
「友達関係」をめぐる会話文をもとに、現代思想や現代社会の諸問題などから出題された。クワイン(解答番号1)は、受験生にとっては見落としがちな思想家であり、難しく感じたかもしれないが、「ホーリズム」の内容を知らなくても、文章を丁寧に読むことによって正解できるものであった。
第2問
「伝統とは何か」をテーマとした本文をもとに、日本思想分野と東洋源流思想分野から幅広く問われた。大乗仏教(解答番号6)や古神道(解答番号7)、山鹿素行(解答番号9)についての出題は、それぞれ的確な理解を要するため、やや難しいものであった。
第3問
「身体と理性」をテーマとした本文をもとに、源流思想を含む西洋思想分野から幅広く問われた。キリスト教(解答番号13)についての出題は、的確な理解を要するため、やや難しかった。カントとヘーゲル(解答番号17)についての出題は、不慣れな用語が用いられていることや思想史の的確な理解が必要なことから、正誤の判断がやや難しいものであった。
第4問
「平等」の実現に関する課題をテーマに、支配の正当性、アダム・スミスの思想、市場の機能や限界、消費者問題、民間の労働者に関する日本の法制度、需給曲線の読み取り、地方自治、難民受入れについて出題された。問1で問われた支配の正当性に関するウェーバーの思想は、受験生にはなじみの薄い事項であったと考えられる。問4で問われた消費者団体訴訟制度や、問8で問われた日本の難民条約の加入時期は、やや細かい知識である。
第5問
「宇宙船地球号」という視点から、発展途上国の経済成長と地球環境問題との関係を論じた本文をもとに、公共財の性質、発展途上国の経済、二国間貿易の為替による決済の仕組み、企業の資金調達の日米比較、世界の政府開発援助(ODA)の実績が出題された。外国為替の仕組みに関する問3は、2012年度の「政治・経済」の解答番号11とほぼ同じ内容の出題であった。
第6問
自由民主主義に関する本文をもとに、選挙制度、大衆民主主義、日本における司法権監視、国民の自由や権利をめぐる状況など、政治にかかわる事項が幅広く問われた。違憲審査権の積極的な行使を求める根拠となる考え方を問う問1は、論理的な判断力が問われている(類題が2014年度の「倫理、政治・経済」の解答番号38にみられる)。日本における司法権監視の仕組みについて問う問4では取調べの可視化に関する時事的事項が出題された。

[参考] センター試験 平均点の推移

年度 2020年度 2019年度 2018年度 2017年度 2016年度
平均点 66.5 64.2 73.1 66.6 60.5
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※共通テストの平均点について

2018年に実施された共通テスト 試行調査では、平均得点率が5割になるように作問されました。
2021年1月実施の共通テストで想定する平均得点率は明示されていませんが、同様の得点率を想定して作問されると考えられます。

共通テスト 科目別学習アドバイス

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