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世界史B

2021年度入試(2021年4月入学生向け入試)からセンター試験に代わり、「大学入学共通テスト」が導入されました。

共通テストに向けてどのような学習を行えばよいのか、河合塾講師からの学習アドバイスをご紹介します。また、共通テストの設問別分析や平均点の推移などをまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

河合塾講師からの学習アドバイス

世界史B学習アドバイス

共通テスト(世界史B)では、以下のような特徴が見られました。各ポイントを押さえて学習を進めましょう。

1.解答に時間がかかる問題が増加
共通テストは、センター試験より小問数が36問から34問へ減少しましたが、大問数は4題から5題となり、さらに資料の読み取り問題が大幅に増えました。その結果、問題のページ数も6ページ増加し、分量そのものは増加しました。資料を正しく読み取るには、初見の資料でも「既知の知識」と資料から「読み取った情報」とを重ね合わせて判断しなければなりません。教科書本文の文字情報だけではなく、資料・地図・図版、さらにはコラムにも目を通しておきましょう。
2.4文正誤問題の大幅な減少、会話文・組合せ問題が増加
センター試験では定番の4文正誤問題が大幅に減少し、代わりに試行調査(試行テスト)で見られた会話文や組合せ問題が増加しました。歴史用語を「暗記する」のではなく、因果関係やそれぞれの時代のイメージを意識して「理解する」学習を心掛けましょう。
3.出題分野は古代~第二次世界大戦後まで幅広く出題
出題分野は、やや近現代史が多く戦後史からの出題も見られました。非常に広い範囲の学習が必要ですので、「タテのつながり」と「ヨコのつながり」とを意識した学習をしましょう。

2021年度共通テスト 問題構成と設問別分析

2021年1月16日(土)実施分

問題構成

大問 分野 配点 マーク数
1 資料と世界史上の出来事との関係 15 5
2 世界史上の貨幣 18 6
3 文学者やジャーナリストの作品 24 8
4 国家やその官僚が残した文書 26 9
5 旅と歴史 17 6
合計 100 34
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設問別分析

第1問
資料と歴史上の出来事との関係をテーマとした問題で、Aは『史記』、Bはマルク=ブロックの著書から引用されている。問2の4文正誤にはやや細かい情報が含まれる(マッカーシーなど)。問4の「文章資料についてのブロックの説明」は、資料を正確に読み取る必要がある。
第2問
世界史上の貨幣について、Aはイギリスにおける金貨鋳造量の推移のグラフ、紙幣流通量の推移のグラフを使った問題、Bは会話文を利用した問題である。問2は、グラフを読み取った上で、そこから考えられる仮説について問う問題であった。
第3問
文学者やジャーナリストの作品がテーマで、A~Cのすべてに資料文が使用されている。Cではジョージ=オーウェルの小説『1984年』を紹介・討論するさいに配付された資料と生徒からの質問票を活用した問題。4文正誤問題は3題のみで、残り5問は組合せ問題(うち、3問は6択)であり、組合せ問題が多いこと、そして、資料の読み込みが必要となるため、解答に時間がかかる。問8は、引用文の読み取りと習得している知識を組み合わせて判断する必要がある。
第4問
国家とその官僚が残した文書がテーマで、A~Cのすべてに資料文が使用されている。地図を使用した問題は、全体の中でこの第4問 問2のみで、資料中の「自治公国」という記述から空欄に入るのがブルガリアであると判断したうえで、地図からブルガリアを探す問題である。問1・問7は資料の内容、問8は会話文の内容を読み取る必要がある。問5は、資料X・Yがそれぞれ何であるのかを読み取って、それぞれの年代を判別し、資料Zとともに年代順に並べる問題。資料Zの日中共同声明は、会話文中に「1972年」という年代が示されているが、資料Xも同じ1972年であるため、ニクソン訪中のあと田中訪中が行われたという、流れで解く問題。
第5問
旅と歴史をテーマに、Aでは3つの地域に関連した資料を読み、その内容から地域1がシチリア島、地域2がロンドン、地域3がアテネであることを特定することが、設問を解く上での前提となっている。Bは19世紀の朝鮮からの出題で、これも会話文の内容などから空欄に入るべき人物(大院君)や思想(朱子学)を特定したうえで、問4・問5を解く問題である。

2021年1月30日(土)実施分

問題構成

大問 分野 配点 マーク数
1 世界史上の植民地 22 7
2 世界史上の工業・産業の変化に関する授業 12 4
3 世界史におけるグローバルな接触や交流 15 5
4 指導者・君主が自身の言葉によって人々の認識に与える影響 27 9
5 世界史上の国際関係 24 8
合計 100 33
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設問別分析

第1問
世界史上の植民地をテーマに、Aは授業形式でアフリカのある国の歴史についてを、Bではクーデンホーフ=カレルギーの『パン=ヨーロッパ論』所収の地図を、Cではラッフルズの書記が記した資料を扱った問題である。Aでは、要約1~5からアフリカのこの国をリベリアと判断しなければならず、問1・問2ともにリベリアに関する問題であった。Bの問3~問5では、地図から「パン=ヨーロッパ」の国かどうかの判断が必要であり、受験生には煩雑な問題であった。
第2問
世界史上の工業・産業の変化に関する授業の形をとって、Aは18世紀半ばから20世紀前半にかけての各地域の工業生産のシェアのグラフ、Bは鉄道営業キロ数の統計資料とそれについての会話文を使用した問題。問1・問3は、グラフ・統計資料とそれを説明した会話の内容を、グラフと照らし合わせて判断しなければならない。問3の空欄エは、ドイツ関税同盟の役割を理解していれば解答できる。問4は、生徒が作成したパネルの正誤を判断させる、試行調査に近い形式であった。
第3問
世界史におけるグローバルな接触や交流をテーマとして、Aは古代の文明について、Bはカスティリャ王エンリケ3世の事績についての先生と生徒の会話を使用した問題。サトウキビがアメリカ大陸原産ではないことを判断させる問2はやや難しい。問3で問われている空欄イは、会話文中の「1840年代のジャガイモ飢饉」という記述からアイルランドであることがわかる。問5は、ティムール朝と同時代の中国の王朝ということから明であると判断したうえで、明についての歴史を述べた文を選択肢から選ばなければならない。
第4問
指導者・君主が自身の言葉によって人々の認識に与える影響について、Aではアウグストゥス(オクタウィアヌス)が死の直前に自身の功績を記した資料を、Bではフランス大統領シラクの演説を、Cでは朝鮮王朝の世宗が訓民正音を制定したときの冊子の序文とこれに反対する臣下の意見を、それぞれ扱って出題している。問1は、「資料の著者の事績」を問うているが、知識で解答するのではなく資料から読み取る問題である。問2・問6・問7は、資料の空欄に単語を入れ、さらに資料から読み取って正しい内容の文を選ぶ同じパターンの問題であった。
第5問
世界史上の国際関係をテーマに、Aではパレスチナ分割案についてについて調査した大学生の授業発表を、Bでは中国西北地域の居延県一帯で作成された木簡に見える年号を、Cでは20世紀の国際関係についての授業を扱った問題で、A・Cでは会話文が利用され、全体として空欄補充問題が多い。問1は、全体の中で唯一出題された、年代の古いものから順に正しく配列する問題で、短文からそれぞれ何回目の中東戦争かを考え、配列する問題。問5の風刺画中の人物名と彼の君主が中国皇帝に要求した内容の組合せ問題は、「中国の皇帝の前で平伏することを拒否した」人物として、「あ アマースト」「い マカートニー」を区別することが難しい。一部の教科書にこの図版があるので、それで学んでいる受験生はよいが、そうでなければ、アマーストが平伏することを拒否したことで皇帝に謁見できなかったという知識から解くしかないだろう。

平均点の推移

年度 2021年度 2020年度 2019年度 2018年度 2017年度
平均点 63.49 62.97 65.36 67.97 65.44
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  • 2021年度は大学入学共通テスト第1日程の平均点
  • 2020年度までは大学入試センター試験の平均点
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