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センター試験 化学

学習アドバイス

センター試験「化学」は、「化学」からの出題が中心ですが、一部「化学基礎」の範囲からも出題されます。2019年度は「物質の構造」からの出題のみで、配点比率は4%でしたが、2018年度までは「酸と塩基」や「酸化還元」からも出題され、配点比率は10%程度でした。また「化学」を学ぶうえでも「化学基礎」の理解は必須です。したがって、「化学基礎」、「化学」の全範囲について、教科書に記載されている基本事項を確実に学習しておく必要があります。特に、「化学基礎」は高校1年で履修し、忘れている箇所がいくつかある可能性もあるので留意しましょう。また、教科書の章末問題などを活用し、必ず問題演習で知識が定着したかを確かめましょう。
 センター試験の問題の大部分は、基本事項の理解を問うものですが、それにとどまらず、複数の思考過程を組み立てないと解答できない設問もいくつか出題されます。特に、2019年度の特徴として、理論分野を中心に複数の思考過程を要する計算問題や、グラフから必要な情報を抽出し科学的な思考力を問うという共通テストを意識したと思われる問題が出題されました(出題例:第2問問3、第3問問5)。現行のセンター試験は2020年度入試で最後となりますが、2021年度入試からの大学入学共通テストへのつなぎという意味でも、このタイプの問題が複数出題されると思われます。これらに対応するためには、標準的な問題でよいので、二次・私大入試に対応した問題集などを活用し、知識を組み立てて問題を解いていく訓練、演習が必要となるでしょう。
 無機・有機分野は、天然有機化合物、合成高分子化合物を含めて、教科書に記載されている事項から出題されますが、かなり詳細な知識まで問われることがあります。これに対応するためには、教科書の基本事項を整理するとともに、センター試験の過去問演習を通して、知識が確実に押さえられているかをチェックし、定着をはかることが有効です。また、無機物質では、ここ数年「無機物質と人間生活」からも出題されていますので、この箇所も必ず目を通しておきましょう。
 実験考察問題は毎年1、2題出題されています。教科書に記載されている実験については、手順や操作方法について、その意味も含め理解しておく必要があります。また、「身のまわりの物質」に関連する事項も出題されています。これに対応するためには、教科書の「探求活動」、「無機物質と人間生活」、「有機化合物と人間生活」、また、「化学基礎」の「化学と人間生活」も、無機や有機の学習を一通り終えた後にもう一度必ず目を通しましょう。
 全統マーク模試の第1回、第2回は高校の履修状況を考慮して、基本事項の定着度を試すとともに、一部は複数の思考過程を要する問題で、応用力を試す構成になっています。第3回、プレテストでは、過去のセンター試験の傾向を分析し、また、2019年度顕著だった大学入学共通テストを意識したタイプのものも含めて、2020年度のセンター試験を予想して作成しています。到達度を把握し、さらに実戦力を養ううえで格好の指標となるため、大いに活用しましょう。

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2019年度問題構成と設問別分析

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大問 分野 配点 マーク数 テーマ
1 物質の構成、物質の状態 24 7 物質の構成、物質の状態、気体、溶液
2 物質の変化と平衡 24 6 化学反応と熱、反応速度と化学平衡、溶解度積、電気分解
3 無機物質 23 6 非金属元素、金属元素、化学反応と量的関係
4 有機化合物 19 6 脂肪族化合物、芳香族化合物
5 高分子化合物 5 2 合成高分子化合物、天然高分子化合物
6 合成高分子化合物 5 2 合成高分子化合物
7 天然有機化合物 5 2 糖類、ペプチド
合計 100 29  

設問別分析

第1問

化学結合、結晶の性質、結晶の構造、分子間にはたらく力、気体の分子量測定、物質の溶解が出題された。
問1のa、bは化学結合、結晶の性質に関するもので、いずれも「化学基礎」からの出題であり、基本事項を理解していれば解答できる問題である。問2はダイヤモンドの単位格子から密度を求める問題である。問3は分子間にはたらく力と物質の性質の関係が問われた。問4は液体を蒸発させ、その蒸気についての理想気体の状態方程式をもとに分子量を求める内容である。この実験は教科書に取り上げられている内容であり、確実に理解しておきたい。問5は溶解に関する正誤問題、問6はヘンリーの法則を用いた気体の溶解度の計算問題である。
結晶や気体、溶液に関する基本事項を定着させ、計算問題の演習を積み重ねておきたい。

第2問

化学反応と熱、反応速度と化学平衡、溶解度積、電気分解が出題された。
問1はエネルギー図を利用して結合エネルギーを求める問題であり、エネルギー図の基本的な理解が必要であった。問2は反応速度と化学平衡の問題であり、反応速度定数を用いて平衡定数を求めることがポイントであった。問3は溶解度積の問題であった。グラフの縦軸が塩化物イオン濃度を表しており、濃度が双曲線より上の領域で沈殿が生じることを読み取る内容であるが、溶液を同体積ずつ混合しているので、濃度が半分になることに注意が必要であった。問4は粗銅の電解精錬の内容であった。問5は硝酸アンモニウムの溶解による水溶液の温度変化を考える問題であったが、文字式に戸惑った受験生も少なくなかったであろう。
物質の変化とエネルギーは、定義や反応を押さえたうえで、計算も含めた演習を十分に行っておきたい。反応速度と化学平衡は、計算だけでなく、化学平衡の移動(ルシャトリエの原理)も押さえておきたい。また、今年は出題されなかったが「化学基礎」の範囲である酸と塩基や酸化還元の量計算もよく出題されており、注意しておこう。

第3問

身のまわりの無機物質、アルカリ金属とアルカリ土類金属、錯イオン、オストワルト法、クロム酸銀の生成量に関する計算問題が出題された。
問1は製鉄に関して銑鉄よりも鋼に含まれる炭素の割合が低いという知識が要求された。問3は錯イオンに関する知識が問われた。問4aは二酸化窒素の反応における酸化数の変化がポイントである。問5はクロム酸銀の沈殿生成に関する化学量計算の問題で、クロム酸カリウムと硝酸銀からクロム酸銀の沈殿が生成する知識と、過不足なく反応するときの量的関係に着目することがポイントになる。
無機物質について、教科書に記載されている事項をまとめ、問題演習を通じて知識を定着させるとともに、化学量に関する計算問題にも対応できるようにしておきたい。

第4問

脂肪族炭化水素、酸素を含む脂肪族化合物、芳香族化合物から出題された。
問1はベンゼンに関する基本事項を問う正誤問題であった。問2は、1-ブタノールとメチルプロピルエーテルからなる混合物中の1-ブタノールの含有率(質量パーセント)を算出する問題で、水素の発生量から1-ブタノールの物質量を求めることができれば、正答に至る。問3は還元反応によって得られる芳香族化合物を選択する問題で、目新しい出題形式であり、題意がつかみにくかった受験生もいたと思われる。第一級アルコールを酸化するとアルデヒドが得られることから、アルデヒドを還元すると第一級アルコールが得られることを判断できたかがポイントである。問4は、分子式C4H8Oで表されるカルボニル化合物の異性体を数え上げる問題であった。問5は、メタンの実験室的製法を題材とした問題で、メタンの捕集法(水上置換)に関する知識が問われた。
有機化合物の名称や性質など、教科書の重要事項を身につけ、過去のセンター試験で出題された問題などを中心に問題演習を積んでおきたい。

第5問

合成高分子化合物、天然高分子化合物が出題された。
問1は分子量分布のグラフから2種類合成高分子化合物の平均分子量の関係を判断する目新しい問題であった。問2は合成高分子化合物、天然高分子化合物に関する正誤問題で、教科書に記載されている事項を踏まえた標準的な内容であった。

第6問

合成高分子化合物が出題された。
問1はホルムアルデヒドを原料としない合成高分子化合物の選択、問2は合成高分子化合物(ポリエチレンテレフタラート)の平均分子量を求める問題であった。問2は両端がカルボキシ基であることに注意する必要がある。
高分子化合物に関する基本事項を押さえておくとともに、計算問題の演習に取り組んでおきたい。

第7問

糖類、ペプチドが出題された。
問1は糖類に関する基本問題で、教科書の基本事項を押さえておけば解ける。問2はジペプチドを構成するアミノ酸の組合せを決定する問題で、グラフから必要な情報を抽出する思考力を要する問題である。
教科書の基本事項を押さえておき、問題演習を通じて理解を深めておきたい。

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平均点の推移

年度 平均点
2019年度 54.7
2018年度 60.6
2017年度 51.9
2016年度 54.5
2015年度 62.5

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