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東北大学 学習アドバイス

河合塾講師からの学習アドバイス

教科別の学習対策について、河合塾講師がアドバイスします。
 (※出題範囲は募集要項、大学ホームページ等で必ず確認してください。)

英語

最近の出題傾向

①読解力重視の傾向が続く
大問Ⅰ・Ⅱ(長文)では1,000語前後の論説文が出題され、内容も高度で多岐にわたる。和訳問題は長いものでは3行以上にわたる英文が対象になることもある。概して構造が複雑で、語彙(ごい)レベルも高い。和訳問題の出来が合否を左右する。

②質・量ともに重い記述問題
 和訳問題でも説明問題でも、正確な読解を前提とした明晰な表現力が問われている。大問Ⅲの自由英作文では自分の考えを正確に英語で伝える力が問われ、大問Ⅳの和文英訳では、ある程度の長さの英文を破綻なく構成する力が試されている。

2020年度入試予想・対策

 大問Ⅰ・Ⅱの読解総合問題の素材は学術分野(科学技術・IT・文化・言語・教育・心理学など)が中心。2019年度入試では直観による意思決定(Ⅰ)と学校教育における遊びの重要性(Ⅱ)がテーマであった。説明問題では、設問の要求を的確に捉え、素早く必要な内容を特定することが求められる。また、英語での記述問題(要約や自由英作文)が復活する可能性もある。Ⅲでは、会話・討論・スピーチなどコミュニケーション場面での英文に基づき、客観式の読解問題と、英語による要約か自由英作文が課される。Ⅳは例年どおり。

①下線部和訳:構文の把握力と日本語の表現力で差
 主に関係詞・接続詞・分詞構文・比較・仮定法、そして強調構文などに注意したい。また、倒置や挿入も要注意。2019年度入試では口語的な表現も素材となった。いずれにしても直訳では対応できないことが多いので、直訳を基に自然な日本語に仕上げる練習が必要。語彙(ごい)力の充実も必須。

②内容説明:文脈理解が鍵
 何をどうまとめるか迷うかもしれない。各パラグラフの役割を意識し、本文全体の論理展開を踏まえると解答の方向性が見える。他大学の過去問も活用し、様々なタイプの説明問題を解くのも有効。設問の要求に応じた答案のまとめ方の練習になる。

③客観式問題はサービス問題
 空所補充やいわゆる「文整序問題」、そして下線部の内容をまとめた英文中の空所を補充する問題(2019年度に登場)はごく容易。確実に得点したい。

④自由英作文:構想力が大切
 2019年度入試の大問Ⅲでは「通信技術は人間関係を疎遠にするか?」がテーマのディベートで、一方の「疎遠にする」という立場への反論を、少なくとも理由2つを挙げて述べることが課された。様々なテーマに関して日頃から関心を抱き、感想や賛否を述べる練習を積もう。

⑤和文英訳:問題文の正確な解釈が必須
 大問Ⅳでは、下線部以外の内容も踏まえ、隠れた主語や目的語を補うなど、日本文の正確な読解が不可欠。直訳できない表現は既知の構文に合うように解釈し直すことが必要。またミスによる失点を防ぐため、自分が書いた英文を厳しく自己点検する習慣が必要。

⑥教材としても優れた過去問
 東北大学の問題では、読むだけで啓発される素材が選ばれる。しかも学習の成果が正当に反映される良問なので、過去問の学習が受験勉強の枠を越えた知的な体験にもなる。

文系数学

最近の出題傾向

①出題範囲全体からバランス良い出題
 2019年度は、2次方程式(放物線と直線の交点)、対数関数(対数不等式)、数列(3項間漸化式)、確率(反復試行)といった出題であった。2018年度よりやや難化した。ここ数年は、微分・積分、場合の数・確率に加え、ベクトル、数列、三角・指数・対数関数、2次関数・不等式、初等幾何などから2題の出題となっている。年度にもよるが、出題範囲全体からバランスの良い出題となっている。

②問題は標準レベルが中心
 やや軽い感じの取り組みやすい問題も含まれるが、標準的なレベルの問題を中心とした出題である。年度によって面倒な計算や場合分けが必要な問題が出題されることもあり、文系としては手強い出題といえる。きちんとした学習が必要である。

2020年度入試予想・対策

 2020年度もこれまでと同様に、各分野を代表するオーソドックスな問題が中心の出題となるだろう。微分・積分、場合の数・確率、ベクトル、数列、三角比・三角関数、指数・対数関数、2次関数、図形と方程式、整数など、どの分野も出題の可能性は高いので、きちんとした学習計画を立て、確実に全範囲の学習を進めておきたい。

①計算公式は確実に
 高校の教科書をしっかり復習して、基本事項が身についているかを確認しよう。特に計算に絡む定理や公式は重要で、問題を完答できるか否かに直結することが多い。絶対値記号、三角関数、指数・対数関数、微分・積分、ベクトルの内積などに関するものは自信を持てるようになるまで十分練習を積んでおくこと。

②典型問題の解法を習得
 教科書の章末問題は解いておきたい。さらに、易しめの参考書などで、重点分野ごとに典型問題で演習を積もう。十分考えながら演習を積むことが望ましいが、最低限、考え方と解法をしっかり理解して、後で解くときには自力で完全に解けるようにすること。類題も解いて、身につけたことを確認しておきたい。

③過去問を解く
 過去問も必ず解いてみよう。まずは解けそうなものでよい。実際の試験では、まず易しい設問を的確に見抜き、それらを確実に正解できれば合格の最低ラインは確保できる。過去問になじみ、東北大学独特の問題の雰囲気に慣れておこう。着手の順序を自分なりに判断できるようになれば、かなり良い。

理系数学

最近の出題傾向

①微分・積分と確率が出題の柱
 2019年度は、微分(接線の直交条件)、対数関数(対数不等式)、数列(極限)、式と証明(整式の割り算)、積分(積分方程式)、確率(漸化式)といった出題であった。2018年度よりやや難化した。例年、微分・積分、場合の数・確率に加え、ベクトル、数列、三角関数、整数、図形に絡む問題など、各分野の重点項目からバランス良く出題されている。

②問題は標準レベルが中心
 やや易しいものからやや難しいものまで出題されているが、全体的に標準レベルの問題が中心の出題で、理系としての常識的な考え方や計算力を試す内容となっている。場合分けを伴うことも多く、論理的なしっかりとした力の有無を見られる問題である。

2020年度入試予想・対策

 ここ数年は出題頻度順に場合の数・確率、微分・積分、複素数平面、整数、数列と極限、ベクトル、図形と方程式、2次関数・方程式・不等式、三角関数となっている。平面・空間図形の幾何といった手薄になりやすい分野に加え、因数分解、多項式といった基礎からも出題されることもある。理系なので幅広く学習してほしいということである。積極的に全範囲を終えるように学習する必要がある。

①典型問題の解法を習得するのは最低条件
 教科書の内容を固めたら、重点分野ごとに問題演習を積もう。典型問題を学習することによって常識的な考え方や問題の扱い方を身につけることが入試の基礎である。

②解ける問題を見抜く力をつけよう
 解く力を養うことは最も重要である。そのためには系統的に問題演習を継続することが肝要。また、試験では着手の手順も大事である。易しい問題は確実に解き、難しい問題は後回しでよい。試験では、解けそうだと思った問題から解くことが一番大事である。そのために、問題を初めて見たときの難易度の印象を大切にしよう。さらに、過去問の演習を何度か行っておくことも有効であり、東北大学独特の問題の雰囲気に慣れておきたい。

③普段の計算を大切に
 正しい方針もそれを遂行する計算力が伴わなければ正解に至らないし、計算そのものが数学の本質であるという面もある。定義、定理の周りを含め、三角・指数・対数関数の計算規則、ベクトル、複素数、微分・積分の計算などが確実にできることは大前提なので、普段から手を抜かずに練習しておこう。また、検算を習慣づけておくことも大切である。

現代文

最近の出題傾向

 過去5年間(2015~2019年度)は、すべて〈一.評論、二.小説〉の組み合わせである。いずれも、実績ある著述家、研究者、あるいは戦後作家が選ばれている。本文字数は3,000~3,500字程度、解答字数は30~80字である。2019年度の出典は、評論が岩田慶治「音・時・言葉」、小説は小川洋子『ことり』であった。

①評論
 内容は、文化人類学の研究者はどのような意図や目的を持ってフィールドワークを行っているのか、というものであった。東北大学の評論は、このように文化現象の奥底に潜む「意味」をテーマにした文章が選ばれることが多い。読解で注意するのは、第一に本文に忠実に理解することである。自分勝手ではなく、本文の説明を丁寧にたどることが大切だ。次に、テーマの内容である。目に見える具体的レベルの文化の現象のなかから、その奥に潜む本質的なもの、いわば目に見えない次元を読み取ることが求められている。例えば2019年度の場合、「ボルネオ内陸に住むイバン族」の持つ生活道具が、単に実用性にとどまるのではなく、他世界との交流を図るものでもある、という内容であった。

②小説
 一貫して鳥に関する本だけを借りている「小父さん」とそのことに気づいた図書館の「司書」の女性との会話を軸にして、「小父さん」とその亡くなった「兄」との関係、これからの「小父さん」の生き方を読み取らせる問題であった。
 日常的な出来事が取り上げられているが、その具体的なレベルから登場人物を動かしている見えないレベルの心情を読み取るという、非常に高度な読解力が求められていた。この傾向は変わっていない。何気ない行動に込められている意味を読み取る力が求められている。ここでも、本文を勝手に解釈するのではなく、本文を忠実にたどりながら、その意味を捉え、文章全体で伝えようとしている主題(メッセージ)を読み取ることが重要である。

2020年度入試予想・対策

●評論問題のポイント
 例年、思想的な文章、文化論的な文章、文明論的な文章が出題されている。
 ①「身体と精神」「自己と他者、世界」「歴史」「知性と感性」「教養」「近代」「言語」などの文化・思想の基本的タームを理解し、それを用いて思考し、文章として表現する力が求められている。②漢字の練習は不可欠である。常用漢字はすべて書けるようにしてもらいたい。③哲学的、思想的、文化論的な文章を選び、文章全体として意味が通じるように300~400字で要約する練習をしよう。そのとき本文の語句を用いてよい。④最後に、本文全体で筆者が何を言わんとしたかを、思い切って100字程度でまとめてみよう。

●小説のポイント
 最近は、戦後すぐに活躍した作家たちというよりは、現代の作家の作品が取り上げられる傾向にある。いわばベストセラー作家ともいえる。わかりやすい物語が持つ深い意味を問う問題になっている。①登場人物の心理の変化を、背景としての自然やほかの登場人物との関係のなかで細やかに読み取る練習をする必要がある。②時代背景や登場人物同士の人間関係をよく確認しよう。③背景となっている自然や、④主人公の「行動」と「会話」の隠された「意味」を読み解く練習をするとよいだろう。最後に、本文全体で言わんとしたことを簡潔に100字程度でまとめてみよう。これができれば深い読み取りができたことになる。東北大学以外の国公立の後期試験の小説問題を取り上げて練習することを勧めたい。

古文

最近の出題傾向

 2009年度以降の出典は『源氏物語』(中古・物語)、『沙石集』(中世・説話集)、『かざしの姫君』(中世・物語)、『新学異見』(近世・歌論)、『とはずがたり』(中世・日記)、『北窓瑣談』(近世・随筆)、『狂歌現在奇人譚』(近世・評伝)、『うたたね』(中世・日記)、『玉勝間』(近世・随筆)、『撰集抄』(中世・説話集)、『宿直物語』(近世・随筆)である。近世の随筆・中世の説話集・物語の出題が多いが、2012年度には歌論、2013・2016年度には日記、そして2015年度には評伝が出題されており、的を絞るのは難しい。難易度については、ここ数年で見ると2015年度は易しめ、2016年度は難問、2017・2018年度は易しめとなっている。2019年度は、やや難化した。もっとも、どのような出典でも、基礎的な読解力と表現力を問うものであることには変わらない。よって、出典の予想や難易度にこだわるのは得策ではないだろう。
 注意すべきこととしては、2017年度入試において、80字の理由説明が出題されたことが挙げられる。これほどの記述量を要求することは、これまでの東北大学にはほとんどなかった。

2020年度入試予想・対策

①まずは、基礎的な語彙(ごい)力・文法力の養成を
東北大学の設問形式は、この数年、多少の異同はあるものの、次のようになっている。(1)単語・語句の意味を問う問題、(2)解釈問題、(3)理由・内容・心情の説明問題、(4)まれに文法・文学史の知識問題。2008・2009年度は、助動詞を含む空欄補充問題が出た。2014年度は、これまでには見られなかった、傍線部と同内容の箇所を抜き出す問題が出た。単語の意味を問うものや解釈問題はもちろんのこと、説明問題や空欄補充問題であっても、語彙(ごい)力や文法力がものをいう。まずは、基礎的な語彙(ごい)力・文法力を養成することが肝要である。

②木を見て、森も見る
 とかく受験生の多くは、単語・文法ばかりにこだわって、全体の文脈を無視しがちである。すなわち、ミクロ的視点ばかりでマクロ的視点を失いがちなのである。木(単語・文法)を見ることも大事だが、森(文脈)を見ることも忘れてはならない。問題文を読む際にも、解答を作成する際にも、絶えず、全体の文脈は意識しておこう。東北大学は、現代語訳の問題で部分の理解を問い、説明問題で全体の理解を問うことが多い。

③表現力を身につけよう
 東北大学の古文は、本文そのものの難度は高くないことが多いし、年度によってはかなり易しいことさえある。しかし、内容は読み取れたとしても、それを答案として的確に表現することに苦慮させられることが多い。厳しい制限字数内で何を答えとして盛り込むか、内容のまとめ方が難しい。よって、本文の内容を要領よく、しかも過不足なくまとめる練習が必要である。そのためには、東北大学をはじめとする、40~80字程度の論述問題を出す国公立大学二次試験の過去問を解き、表現を吟味しながら考え得る最善の答案を自分でつくってみよう。その後で、河合塾をはじめとして、市販されている問題集などの模範解答をできるだけ多く参照し、各社の解答を比較検討しつつ、自分のつくった答案を見直してみるとよい。各社の解答が、表現の仕方や解答のポイントの置き方などで微妙に異なっていることに気がつくであろう。そして、どのような表現を用い、どこにポイントを置いてまとめればよい答案になるかが理解でき、東北大学古文への有効な学習対策になるであろう。

漢文

最近の出題傾向

①本文
 例年、ほぼ宋代(960~1276)以降の中国の随筆・評論・史伝などから出題されてきた。2018年度は珍しく日本漢文から出題されたが、2019年度は明代(1368~1644)の文章から出題されており、例年の傾向に戻った。なお、東北大学の漢文では、一部の設問箇所を除き、返り点・送り仮名は問題文全体に付されている。

②設問形式
 2019年度は、書き下し・語句の意味・代名詞が指す内容、そして字数制限のある内容説明(30字)・筆者の意図の説明(60字)が問われた。2018年度に比べれば、難度はやや増したものの、過去数年間の傾向に照らせば、出題形式・難度ともにおおむね例年並みといえる。基礎的知識に基づいて文意を正確に読み取り、制限字数内で的確な解答にまとめる記述力が問われた点も同様である。

2020年度入試予想・対策

①ジャンルを問わず多様な文章に対応できるようにする
 これまで東北大学の漢文は、随筆・評論・史伝などから出題されてきた。そして、2019年度の問題文は、父が子に語る訓話であった。このように種々のジャンルから出題されるため、どのような文章が出題されても対応できる学力を養っておかねばならない。そのためには、文学・歴史・思想といった特定のジャンルにとらわれることなく、様々な文章に読み慣れておく必要がある。まずは、教科書や問題集・過去問、そして模擬試験などで多様な文章に触れ、それらを丁寧に読解する習慣を身につけていこう。その過程で、中国の古典世界に関する基本的事項も習得していくことが望ましい。

②基礎的事項をマスターする
 書き下し・口語訳の問題は、ほぼ毎年出題されており、多義語や重要語の()み・意味に加えて、基本句形が解答のポイントになっている。そのため、再読文字・使役形・否定形・疑問・反語形などの頻出句形に習熟しておく必要がある。加えて、漢字一般の知識や語句の意味が問われることもあり、実際に2019年度は現在でもよく使う「就」を含む句の書き下しや、「聞(きこゆ)」の意味を問う問題が出された。こういった問題に対応するために、日頃から辞書や参考書を調べる習慣を身につけ、語彙(ごい)力の向上に努めておきたい。

③文章を書く力の向上に格段の配慮を
 例年、25~60字ほどの字数制限を設けた説明問題が複数出されている。例えば、2019年度では合わせて90字の解答を書かねばならなかったが、年度によっては合わせて100字を超える解答を書き上げることが求められた。こういった問題では、自身が理解した内容を所定の字数内で過不足なくまとめることが要求される。これに対応できる記述力を向上させるためには、解答を思い浮かべて終わりにするのではなく、実際に手を使って解答を書き出すことで、文章表現を整理していくスキルを身につけるしかない。そうすることで、ただ漢文を訳すだけではなく、訳して理解した内容を簡潔に表現できる力が身につくのである。なお、自分が書いた解答を読み直して推敲し、さらに添削指導を受ければより一層の効果がある。このようにして、よりよい解答を作成する訓練を日常的に繰り返してほしい。

物理

最近の出題傾向

①出題分野
 例年大問3題で構成され、そのうち2題は力学と電磁気学になっている。そして、もう1題は波動もしくは熱力学である。最近5年間では、波動が3回、熱力学が2回出題されており、出題頻度はほぼ同じと考えてよいだろう。なお、新課程になってから前期試験で原子分野が未だに登場していないのは気になるところである。

②出題形式と難易度
 解答用紙は「考え方や計算の過程」と書かれた白紙部分が大半を占め、最後に結果を指定箇所に明示する形式である。受験生の思考過程を詳細に評価する意図がうかがえる。またグラフの選択問題と描図問題も目立ち、これらに対しても「考え方や計算の過程」の欄が与えられ、図の特徴や選択肢の判断根拠も採点の対象となっている。2019年度から結果の記入欄が解答スペースの右下隅となり、記述のスペースがややタイトに感じられるようになった。
 それぞれの大問は各分野の重要テーマ(単振動、電磁誘導、干渉、断熱変化など)が中心に据えられ、その他の様々なテーマも盛り込まれた形で作題されている。大問1題でその分野の実力が多角的かつ総合的に試される。大問前半は標準的な設問から始まるものの終盤の設問はかなりの思考力を要し、難易度の傾斜も幅広い。

2020年度入試予想・対策

①読解力の養成
 東北大学の物理は見慣れない実験装置や現象を題材に扱われることが多く、その詳細が緻密に書かれているため問題文が非常に長い。試験では、文章を丁寧かつ迅速に読み、一見複雑な問題設定の要点を把握することが最初の作業になる。問題文の長い大問によるトレーニングは必須である。

②隙のない学習を
 出題傾向でも述べたとおり、各分野の総合問題が出題される。つまり、極端に不得意なテーマがあると大問前半の基本・標準問題でも解けない可能性がある。特に受験生が学習を後回しにしがちな、浮力、干渉、交流、電気振動、熱力学第1法則、原子物理などは要注意である。また、方針は明快でも計算が大変な問題も散見される。
 弱点テーマがあれば教科書等で丁寧に学習し、標準問題の解法方針はすぐに思い浮かぶようにしておきたい。同時に、近似計算も含めた文字式の計算力を高めていこう。さらに、問題演習では単なる答え合わせにとどまることなく、様々な角度から別解を考えてみることを勧めたい。

③答案の錬成
 最も良くない答案は、計算だけを羅列したものである。解答用紙は採点者に自分の思考過程を伝えるためのものであり、計算用紙ではない。計算に必要なスペースは問題冊子内に白紙のページとして配慮されているので、ここで計算を含めた分析と考察を行うのである。物理の答案では、(1)文字の定義、(2)法則名または立式の根拠、(3)式、(4)結果の4つの要素が必須となる。これらを基本として自分の思考過程を簡潔にまとめる練習は、それ自体が物理の実力を向上させる。まずは簡単な問題で、この4つを基本形式として答案を作成してみるとよい。そして、先生に自分の答案を見てもらい、答案の足りない部分と不要な部分を指摘してもらうことは大変効果的である。

化学

最近の出題傾向

①理論、理論と無機、有機の3つの大問構成
 大問2が2題に分割され、理論、無機、あるいは理論と無機の融合問題のなかから出題されている。

②化学平衡、酸化還元、結晶構造、構造決定は頻出
 化学平衡は頻出分野である。2019年度では、気固平衡、平衡移動などに関する小問が含まれていた。酸化還元滴定、電池、電気分解などの酸化還元分野も、毎年いずれかの問題を見ることができる。2019年度では、光エネルギーを用いた水の電気分解などに関する小問が含まれていた。結晶構造およびそれに関連する問題は、2010年度から出題が続いている。2014年度に出題された六方最密構造および閃亜鉛鉱型、2018年度に出題されたCu3Auの結晶格子など、やや応用的な題材も見られる。2019年度では分子結晶における分子間力に関する小問などが含まれていた。有機化合物の構造決定問題も出題が続いているが、異性体に関する問題も出題されやすい。全般的には基本~標準問題が中心であるが、応用的思考力を試す問題がいくつか含まれることも多い。

2020年度入試予想・対策

①理論分野の演習強化
 化学平衡、酸化還元、結晶構造のほかでは、化学結合、熱化学の出題率が高く、これらも重要テーマであることを認識するように。このような頻出分野は特に練習を強化し、学力向上に努めたい。ただし、希薄溶液の性質に関する問題やコロイドの問題が、過去に2年続けて出題されたことがある。よって、理論分野は弱点箇所をつくらないことが大切である。まんべんなく基礎を積み上げ、さらに標準的な問題の練習を重ねることで、幅広く問題に対応できる確かな思考力を身につけていくように。また、過去問の類似問題が出題されることは珍しくないので、過去問を重視した勉強も心がけたい。化学現象に対する考察力を問う問題が出題されることもあり、現象を化学的根拠に基づいて説明できる力を養っていくことも大切である。

②有機分野の演習は構造決定問題が中心
 有機分野の出題は、2016年度が従来どおりのやや難しい内容であったが、2017年度からは標準的な難易度となっている。対策としては、まず基礎力を充実させながら、標準レベルの練習を重ねていくことが重要である。2019年度で、以前に題材となったバイヤー・ビリガー酸化が出題された。過去問を解くことが構造決定問題の実践的な練習としてはとても大切である。異性体に関する問題も出題されやすいので、異性体を求める練習も充実させたい。無機分野も出題率の高い金属イオンの分離と反応、気体の製法を含め、基本をしっかり身につけておくことが大切である。

③計算過程の記述、論述問題対策
 計算過程を記述する設問、および論述問題の数は近年、1、2問程度である。2019年度は、論述問題が2問出題された。数は少ないとはいえ、対策は講じておきたい。ポイントを的確に捉え要領よく整理された記述をするためにも、平素からの練習が大切である。論述問題対策としては、法則、原理など基本事項を理解するとき、簡潔明瞭な文章で説明する練習を心がけておきたい。それは基礎力を充実させる練習ともなる。

生物

最近の出題傾向

①出題量・出題形式
 大問が3題出題される形式は、2019年度も変化はない。また、出題された論述問題はすべて字数を限定されるものであった。このような出題形式は、近年見られる傾向であり、定着したように見受けられる。ただし、長い論述問題でも100字程度のものであり、ほかの難関大学で要求されているような150~200字、またはそれ以上の字数を要求される問題ではない。これは大学側が、受験生が自分の答案を、題意に沿ってより簡潔に要約できる力を要求しているものと考えられる。2018年度と比べ、論述全体の出題量は減少しているが、侮れない傾向である。

②出題分野・難易度
 出題分野は各分野からまんべんなく出題されている。入試前に過去問研究をしていると、数年出題されていない分野があることに気づいたりするが、実際の入試では年度において適当な間が空くと、数年出題がなかった分野からの出題がなされたりする。したがって、東北大学の入試において出題分野を絞るということは考えない方がよい。また、近年は「遺伝子の発現」や「バイオテクノロジー」の分野が産業界や学術界において大きく注目されており、日々新しい発見がなされている。この分野においての出題傾向が、東北大学だけではなく各大学で大きいので、学習をおこたらず力を養っておかなくてはならない。
 次に問題の難易度である。2018・2019年度と易化傾向が続いている。高校の教科書の内容と、副教材として使用されている問題集(実験考察系の問題が記載されているもの)などの問題の解法を説明できれば、十分な点数を取ることができるであろう。2019年度の東北大学の問題は、その内容を把握し、考察を正しく行える力を見る問題は出題されているが、数は多くはない。多くの大学の過去問で出題され、多くの問題集で類題が扱われている、いわゆる「定番」の問題が多い。
 また、気になる内容の出題もある。高校の教科書にはない内容(フェニルアラニンとチロシンの化学構造など)が要求されているなど、多くの受験生にとって解きにくい問題が出題されていた。このような出題に対して、多くの受験生が不安を覚えるであろう。しかし、教科書以外の内容に関して覚えていなくては得点できない問題に対応するための学習をするのではなく、教科書にある内容をしっかり身につけて、それを応用する力や、示された事象を理解し、題意に沿って考察できる力を養うことが大切である。

2020年度入試予想・対策

①出題形式・難易度
 最近、よく耳にするようになった大学入試改革においては、企業が大学に要求する人物像にリンクしており、自分で考える力、他者と共同して仕事を成し遂げる力、自分の持つ考えを他者に伝える力など、自発性、協調性に富んだ人物を大学側は望んでいるようである。2019年度の入試の内容からは、東北大学がこのような人材を入学させるために、一般入試に工夫を加えているようには感じられないが、大学入試の大きな流れを念頭に置くと、入試対策問題集によくある「定番」の問題を多く出題するような入試傾向よりは、総合力を必要とする問題について、これからは出題が増加していくと考えられる。このような問題に対処するために、文章や表、グラフなどのデータについての理解力を身につけることはいうまでもなく、論述の答案のつくり方にも気を使ってほしい。採点者に理解してもらえるような答案をつくらなくては点数に結びつくことはない。東北大学も入試後の講評のなかで「論述答案では、過不足なく適切に説明できる能力を求めた」という内容を、年度をまたいで度々述べている。これは、問題で示された実験の内容や現象を理解するのはもちろん、要求されていることが何で、採点者に対してどのような言葉を選んで説明しなくてはならないのか、的確に判断できる能力を見ていることを示すものである。論述で、独り善がりな文章をつくっても、それは説明能力不足と判断されるだろうし、答案の読み手を意識した答案づくりが必要である。

②学習の指針
●基本的な知識にエラーがない。ケアレスミスをしない
 実験考察系の問題に対処する力は、基本的な知識を土台に構築されるため、知識についてエラーがあることは許されない。高校の教科書にある内容はきちんと説明できる状態になっていなくてはならない。また、試験後に「落ち着いて考えればできた」とか「わかっていたのに誤答した」ということがあるが、このようなことがひとつもないタフさも必要である。心がけの問題であるが、「ケアレスミスをしない」ことを意識して学習を進めてほしい。

●論述の力
 論述の力は一朝一夕に身につかない。論述の答案を作成した場合、学校の先生に添削してもらうことが望ましいが、これがかなわない受験生も多いであろう。自分でつくった答案を問題集の答えと見比べて、どこが違い、どのように考察すると模範解答のようになるのかを分析できれば添削してもらう必要はない。効率の良くない学習法として、「ただ問題集の答えを赤ペンでノートに書き写すだけ」というものがあるが、これはナンセンスである。

●問題の解説ノートをつくろう
 日頃使っている問題集でも、模試でもよい。正解に至る考察の過程を丁寧に解説したノートをつくる学習法は力を養う。1週間先、または1ヵ月先の自分が同じ問題で悩んだとき、このノートを見たらすぐ解き方を理解できるようなノートをつくるとよい。

●考察問題に対する対策
 基本的な知識を身につけることができたら、考察を要する入試問題を解いてみるとよい。東北大学の過去問はもちろん、筑波大学、お茶の水女子大学、東京農工大学、福島県立医科大学、神戸大学、九州大学などの入試問題が参考になるのではないだろうか。これも「過去問ノート」を丁寧につくり、繰り返すことが肝心である。過去問研究を「力試し」だけで終わらせてはいけない。

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特派員の声 -合格の秘訣!!-

歯学部 2年
N.Y.特派員

東北大の理科

東北大は化学の構造決定が難しい年があるので、過去問を10年分解いて構造決定に慣れました。また、理科は時間配分が鍵となるので、過去問演習で感覚を身につけました。

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医学部 2年
ヤグー特派員

英作文対策

英作文が必ず出題されるのでセンター後の2次対策の時期はほぼ毎日英作文の過去問を解くようにした。一周したらさらに同じ問題をもう一回解いた。

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