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京都大学 学習アドバイス

河合塾講師からの学習アドバイス

教科別の学習対策について、河合塾講師がアドバイスします。
 (※出題範囲は募集要項、大学ホームページ等で必ず確認してください。)

英語

最近の出題傾向

 2018年度に続き、2019年度も作文系の問題で大きな出題の変更があり、大問数は4題から2015年度までと同じ3題になった。解釈系の問題では「下線部和訳問題」以外に「下線部の内容説明問題」と「内容理解を問う空欄補充問題」という形式がほぼ確定されており、2019年度もこの形式の出題であった。ただし、空欄補充問題では、2015年度以来の「動詞の語形を変化したうえでの空欄補充問題」が出題された点は、2018年度からの変更点である。作文系の問題では、2018年度に初めて出題されたⅢ「和文英訳と自由英作文の融合問題」、Ⅳ「対話文中の空欄を補充する自由英作文問題」のいずれも出題がなくなり、Ⅱ「読解問題中の自由英作文問題」とⅢ「和文英訳問題」が出題された。ただし、Ⅱで出題された自由英作文問題は、特に読解問題との関連性が高いわけではなく、むしろ独立したテーマ論述型の自由英作文といえる問題だった。読解系の問題の出題形式はほぼ固まってきたといってよいだろうが、作文系の問題の出題形式はまだ揺れている。
 とはいえ、難度の高い英文をしっかり読んで訳文を書くこと、与えられた日本文の内容を正確に理解し、できる限り正確にその内容を英語で表現すること。求められていることの中心が基本的にこの2点であることは従来と変わるところはない。

2020年度入試予想・対策

①入試予想
 2019年度に新たに出題された形式が2020年度にも踏襲されるという保証はない。特に作文系の問題では、今は京都大学が新たな出題形式を求めて模索している、という段階にあるのかもしれないし、定まった出題形式での受験対策をさせないよう、意図的に出題形式を変えているのかもしれない。ここ数年の出題形式の変更からうかがえることは、読解問題に関しては、下線部和訳以外の設問も用いて、全文の内容理解度を問おうという姿勢であり、英作文問題では、しっかりとした和文英訳能力を前提に、自分の考えを表す英語表現力を問おうという姿勢である。

②対策・英文読解
 意味のわからない単語や表現がいくつも含まれ、抽象度の高い英文(ただし、従来と比べると抽象度は下がっている)を読み解いていくことは、どの受験生にとっても極めて骨の折れる作業である。しかし、常に文章全体の内容を追いかける姿勢で英文にあたっている受験生であれば、文意を大きく外すことなく理解できるようになるはずである。そこで、日頃の学習では、語彙(ごい)の拡充に努める一方で、積極的に難度の高い英文に取り組み、辞書の助けなしに(ただし、解答を合わせる際には、積極的な辞書の使用は必須である)、その内容を理解しようとすることが、十二分な対策となる。その際、文法力を十分に活用し、文構造の正確な把握が必要となることは、いうまでもない。
 英文の内容が理解できたとして、次の課題が日本語による表現である。理解しているはずの英文が、いざ日本語に置き換える段階で、四苦八苦するという経験は誰にもあることだが、京都大学の英文和訳ではそのような局面を迎えることが非常に多い。求められるものは、単なる日本語としての自然さではなく、原文の英語の意味からの逸脱を最小限に抑えたうえでの、日本語として不自然でない訳文である。この訓練にはおおよそどんな英文でも役に立てることができる。日頃取り組んでいるすべての教材を和訳の練習問題として活用することができる。
 このような勉強を重ねていけば、内容に関する記述問題であれ、内容理解を問う空欄補充であれ、おのずとその対策になる。ただ、受験生の実際の答案を見て気になるのは、内容に関する記述問題となると、和訳問題と比べて構造把握が甘くなる受験生が多く見られることである。また、2019年度には、該当部分を探し出してその部分の内容をまとめる問題のほか、下線部に含まれる比喩表現を明らかにしなければならない説明問題も出題されているが、これも本文の内容を理解しようとする勉強がその対策となる。

③対策・英作文
 分量が多いため、力のない受験生がごまかし通すことは不可能である。和文英訳の対策であれ、自由英作文の対策であれ、まず、基本文法・基本構文の運用面ではどんなことがあっても破綻を来すことがない、ということが大前提となる。
 そのうえで、和文英訳の場合は、与えられた日本文を、まず構造面から英語として自然なものとなるよう組み立て直し、次に語句のレベルでも同様に、英語として無理のないものに置き換えていく。これをスムーズに行う力を養うには2方向からの努力が必要となる。ひとつは、自分にとっての英文づくりの「核」となる、短い例文を精力的に覚えること。これにより、基礎的な知識が鍛えられる。もうひとつは、本番並みの難度の高い問題に、週に1、2題でよいから真剣に取り組むこと(数をこなそうと適当に取り組むのは逆効果になる危険性がある)。その際は、問題文の内容を十分に理解し、自分の英語の表現力に見合った形に置き換えることがどうしても必要になる。これにより応用力が鍛えられることになる。
 自由英作文の出題は、2020年度も続くと考えておくべきであるのはいうまでもないが、その出題形式については、決めつけてかからない方がよいだろう。2019年度のようなテーマ論述型の自由英作文が出題される可能性もあれば、2019年度以上に英文の内容理解と関連性のあるテーマ論述型の問題、京都大学が過去に出題したような形式の問題、さらには、2018年度のⅣのように、京都大学だけでなくほかの主要な大学でも出題歴の見あたらない問題が出題される可能性もある。京都大学をはじめ、自由英作文を出題する大学の問題を利用して、どのような形式のものが出題されてもある程度までは対応できるようにしておきたい。

文系数学

最近の出題傾向

①論理的思考力、論証力が問われる問題のセット
 5題出題され(2019年度は、うち1題が独立小問2問からなるもの)、理系と共通もしくは類似の問題が1、2題出題されている。覚えている解法で最後まで解けるものは少なく、方針を立てる力、解答の道筋を見通す力、論理的な思考の過程を正しく書く力が問われるものが多い。面倒な計算が必要な問題は、あまりない。

②図形、整数、確率が頻出
 ①で挙げた力が判定しやすいためか、図形(空間を含む)、整数、確率の分野の問題がよく出題される。また、常用対数の評価をさせることが多い。

2020年度入試予想・対策

 前記の出題傾向の①は、最近だけでなく、長いこと「京都大学らしさ」と言われてきたものであり、2020年度もこの傾向が続くと考えられる。そうであれば、解き方がすぐにわかる定型問題を、覚えた解き方で解く練習をいくらしても、何の対策にもならないことは明らかであろう。
 京都大学などのレベルの高い過去の入試問題や、予備校のテキスト、模試などの問題を使って、次のような対策をとるのが有効である。

①題意を読み取る力を養う
 「かつ」「または」「すべての」「任意の」「ある」など論理的な意味を持つ言葉を、正しく解釈することが重要である。問題文やその解答を、これらの単語の意味を確認しながら読む習慣をつけよう。

②方針を立てる力を養う
 ほかの大学であれば、(1)の問いで変数のとり方を指定したり、ヒントになる事柄に着目させるような配慮をする問題でも、京都大学ではいきなり本題を「求めよ」「示せ」とすることが多い。これは、どのような方針で解答するかを考える力から問いたいためである。
 本来は難しい問題も、(1)のおかげで解きやすくなることが多い。(1)や(2)がヒントや誘導になっている問題では、それらをなくして(見ずに)解き直してみると、方針を立てるために何から考えるべきか、見えてくることがある。有効な練習法のひとつである。

③解答の見通しがつくまでは計算欄を使って試行錯誤する
 方針を立てても、解ける見通しがつくまで、試行錯誤することは多い。京都大学の解答用紙は、右半分が「計算用」という余白になっているので、解答を書く前に「計算用」で、計算の結果が解答に結びつくか、推測したことが成り立つか、それが証明できるかなどを確認することができる。
 どのような方針で、どのような論理展開で、どこまで書くか、わかったうえで解答を書けば、無駄のない伝わりやすい答案になり、最後までできていなくても、部分点がもらいやすくなる。問題の要求に関係ない記述は、何行書いても点にはならない。わかりやすい答案を書くための計算欄利用の練習も、普段からしておくとよいだろう。

④説得力のある答案づくりを練習する
 京都大学は論証力を重視するので、解答に至る過程が正しく書けているかどうかで、得点が大きく変わる。結果が正しくても、それまでに論理の飛躍がないか、根拠は正しく書かれているか、式や記号が正しく書かれているかなど、採点のポイントは多い。
 そのことを普段から意識するのはもちろんであるが、テスト以外の機会であっても、身近にいる先生に書いた答案を見てもらい、指摘してもらうのもよいだろう。

⑤図形の問題は、いろいろな解法を考える
 図形の問題では、三角関数の公式や定理、ベクトルの計算を用いる、あるいは座標平面を設定して考えるなど、いくつかの分野の知識から有効なものを選んで使うことになるが、ひとつの問題がいろいろな解法で解けることも珍しくない。
 京都大学で出題された図形の問題も解法がひとつでないものが多いので、普段から図形の問題を解いたときには、「違う方法では解けないか」と考えるのは有効である。仮に、違う方法では解けない問題であったとしても、解法を見つける練習になる。いろいろな分野の知識が「図形の問題を解決するための道具」であると捉えて、練習してほしい。

⑥教科書の「発展」「研究」にある内容も理解しておく
 教科書の「発展」や「研究」のコーナーには、学習指導要領に含まれない内容が載っていることがあるが、特に京都大学では、このような知識が必要あるいは役に立つ問題が出題されることが考えられるので、しっかり理解しておくのがよい。

理系数学

最近の出題傾向

①論理的思考力、論証力が問われる問題のセット
 6題出題され(2019年度は、うち1題が独立小問3問からなるもの)、文系と共通もしくは類似の問題が1、2題出題されている。覚えている解法で最後まで解けるものは少なく、方針を立てる力、解答の道筋を見通す力、論理的な思考の過程を正しく書く力が問われるものが多い。面倒な計算が必要な問題は、あまりない。

②図形、整数、確率、数学Ⅲ(極限、微分、積分)が頻出
 ①でで挙げた力が判定しやすいためか、図形(空間を含む)、整数の分野の問題がよく出題される。確率は数列の計算を必要とするものが多く出ていて、数学Ⅲは極限、微分、積分から1題は出され、別に複素数平面や2次曲線が出されることもある。

2020年度入試予想・対策

 前記の出題傾向の①は、最近だけでなく、長いこと「京都大学らしさ」と言われてきたものであり、2020年度もこの傾向が続くと考えられる。そうであれば、解き方がすぐにわかる定型問題を、覚えた解き方で解く練習をいくらしても、何の対策にもならないことは明らかであろう。
 京都大学などのレベルの高い過去の入試問題や、予備校のテキスト、模試などの問題を使って、次のような対策をとるのが有効である。

①題意を読み取る力を養う
 「かつ」「または」「すべての」「任意の」「ある」など、論理的な意味を持つ言葉を、正しく解釈することが重要である。問題文やその解答を、これらの単語の意味を確認しながら読む習慣をつけよう。

②方針を立てる力を養う
 ほかの大学であれば、(1)の問いで変数のとり方を指定したり、ヒントになる事柄に着目させるような配慮をする問題でも、京都大学ではいきなり本題を「求めよ」「示せ」とすることが多い。これは、どのような方針で解答するかを考える力から問いたいためである。
 本来は難しい問題も、(1)のおかげで解きやすくなることが多い。(1)や(2)がヒントや誘導になっている問題では、それらをなくして(見ずに)解き直してみると、方針を立てるために何から考えるべきか、見えてくることがある。有効な練習法のひとつである。

③解答の見通しがつくまでは計算欄を使って試行錯誤する
 方針を立てても、解ける見通しがつくまで、試行錯誤することは多い。京都大学の解答用紙は、右半分が「計算用」という余白になっているので、解答を書く前に「計算用」で、計算の結果が解答に結びつくか、推測したことが成り立つか、それが証明できるかなどを確認することができる。
 どのような方針で、どのような論理展開で、どこまで書くか、わかったうえで解答を書けば、無駄のない伝わりやすい答案になり、最後までできていなくても、部分点がもらいやすくなる。問題の要求に関係ない記述は、何行書いても点にはならない。わかりやすい答案を書くための計算欄利用の練習も、普段からしておくとよいだろう。

④説得力のある答案づくりを練習する
 京都大学は論証力を重視するので、解答に至る過程が正しく書けているかどうかで、得点が大きく変わる。結果が正しくても、それまでに論理の飛躍がないか、根拠は正しく書かれているか、式や記号が正しく書かれているかなど、採点のポイントは多い。
 そのことを普段から意識するのはもちろんであるが、テスト以外の機会であっても、身近にいる先生に書いた答案を見てもらい、指摘してもらうのもよいだろう。

⑤図形の問題は、いろいろな解法を考える
 図形の問題では、三角関数の公式や定理、ベクトルの計算を用いる、あるいは座標平面や複素数平面を設定して考えるなど、いくつかの分野の知識から有効なものを選んで使うことになるが、ひとつの問題がいろいろな解法で解けることも珍しくない。
 京都大学で出題された図形の問題も解法がひとつでないものが多いので、普段から図形の問題を解いたときには、「違う方法では解けないか」と考えるのは有効である。仮に、違う方法では解けない問題であったとしても、解法を見つける練習になる。いろいろな分野の知識が「図形の問題を解決するための道具」であると捉えて、練習してほしい。

⑥教科書の「発展」「研究」にある内容も理解しておく
 教科書の「発展」や「研究」のコーナーには、学習指導要領に含まれない内容が載っていることがあるが、特に京都大学では、このような知識が必要あるいは役に立つ問題が出題されることが考えられるので、しっかり理解しておくのがよい。

現代文

最近の出題傾向

①文系・理系ともに出題の枠組みはほぼ定まっている
 出題の構成を見ると、文系、理系ともにの2つの問題によって構成され、は文理共通の問題となっている。ただし、文系は設問が5つあるが、理系ではそのうち1問が省略され4問になっている。は、文系理系それぞれ別の問題になっている。文系は設問5つ、理系は設問3つという形が踏襲されている。
 入試に取り上げられる本文については、評論、随筆が中心となっている。ただし、文系では小説が出題されることもある。
 設問は、傍線を引いたうえで、内容説明や理由説明を求めるものがほとんどである。ただし、心情の説明、比喩表現の説明のほか、本文全体の主題に関わる説明を求める設問も出題されている。
 解答の分量については、年度ごとに若干の差異はあるものの、1行25字で換算すると、文系では2問合わせて800字を超えるのに対し、理系では600字弱となっている。

②2019年度入試の特徴
 文理共通問題であるでは、科学史を取り上げた評論が出題された。近代科学の成り立ちとその特徴を示したうえで、それとは異なる科学の姿を提示した寺田寅彦の物理学が持つ意義を論じている。理系では、本文全体のまとめともいえる問五が省略されている。
 文系では、入試現代文では珍しい対談が取り上げられた。2人の詩人が詩の生と死について語り合ったものである。他方理系では、音楽批評について論じた評論が取り上げられた。言葉で音楽を批評するとはいかなることかについて論じられている。
 文系で対談が取り上げられ、2行で解答する小問が3つもあったこと、全体的に見て、理由説明の設問が多かったことなどが目を引くが、全体としては例年どおりの出題であったといえる。

2020年度入試予想・対策

①正確に読解し論旨を把握する力を養う
 2019年度までの入試を振り返ると、出題の大枠は変化しないが、小説が出題されたり、対談が取り上げられたりと、年度ごとに多様性はある。しかし、肝心なのは、設問で問われるのはいつも、正確な読解に基づいた明確な記述説明の力であるということだ。したがって、2019年度から発表されるようになった「出題意図」にも明らかだが、論理の流れ、内容の展開に即応した部分ごとの正確な理解と、それに基づいた全体の趣旨の的確な把握が何よりも重要になる。
 随筆や評論を中心に、たまに出題される幾分古い文章にも視野を広げ、様々な文章の読解に取り組んで、その内容の説明、全体の要約に繰り返し挑む必要がある。

②設問の要求に応じた正確な記述説明の力を養う
 ほとんどの設問には傍線部が引かれ、その説明が求められる。それが内容であれ、理由であれ、設問に応じた解答を作成せねばならないのはいうまでもないのだが、京都大学では、傍線部の表現に注意が必要な設問が多い。内容説明であれば傍線部の要素を本文中の別の表現で言い換えればよいとか、理由説明であればそれが書かれている箇所を写せばよいとか、そうした小手先の解法だけでは十分な答案を作成することはできない。傍線部が特有の論理を示している場合にはそれを体現できる構成で説明をまとめる、筆者の表現上の工夫を示している場合にはその意味合いをうまく説明できるよう適切な語を用いて説明する、などの対応が必要となる。そのことを強く意識した問題演習を繰り返しておきたい。

③全体の趣旨に関わる設問に対する訓練を
 ひとつの文章において、部分は常に全体の趣旨と関わっているが、文理共通のにおいては、その最後で全体に深い関わりを持つ傍線が引かれ説明が求められたり、傍線を引かずにその主題について説明が求められたりすることが多い。この種の設問に対しては日頃から訓練をしておかないと、中途半端な答案しか作成できないことが多い。直前期の入試過去問を用いた問題演習に先立って、日頃から文章の全体をその趣旨を踏まえて要約する訓練をしておきたい。

語彙(ごい)力の強化に努める
 基礎的なことではあるものの、日頃から、意味を明確に説明できない語についてはしっかりと辞書で確認し、語彙(ごい)力の強化に努めてほしい。本試験ではほとんど語句注はつけられないので、その文章にとって重要な語、また、傍線部のなかで使用されている語の意味が曖昧なままでは、明解な解答は作成できないからである。さらに、それと同時に、過去に出題されたことのある漢字の書き取りについても、出題され得ると考え、対策を施しておきたい。

古文

最近の出題傾向

①文系学部
 これまでの出典傾向は、A中古・中世の物語系、B説話系、C近世擬古文(随筆・日記)系、D歌論・日記系(日記は近世以外)と、大きく4つに分類できる。2019年度はDに分類される近世の歌論、藤井高尚『三のしるべ』からの出題であった。『万葉集』掲載の山部赤人の「ふじのねにふりおける雪はみな月の望に消ぬればその夜ふりけり」という和歌の解釈をめぐって、「おろかなる情」をキーワードにして論じたものである。近年、『源氏物語』『とはずがたり』『うつほ物語』『伊勢物語』といった有名出典からの出題が連続し、平安時代の作品が多かったが、ここ3年は非有名出典の中世・近世の作品が続いた。また、2016年度に文系で初めて漢文が出題され、それ以降3年連続したが、2019年度は出題を見なかった。
 設問については、条件のついた現代語訳、語句の内容説明など、例年どおりの設問形式であった。例年の傾向は、ほかの国立大学に見られる一般的な二次型とそれほど変わることはない。長めの語句や文の現代語訳、語句の説明問題(ときには要約的な説明問題)で、文法問題や文学史といった単純な知識問題は出題されていない。全般的に広めの解答欄が用意されており、記述量は多めで、近年は現代語訳問題3箇所、説明問題2箇所という形式が定着している。問題文の長さは600~900字程度で、解答時間からして十分読解・解答できる分量である。ただ、昔ほどではないが京都大学的ともいうべき傾向は存在する。現代語訳問題では、重要古語・文法といった基礎的な解釈力を問うものが中心であるが、設問に「文意が明らかになるように、言葉を補って現代語訳せよ」と記されるように、文脈把握力を前提にした主語・目的語・指示内容・省略された述語の補充などが必要に応じて課される。また、説明問題についても問題文の文種によって事柄説明であったり、心情説明であったりするが、2009年度の『発心集』で「恨めしき中に、いささかあはれなる」にうかがえる心情を説明させる問題のように、ときには登場人物の微妙な心理の「あや」を説明させるような高度な設問も見られる。

②理系学部
 古文の出典は、2007年度から文系学部と理系学部で別問題が出題されるようになっているが、文系と同じように出典傾向は、A中古・中世の物語系、B説話系、C近世擬古文(随筆・日記)系、D歌論・日記(近世以外)系と、大きく4つに分類できる。2019年度は、平安時代前期の作り物語『落窪物語』からの出題であった。理系の全学部に古文の出題が始まった2007年度以降、平安時代の作品が出題されたのは初めてであり、作り物語のジャンルからの出題も初めてである。ただ、類似のジャンルからは、中世の擬古物語『苔の衣』が以前に出題されている。『落窪物語』は、継子いじめを主題とする有名作品で、出題箇所も、継母にうとまれ、つらい日々を送っている一場面であった。本文の古語・文法などは、『源氏物語』に代表される平安時代の典型的な古文と同じで、これまでの京都大学理系で多かった近世の作品とは大きく異なるものである。和歌の現代語訳や説明問題、現代語訳など、設問はこれまでと変わるところはないが、内容的にはどれもレベルの高い問題で、これまでよりは難度が相当上がったものと思われる。
 理系学部の古文の問題文の長さは300~500字程度で、文系学部の問題に比べても相当短い文章が出題される。理系単独で古文が出題されるようになって当初はそれほど難しくなかったが、ここ数年は難度が上がっているので、ほかの大学の二次型の古文に比べて易しいとはいうものの、それなりに古文の対策は必要である。2018年度は出題されなかった和歌の問題が2019年度は復活した。
 設問は、ある程度の長さの語句の現代語訳を中心にして、そのときどきに応じて説明問題が出題されている。13年間の問題を見る限り、設問形式・傍線部の長さなど若干の違いはあるが、記述量の総体は同じぐらいなので、来年もこの程度の記述量は出題されると思われる。2008・2010・2012・2014・2015・2017・2019年度に和歌一首の現代語訳や現代語訳を踏まえた説明問題が出題されている。和歌の現代語訳は、文系生でも苦手にする人が多い。理系生ならなおさら難しいであろう。平生から和歌に親しむ必要がある。以下京都大学理系古文を理解するために、三ヵ年の設問とそれに関わる本文を掲載する。

※2019年度『落窪物語』
問一 文中の和歌は、姫君が亡くなった実母に呼びかけたものである。そのことを踏まえて傍線部を現代語訳せよ。
・我につゆあはれをかけば立ち帰り共にを消えよ(和歌の一部)
問二 どういうことを言っているのか、説明せよ。
・とありともかかりとも、よきことはありなむや
問三 現代語訳せよ。
・尼になりても、殿の内離るまじければ、ただ消え失せなむわざもがなと思ほす
※2018年度『肥後道記』
問一 比喩を明らかにしつつ現代語訳せよ。
・あやしの民の草葉も徳風のかうばしきになびきて
問二 どのようなことを言っているのか、説明せよ。
・こぞことしのうさつらさ、たがひに言葉もなし。
問三 現代語訳せよ。
・とどまるべきよすがもなく、行く末とてもさだめたる事もなけれど、しらぬ里は身をはづることもあらじ
※2017年度『海人のくぐつ』
問一 現代語訳せよ。
・をりをりはおこたりざまにもありしかば、さりともつひにはさはやぎはてむとのみ思ひわたりき。
問二 どのようなことを言っているのか、説明せよ。
問三 Bの和歌はどのようなことを言っているのか、Aの敦化の和歌を踏まえて説明せよ。

2020年度入試予想・対策

①文系学部
 出典について、Aは、2008年度の中世の擬古物語、2010年度の中世の歴史物語、2013・2015・2016年度に作り物語・歌物語が出題されている。Bは、2009年度の中世の説話だけである。Cは、2011・2017年度の近世の擬古文(日記・随筆)がある。Dは、2007・2018年度の中世の歌論・中世の和歌集の序文、2012・2016・2019年度の近世の歌論・歌の注釈(2016年度は設問に引用)が出題され、さらに、2014年度は中世の日記が出題された。このように前述した4つの傾向がまんべんなく出題されていることは要注意である。時代を問わず、物語・随筆・日記・歌論・説話といったジャンル別の対策を立てておく必要があろう。さらに指摘しておきたいのは和歌に関連する設問の多さである。2007年度の和歌の修辞、2014年度の引き歌を踏まえた説明、2010・2011・2016・2017年度の和歌一首の現代語訳、2012・2015・2016・2019年度の和歌の内容を踏まえた説明、2016年度の和歌の一部の現代語訳などがあり、和歌修辞の理解、和歌一首の現代語訳、一歩踏み込んだ和歌の鑑賞など和歌の対策も欠かせない。
 設問については、古語や文法の基本的知識の習得が大前提であるが、現代語訳問題に見られるように、主語・目的語・省略された述語の補充などを考えたわかりやすい現代語訳を平生から心がける必要がある。説明問題では、以前のような京都大学特有の、全文の深い内容把握を前提に設問意図を考えつつ論述する高度な設問が見られなくなったが、ときには解答しにくい設問もあるので、過去の問題を通して設問意図を把握し、それに添った的確な解答を作成する練習を積んでおく必要がある。それには、単語、語句レベルの部分訳だけでなく、一字一句をおろそかにしない全文解釈力を日々養成しなければならない。

②理系学部
 実施された13年間を見ると、ここ数年の難易度は当初より相当上がっていると思われる。よって、そのなかでも難度の高かった2009・2010・2012・2014・2015・2017・2019年度を基準に考えるとよい。出典については、前述のAの物語系が2回、Bの説話系が4回、Cの近世擬古文系(随筆・日記)が6回、Dの歌論・中世の日記系が2回出題されている。BかCからの出題が圧倒的に多い。この2つのジャンル・時代の作品を中心に対策を立てる必要がある。
 設問については、現代語訳の設問が中心であったが、最近では、説明問題に比重が移っているようにも思える。どちらにせよまずは古語や文法の基本的知識の習得を最優先に考えなければならない。というより、それができればたやすく解答できる問題がほとんどである。それと同時にストーリー性のある易しめの作品を読み、省略されている主語や目的語を補ったり、指示内容を具体化した全文訳の作成を必ず実行してほしい。このような全文訳ができれば2007・2009~2019年度のような説明・要約問題が出題されても十二分に対応できる。さらに、2016年度は出題されなかったが、2008・2010・2012・2019年度で出題された和歌一首、もしくは一部の現代語訳や、2014・2015・2017年度で出題された和歌の内容説明の問題といった和歌対策が必要である。和歌の現代語訳や内容読解は受験生が最も苦手としており、また、一朝一夕にできるものではないので、和歌修辞の知識の習得を含め、平生から『百人一首』などを利用して和歌に慣れ親しむ必要がある。

物理

最近の出題傾向

①分野的傾向
 力学の分野では、力学的エネルギーの保存および変化に重点を置きつつ、運動量保存則を絡めた物体系に関する出題や、円運動、単振動に関する出題が多い。2019年度の問題Ⅰは潮汐力や楕円運動をテーマとした万有引力の問題が出題された。最近では、熱分野と力学の複合的な問題、例えば物体の運動を問う問題のなかで気体の分子運動につながる出題や、気体の変化を問う問題のなかで物体の運動の要素を取り入れた出題も目立っている。また、ほかに単振動を扱った問題は分野を越えてよく出題される。
 電磁気の分野では、コンデンサー、直流回路や電磁誘導、電場と磁場中の荷電粒子の運動など磁気を含めた現象に関するものが多い。2019年度は、問題Ⅱで、空間的に一様でない磁場中での導体棒に生じる誘導起電力や、磁場に時間変化によって生じる誘導電場による電子の運動に関する問題が出題された。
 力学と電磁気以外の分野で出題頻度が高いのは熱の分野で、熱力学第1法則をテーマとしたものが多い。また、最近は力学との複合問題もよく出題される。
 波動の分野では、ドップラー効果および、干渉に関するものがよく出題される傾向がある。ただ、ここ数年は波の伝わり方の基本テーマや、共振を扱ったテーマも出題されているので、あまり偏った学習はせず、波動全般についてまんべんなくカバーしておくことが大切である。2019年度の問題Ⅲでは、薄膜による光の干渉を、膜の境界での反射率や透過率を考慮した波の式の重ね合わせによって合成振幅を求めさせたりするような、より波の基本に基づく設問が出題されたほか、データの分析から測定手段を判断させ、判断に至った理由を問うような論述問題が出題された。
 原子の分野は、問題の核心部分が力学や波動のテーマである場合が多い。したがって、他分野の基本をしっかり理解できてどのような場面でも適用できることが大切である。また、原子分野に関する必要な知識はある程度、問題文に与えられてはいるが、一度もこの分野の学習をしていないと解答に戸惑うことになるので、基礎知識の習得などしっかりと準備はしておいたほうがよい。
 京都大学の物理ではときおり高校物理の範囲から逸脱したテーマに関する問題が出題されることもあるが、この手の問題は、問題の局面局面では高校物理で扱う分野の問題である。そのことを理解し、題意に沿って的確に解いていくことが必要である。

②設問
 設問形式で見れば、式・数値などを入れる完成式の設問と、選択肢や選択群のなかから正解を選ぶ選択式の設問がほとんどとなっている。また、記述や論述問題、さらに描図問題が問題ごとに必ず出題されるのが最近の傾向である。そして、どの問題でもほかの大学に比べて文章が長く、設問数も例年多く、2019年度は設問数が34で、導出過程を問う設問が4つ、論述の設問がひとつあった。また、2019年度はやや難しい問題が多かった2018年度に比べても難しい問題が多く、全体的に平均点は下がるが差はつきにくい傾向であった。しかし、問題文を精読すれば解きやすい設問も結構散見された。問題全体に目を通し、解ける問題をしっかり選別できる力が必要である。

2020年度入試予想・対策

①長文の解読に慣れよう
 前述のように、ほとんどの問題において文章が長い。したがって、まず長文の解読に慣れることが必要である。そして、前の設問を間違えたときは後の設問が解けないことが多いので、小問は順を追って確実に解いていかなければならない。ただし、途中に計算を要する設問があるときは、その後の設問が途中の設問の内容にかかわらず解ける場合もあるので、この辺は臨機応変の対処となる。とにかく、まず全文を読んで問題の流れを把握することが大切である。また、小問ごとに条件設定が変わることも多いので、その都度、図を描き、記号を書き込んで物理的内容を正しくつかむことが必要である。

②演習問題で計算力を養おう
 計算力においては、正確で迅速な計算力を養っておかなければならない。そのためには、基礎学習で習得した基本的な考え方に基づいて演習問題を多く練習してほしい。三角関数の計算、近似値を用いた計算を含めて、文字式の計算に習熟しておく必要がある。公式については、標準的な問題を、公式を適用して解くだけでは不十分である。基本法則・公式を縦からも横からも種々の方法で証明し、適用を図らねばならない。教科書を中心として参考書で各種の説明を調べるのもよいだろう。

③力学と電磁気の分野は十分な対策を
 2020年度も力学と電磁気の分野は必ず出題されると考えておいてよい。毎年3題ずつ出題されるパターンが続いているが、この2分野が3分の2を占めているのだから、この分野の対策は不可欠である。また、熱分野も必ずチェックしておこう。まだ基本事項が把握できていない人は、基礎学習を徹底して基本事項を正確に把握することを心がけてほしい。そして、多くの演習問題に取り組み、正確かつ迅速に解答していく力を養っていくことである。問題状況の把握力、正確な計算力を求められるのが京都大学入試の物理である。

化学

最近の出題傾向

①理論と有機中心の問題構成
 出題数は例年4題であり、出題形式は完成・論述・記述・計算・選択が中心である。試験時間は理科2科目で180分であるが、4題ともかなり長文の問題で、しかも大問4題が(a)、(b)の2題に分かれているため、実質8題の出題である。しかも、読解力や煩雑な計算が必要とされる設問もあり、時間的余裕はあまりない。2019年度は字数制限のある論述問題は出題されなかったが、計算の導出過程を書かせる問題が出題された。

②多角的に問いかける工夫がなされた問題
 出題形式はこれまで完成・記述・計算・選択式がほとんどであったが、最近は論述式がよく出題される。また計算過程を求めている年が多い。いずれの問題もひとつのテーマに対して多角的に問いかけるよう工夫されている。また、計算量に加え、煩雑な計算も多いために時間的な余裕はあまりない。2019年度は、〔Ⅰ〕(a)塩化銀とクロム酸銀の溶解度積を用いた、モール法の原理について、(b)溶解度積と濃淡電池を関連させた問題である。〔Ⅱ〕(a)電子式を考え、電子対反発理論から分子やイオンの形を考える問題、(b)気相平衡について、濃度平衡定数、圧平衡定数、モル分率平衡定数について考える問題である。〔Ⅲ〕(a)環境の異なる炭素原子の数から構造を決定する問題、(b)イミドの加水分解生成物から構造を決定する問題である。〔Ⅳ〕(a)アルドースの立体異性体と、酸化などの反応を利用したアルドースの構造決定の問題、(b)生分解性高分子のモノマーの構造と、糖を含む界面活性剤の構造決定に関する問題である。

2020年度入試予想・対策

①高校ではあまり扱わない項目も出題テーマに
 問題のなかには、高校ではあまり深く取り扱わない内容が出題されることもある。「理論」では、ファンデルワールス半径、沈殿滴定、溶解度積、電荷バランスと質量バランスの式などの平衡定数の定量的な取り扱い、速度定数、格子エネルギー、乱雑さの考察問題などが出題されている。特に理論では平衡の内容が例年出題されている。
 「有機」では、立体異性体の考察、有機化合物の分子の形状、アミノ酸の等電点、エステルの加水分解の機構、ペプチドにおけるアミノ酸の配列順序の考察、糖のメトキシ化、重合開始剤、ベンゼンの共鳴安定化エネルギー、配向性と反応速度の関係などの考察問題が出題されている。特に有機では構造決定の内容が頻出である。

②主な物質についての知識を深めよう
 「理論」をマスターすることが合格への近道だ。「理論」は架空の理論ではなく、具体的な物質についての理論がテーマとして取り上げられる分野だ。したがって主な物質についての知識が不十分では、理論的に考えるヒントは見つからないであろう。基礎的な知識を十分身につけておき、日頃の授業や学習でも理解できないことがあれば、すぐに質問するなどして納得できるまで考えを深めるようにしておこう。さらに無機については、周期表の族・周期に基づいて整理しておくと、要点のまとめが簡単にできるはずだ。

③有機化合物の推定問題を解ける力が必要
 一方、「有機」の問題に対応するうえで必要なことは、各物質の反応を中心に整理することである。そして、そのうえで物質相互の関連、誘導体へと発展させていくこと。最終的には断片的な知識をまとめ上げ、総合的に考える力をつけるよう努力しよう。異性体(特に立体異性体)は頻出事項である。さらにエステルやアミドの構造の推定問題を解ける力をつけるようにしよう。高分子については大問4で必ず出題される。天然物(糖、アミノ酸とタンパク質)・合成物の両面から基礎的事項をまとめること。この分野の出題内容はお決まりであるので、過去問の演習を行うことにより、内容と出題形式に慣れておく必要がある。

日本史

最近の出題傾向

①大問ごとに異なる出題形式
 史料問題(20点)では、3つの時代の史料を用いて空欄補充や下線部設問が出題される(2016・2018年度入試では図版も使用された)。短文空欄補充問題(20点)では、150~200字程度の短文10本に2つずつ作成された空欄を穴埋めさせる。前提文問題(30点)では、3つの時代の前提文を用いて空欄補充や下線部設問が出題される。論述問題(30点)では、200字の論述が2問、原始から戦後までの2つの時代から出題される。

②全時代・全分野からの出題
 全時代・全分野から出題され、各大問で扱う時代・分野が重複しないように配慮されている。時代では原始・古代25点、中世25点、近世25点、近代・戦後25点と4時代から均等に出題され、分野では政治・社会経済からの出題が比較的多く、「律令体制の建設・内容」「鎌倉・室町時代の政治」「江戸時代の政治」「明治・大正・昭和戦前期の外交」などが頻出テーマである。

2020年度入試予想・対策

①教科書中心の学習を心がけよう
 基本事項からの出題が大半なので、教科書の内容を正確に理解・習得していれば、70点以上の得点が可能である。定期的に問題演習を行って理解度をチェックし、間違えた箇所については教科書などで復習するとよい。

②大問の記述式で確実に得点する
 記述式では、最低でも50点は得点したい。大問の史料問題では未見史料からの出題が多いが、史料中や設問文中のヒントを手がかりに、何に関する史料かを特定できれば解答はさほど難しくない。過去問のなかから史料問題をピックアップして集中的に演習を行い、未見史料問題を解く際のテクニックを習得しておきたい。大問の短文空欄補充・前提文問題では、一部に難問も含まれるが、基本用語からの出題が大半なので確実に得点したい。

③論述問題対策はしっかりと
 論述式は、多くの受験生が苦手としており、得点差が一番開く形式である。ライバルに差をつけるためにできれば20点以上を獲得したい。京都大学では、例えば、「田沼時代~幕末の三都における幕府の仲間政策」(2017年度入試)や「鎌倉時代から安土桃山時代までの銭貨の流通」(2015年度入試)などのように、ある事柄の一定期間における推移や変遷が多く問われる傾向にある。こうした論述問題では、指定された範囲内を自分で時期区分しつつ論を構成する力が要求される。過去問や論述用問題集などを用いて、論述の基本的なテーマに関する理解を深めつつ、「指定範囲型」を解くコツも身につけておきたい。その際、しかるべき識者にお願いして添削指導を受けると大変効果的である。
 2020年度入試の出題内容を予測することはなかなか難しいが、古代では「古代における土地制度・税制の変遷」、中世では「守護大名の領国支配」、近世では「三大改革期の諸政策」、近代では「1920年代の外交」などに注意しておきたい。
 なお、京都大学では、過去に出題された問題と類似のテーマが出題されることがある。例えば、2018年度入試(1)で出題された「弘仁・貞観文化と国風文化の特色」は、1993年度の「天平文化と国風文化の特色」と、2017年度入試(1)で出題された「鎌倉時代における荘園支配の変遷」は、1992年度の「11世紀・13世紀・15世紀の荘園制」とそれぞれ類似のテーマである。したがって、過去に出題されたテーマについては、時代範囲を前後に広げるなどしつつ、ノートにまとめておくと効果的である。

④正確な記述を心がけよう
 京都大学日本史では、解答を正確に書くことが求められる。誤字などのケアレス・ミスで失点することがないよう、歴史用語は常に手で書いてチェックしておきたい。

⑤過去問研究が効果的
 京都大学では、記述式・論述式を問わず、過去に出題された事項やその関連事項が繰り返し問われる傾向にある。したがって、京都大学の過去問を解いて問題演習をすることが望ましい。その際、特定の時代・テーマを集中的に解いた方が京都大学の出題傾向を把握することができて効果的である。なお、記述式については、間違えた用語の関連語句・事項も含めて復習すること。また、論述式については、京都大学と似たような出題形式をとる大阪大学の過去問も参考にするとよい。

世界史

最近の出題傾向

①出題分野・範囲の広がり
 大問はまでの4題となっているが、がA・B、もA・Bの2題に分けられ、テーマ・出題分野も異なっていることから、実質的には大問6題が出題されている。頻出分野としては、中国史・北アジア史や古代ギリシア・ローマ史、西アジア史、中世・近世ヨーロッパ史、アメリカ史などが挙げられるが、近年は朝鮮史・インド史・東南アジア史・ロシア史・アフリカ史・ラテンアメリカ史など、出題分野が広がるとともに、特殊なテーマ史や、冷戦後の現代史の範囲まで、論述・記述問題ともに出題されている。

②記述式問題・小論述問題に要注意
 従来、の記述式問題は比較的平易なものが多いため、差がつきにくく、論述式問題の出来・不出来が合否を左右していた。ところが2006年度以降、では一部の教科書にしか記述がない問題(2017年度「サヌーシー教団」、2019年度「ルッジェーロ2世」)が出題されるなど難化の傾向にあり、また地理的視点や日本史との関連をうかがわせる問題など、手強い問題の出題が続いている。さらに注意したいのが、で小論述(2019年度6題、2018年度4題)が増加している点である。小論述は、少ない情報のなかで「何を問われているのか」を瞬時に判断する力が求められているだけに、迷うと大幅に時間を取られてしまう。の300字論述問題で比較的取り組みやすい問題が続いているだけに、この傾向には注意したい。

2020年度入試予想・対策

①大問ごとの出題傾向と対策
 前半のはアジア史、後半のは欧米史が出題される。は300字論述問題で、中国史が多く出題されているが、1993・1999・2001・2004・2006・2009・2013・2016・2018年度とイスラーム史の範囲も出題されている。出題内容としては、時代の変革期・時代像に着目し、これについて具体的に述べさせるものが中心である。今後も政治史だけではなく社会・経済・文化に関連する歴史の変化などについて、幅広い視野から問う問題が続くと予想されるので、中国史・イスラーム史を中心としたアジア史に関する明確なイメージと、因果関係を押さえた学習を心がけたい。は記述式問題で、例年、中国史2題、あるいは中国史・その他のアジア史各1題という出題が続いている。やはり、歴史用語の正確な漢字表記がポイントになる。は欧米史の300字論述問題で、19世紀までの問題がよく出題されていたが、最近では第二次世界大戦以降の範囲からも出題されるようになってきている。この傾向は今後も続くと予想され、現代史についての論述対策もおこたらないようにしたい。も欧米史からの出題で、古代ギリシア・ローマや欧米の特定地域の通史が多く出題されてきたが、2019年度の「移民の時代」など、特殊なテーマからの出題も見られる。また、小論述の出題も続いておりなかなか手強いので、教科書の記述や世界史用語集などの内容をチェックし、歴史用語の理解や歴史事象の因果関係を正確につかむようにしておきたい。

②教科書を中心とする学習を徹底的に
 京都大学の世界史は、大学入試問題のなかで最もオーソドックスな内容・レベルで、ほとんどが教科書の範囲内から出題されている。しかし、これが曲者で、高校の世界史の内容を知り抜いている集団が作成しているだけに、実に手強い問題で生半可な理解ではとても歯が立たない。したがって、最大の対策はやはり教科書を中心とする学習を徹底的に進め(地図の内容や図版の説明も含めて)、その内容を理解することにある。

③中国史対策を万全に
 中国史については出題頻度が高く、年度によってはとも中国史に関する問題が出題されている。こうしたことから、京都大学の世界史では、中国史の学習にめどが立てば高得点を獲得することも可能となる。まず、押さえておきたい項目としては、古代~清代までの王朝交替史である。これを、中国社会の変化を中心に整理しておこう。次いで、中国近現代史については、欧米や日本との国際関係に着目してまとめていきたい。なお、2019度のは中国史から出題されただけに、2020年度のはイスラーム史(西アジア史)が出題される確率が高いと予想される。そうすると過去の出題傾向から、のA・Bは、いずれも中国史が出題される可能性が高い。やはり中国史対策を徹底的にやっておきたい。

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特派員の声 -合格の秘訣!!-

法学部 1年
T.T.特派員

過去問が参考書

京都大学の過去問は良問揃いなので、過去問研究は問題傾向を掴むことができるだけでなく、実力アップに繋がると思ったので、過去問をたくさん演習しました。

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総合人間学部 1年
E.K.特派員

解法の引き出しを作り整理する

小問がなく、初めから自力で解法を組み立てなければならないので、図形だったらベクトル、三角関数、座標…といった代表的な解法の候補を整理してノートにまとめて見返していた。

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