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神戸大学 学習アドバイス

河合塾講師からの学習アドバイス

教科別の学習対策について、河合塾講師がアドバイスします。
 (※出題範囲は募集要項、大学ホームページ等で必ず確認してください。)

英語

最近の出題傾向

 2019年度の前期・後期の出題は以下のとおり。
<前期>
 大問Ⅰ:読解総合(火星の生態系の復元の展望)
 大問Ⅱ:読解総合(アクティヴ通勤について)
 大問Ⅲ:読解総合(夫人と工場労働者の交渉)
 大問Ⅳ:英作文(自由英作文)
<後期>
 大問Ⅰ:読解総合(アフリカにおける肥満の蔓延)
 大問Ⅱ:読解総合(アムステルダムの都市開発)
 大問Ⅲ:読解総合(入院先を隠す母)
 大問Ⅳ:英作文(和文英訳)

 「読解」に関して神戸大学は、前期・後期とも「評論文」2題と、会話を多く含む物語文もしくはエッセイ1題という出題が通例であるが、2019年度も例年の傾向を踏襲した形となっている。「英作文」は毎年のように形式が変動するのが神戸大学の特徴。和文英訳、和文英訳と自由英作文の融合問題、自由英作文などのバリエーションがある。2019年度は、前期が図案(アパートの間取り図)を用いた自由英作文、後期が和文英訳で、2018年度を踏襲した形となったが、このスタイルが定着するかどうかはわからない。今後も自由英作文を取り入れた問題が出題される可能性は高いと思われるが、2018年度と2019年度の後期のように、和文英訳の形式も出題されたりするので、2020年度の安易な予想は危険である。まず正しい和文英訳ができるようにしたうえで、様々な形式の自由英作文の練習をしておくことが望ましい。

2020年度入試予想・対策

 2020年度も、80分の制限時間内で大量の英文を読んで、記述式を含んだ多くの設問に正確に答えるという厳しい状況に変化はないだろう。それぞれの設問に関する対策は以下のとおり。

①評論文
 本文のテーマと筆者の主張を大きく捉えたうえで、センテンス同士の論理関係、パラグラフ同士の論理関係を理解することが大切である。日頃から評論文を読むときに、漫然と英文を訳すだけでなく、論旨を頭のなかで整理しながら読んでいく「考える速読」の練習が必要不可欠である。

②物語文
 「いつ、どこで、だれが、なにを、どのように、どうして」という5W1Hを具体的に思い浮かべながら読んでいくことが基本。日頃から物語文を読むときに、場面設定・登場人物の人間関係・心情などを考えながら読んでいく「想像する速読」の練習が必要不可欠である。

③和訳
 英文の正確な構造分析に基づき、文脈をヒントにしてなるべく自然な訳語を選択する練習を積んでいこう。常に品詞、文型、修飾関係、構文などを意識して英文を観察する姿勢が大切である。

④説明
 説明問題の解答のヒントは必ず本文中にある。下線部の前後の文脈を精読して、論理的に該当箇所に迫ろう。解答は発見できても設問の条件に沿って最終的な答案をまとめる段階でのミスが多いので、書くことを惜しまず答案作成の練習を十分に積んでほしい。

⑤英作文
 まず文法的に正しい英語を書く練習をすること。それには文法の学習も不可欠。さらに、日本語表現のとおりに英訳するのが困難で、意訳しなければならない場合は、常に文脈に最大限の注意を払い、できる限り元の問題文から意味がずれないよう注意すること。

⑥自由英作文
 自由英作文には様々な形式があるが、どの形式が出題されても慌てないように対策を立てることが大切。答案の内容・表現は「自由」だが、答案が第三者に理解できるように「論理的な文章」を書くという基本は外せない。日頃から先生に答案を見てもらうことが効果的である。

文系数学

最近の出題傾向

●実力差が現れる入試
 前期入試において、2010~2013年度は適切な難易度であった。2014年度は理系と2題が共通であり、論証色も濃くやや難化した。2015年度は、理系と共通であった図形と整数の融合問題が難しかった。2017年度の共通問題もベクトルと確率の融合でありレベルが高かったが、2016・2018年度の共通問題は標準的な内容であった。2010年度前期、2011年度後期、2012年度前期、2014年度の論証問題や、2013年度前期の第2問などは実力差が現れる問題であった。2018年度は微分法、数列、指数・対数の融合問題があり、数学的帰納法を用いる論証の設問があった。2019年度は理系と2題が共通であったが、そのうちの数列と整数の融合問題は論証力が必要なものであった。

●整数・ベクトルが頻出
 整数の絡んだ問題(2010年度前期、2011年度後期、2014年度、2015年度、2017年度、2018年度、2019年度など)、ベクトルの問題(2010年度前期、2011年度後期、2012年度後期、2013年度、2014年度、2016年度、2017年度、2018年度、2019年度など)がよく出題されている。微分法・積分法および確率も頻出分野であり注意したい。

2020年度入試予想・対策

●微分法・積分法を得点源に
 微分法・積分法、ベクトル、および場合の数・確率の分野の出題が予想されるが、微分法・積分法は典型問題が出題されることが多く、学習量が直接点数に跳ね返ってくる。ぜひ得点源にしよう。ベクトルは典型的な問題が多いが、過去に何度が出題されている領域問題は手薄になりがちなので注意したい。場合の数・確率は工夫されている問題が多く、思考力が試される。

●整数問題・不等式の証明に注意
 整数に関する論証は過去に何度も出題されており注意したい。高度な内容に手を出す必要はないが、基本的な整数の扱いはきちんと頭に入れておいてほしい。整数は数列との相性もよく、数学的帰納法にも注意が必要である。2012・2013年度に出題されている不等式の証明に関してもしっかりと学習しておきたい。

●まずは基本事項の徹底理解
 特殊な解法が必要な問題はほとんど出題されておらず、教科書で基本をしっかりと身につけ、その後、良質な入試問題を幅広く演習していけばよい。ただ、漫然と演習を重ねるだけでは、思考力の必要な論証や場合の数・確率の問題には対処が難しいかもしれない。ここ数年、融合問題も続けて出題されている。そのような問題に対処するために、どんな問題を解くときも方針から式変形に至るまでしっかりと考えてほしい。地道な作業によって論理力と思考力を強化しよう。

●論証力、計算力のアップを
 論証問題では答案作成力もポイントになるが、論理性が身につけば答案も自然とよいものが書けるようになる。逆に答案を書くことは論理性を強化することに役立つので、論証問題でなくても答案をしっかりと書くようにしよう。式だけを羅列しているようでは論証問題攻略は難しい。また図形的要素の絡む問題は、様々な角度で考え、解き方を模索することが必要である。神戸大学の図形問題は解法により作業量に差が出ることが多い。時間に関しては、3題の問題を80分で解くので厳しくはないが、考察に時間が必要な問題も多いため、計算に時間を取られないよう計算力強化も心がけたい。

理系数学

最近の出題傾向

●数学Ⅲ重視の出題
 前期試験において2010年度以降、数学Ⅲに関する内容を含む問題が、2011・2014・2016・2019年度は2題、2010・2012・2013・2018年度は3題、2015・2017年度は4題出題されている。2018・2019年度の後期試験においても2題出題された。数学Ⅲからよく出題されているといえる。2018年度は、現教育課程になってから初めて、前期試験において複素数平面が出題された。また、2019年度では、あまり入試では見かけない媒介変数で表された曲線の凹凸が問われた。

●思考力・論理力が試される
 2013・2014年度の確率の問題はともに論証の設問があった。2012・2013年度の前期は論証色が弱かったが、2013年度後期では、数列の極限、不等式などに関する論証問題が出題された。この不等式に関する問題は、思考力が必要な新傾向のものであった。2014年度はベクトルで論証の設問があり、さらにピタゴラス数に関する論証問題も出題された。また、2015年度後期では5題すべてにおいて論証の設問があった。2016年度は整数問題で論証の設問があり、後期では3題に論証の設問があった。2017年度にも微積分に関する等式、不等式の証明の設問があり、また空間における点の移動に関する確率の問題、曲線が自己交差しない条件を求める問題はともに思考力が必要な目新しい内容のものであった。2018年度前期においては3つ、後期においては6つも論証の設問があった。2019年度前期は数列と整数の融合問題で論証の設問が2つ、後期では不等式の証明の設問が4つ、さらにデータの分析と空間ベクトルの融合問題でも論証の設問があった。

2020年度入試予想・対策

●2020年度はやや難化か
 2010~2014年度は従来どおりの難易度であったが、2015年度はやや難化し計算量も多かった。2016年度はやや易化したが、2017年度は計算量も多く、新傾向で思考力が必要な問題が出題され難化した。2018・2019年度はそれに比べると易しくなり標準的な問題が多かった。2020年度はやや難化する可能性がある。また後期受験を考えている人は、前期よりも問題のレベルが高いことに注意したい。

●微積分以外には論証問題に注意
 出題が予想される分野として可能性が高いのは、微分法・積分法と確率である。微分・積分に関しては、3題出題される可能性もあると思ってしっかりと対策をとっておきたい。確率は他分野と融合されることが多く、思考力養成が不可欠である。また、論証力を見る問題が分野を問わず出題される可能性が高い。

●基本事項の徹底理解と計算力アップ
 まず教科書で全分野の基本事項をしっかりと押さえたい。過去には微分可能の定義が問われたこともある。基本事項を学習した後は、標準的な入試問題集で典型問題を攻略していけばよい。その際に、どのように基本事項が用いられ解法が組み立てられているかを理解するようにしたい。融合問題や新傾向の問題が出題されることも多く、解法のパターンを覚えるだけではそれらに対処できない。また、問題を解くときは自分の手を動かすようにしてほしい。微分・積分に関しては特に計算力をつけておく必要がある。論証や新傾向の問題は、方針の検討などにどうしても時間がかかってしまう。そのため、速やかに計算することが重要となる。

●答案作成のトレーニングを
 基本事項や典型問題の解法を習得した後は、微分法・積分法、確率などの分野を中心に得点力を高めたい。新傾向の問題や思考力の必要な問題も出題されるので、十分な演習をこなし実戦力を養ってほしい。また問題を解く際には、しっかりと答案を書くようにしよう。答案を書く訓練は、論理力を高め、論証問題対策にもなる。数学的帰納法・背理法などもその運用に慣れてほしい。

現代文

最近の出題傾向

①出題文の重厚長大さこそが神戸大学現代文の特徴
 大問は1題のみだが、例年思想的なテーマを扱った重厚な長文評論から出題されている。2019年度に出題された文章は、「アンパンマン」に込められた思想が、現代社会のテクノロジーに鋭い示唆を与えると論じた、3,700字程度の評論であった(2018年度より1,800字程度減少した)。年度によって多少のばらつきはあるにせよ、相対的に見てかなり難度の高い出題といえる。

②設問はオーソドックスな二次型記述・論述問題中心
 設問は、漢字問題が1問(小問5問)で、説明問題が4問の、全5問構成が定番となっている。説明問題では、本文全体の趣旨に関わるまとめ問題(140~180字ほどと年度によって多少ばらつきはあるが、出題頻度は160字が最も多い)が必ず出題されている。それ以外は文脈読解型の説明問題で、全体の記述量は400字前後である。

2020年度入試予想・対策

①出題文の予想と対策
 2017年度は4,000字程度の「舞踊論」が、2018年度は5,500字程度の「現代社会論」が、2019年度は3,700字程度の「テクノロジー論」が出題された。本文量に関しては、多少の例外はあるものの、4,000~5,000字強の長文が出題されている。他大学と比較したとき、こうした「長文からの出題」を無視して対策を立てることはできないだろう。内容に関しては、若干の例外はあるにせよ、基本的には「近・現代の社会/文化状況やそこでの人間の有り様」に焦点をあてた文章を念頭に置くべきだろう。また、難易度的には、前述したようになかなか手強いものではあるが、まったく手が出ないわけではない。各人の読解力のレベルに応じて、標準~難しめのレベルの評論文に、できるだけ数多く取り組んでおくこと。具体的には、市販の問題集や予備校のテキスト、あるいは記述型の模試などを通じて、文章の論の展開の仕方に留意しつつ、文章全体の趣旨を的確に把握していく読み方を身につけていくことだ。焦らず、着実に読解力をつけていこう。

②記述・論述問題の予想と対策
 若干の違いはあるものの、この10年間、設問の構成に大きな変化はない。したがって2020年度も記述・論述問題が中心になるはずだ。まったく手が出ないといった難問・悪問は見られないが、だからこそ、正統的な記述対策をきちんと積み重ねておこう。文脈把握型の記述問題に関しては、傍線部に関連する箇所を、短い字数で的確にまとめる練習を繰り返そう。そのうえで、気をつけなければいけないのは、本文全体の趣旨に関わる問題(通常は問5)である。これに対応するためには、問題演習の際、単に個々の設問を解くだけでなく、文章全体の趣旨を160字程度でまとめる要約練習もやっておくこと。いうまでもないことであるが、過去問の研究をおろそかにしてはいけない。しっかり地力をつけてから、最近5年間ほどを中心に、時間を計って繰り返し取り組んでみること。

古文

最近の出題傾向

 近年5年間の出題状況は以下のとおり。
・2019年度『今昔物語集』中古・説話・約980字
・2018年度『源氏物語』中古・作り物語・約740字
・2017年度『愚管抄』中世・歴史書・約970字
・2016年度『今昔物語集』中古・説話・約1,180字
・2015年度『平治物語』中世・軍記・約1,600字

 2018年度は作り物語からのまれな出題となったが、2019年度は再び近年の主流である軍記や説話に復した。それに伴い本文字数はやや増加し、難易度も2017年度来の標準レベルに復した。2019年度は小問5問構成で、従来より1問減少した。これは2015年度以来である。
 2019年度の出題本文には和歌1首が含まれていたが、和歌に傍線を付して直接問う設問はなかった。しかし2018年度では問われているので、今後も和歌に関する出題の可能性は視野に入れておきたい。
 有名出典からの出題が多いが、何が出題されても文章や設問の質がそれほど大きく変わるわけではない。問われているのは、登場人物の心情を丁寧にたどる読解力と、それをわかりやすくまとめる答案作成力である。

2020年度入試予想・対策

 主要な設問形式に即して、以下、対策のポイントを示す。

①文法問題
 品詞分解・付属語の識別・助動詞を活用させる空欄補充・敬語の種類と敬意の対象、などが問われる。2018年度のように動詞の活用の種類という、基本的すぎてむしろ手薄になってしまいがちな分野からも出題されることもあるので、万全を期しておきたい。普段の文法学習では選択肢から選ぶ方式が多いので、過去問題の解答例などを参考にして、何をどう書けばよいのか、文法の記述式解答形式に慣れておこう。

②現代語訳問題
 3、4箇所問われる。逐語訳的な解答でよいものもあれば、多少具体化を要求するようなものも出題されている。大学が公表している「出題の方針」では、前後の文脈を踏まえて出題しようと心がけたと述べている年度もあった。学習の手順としては、まずは、重要古語や付属語や敬語に着目した正確な逐語訳をめざし、次に前後の文脈を踏まえ、現代日本語として穏当な表現になっているかを検討し、必要に応じて微調整する。収録語数が350語以上の単語集を、関連語や例文などにも留意して、丁寧に学習する必要がある。

③説明問題
 2、3題問われる。近年は字数制限のあるものが多い。
・2019年度:60字以内、50字以内
・2018年度:字数制限なし(1題)、80字以内
・2017年度:50字以内、50字以内、70字以内
・2016年度:50字以内、70字以内、80字以内
・2015年度:70字以内、70字以内

 場面展開を追う内容説明問題や、登場人物の心情説明問題が多い。傍線部そのものやその前後に、解答根拠となる箇所を絞り込める設問なら比較的解答しやすいが、和歌の解釈を前提とするものや、本文全体の流れを踏まえてまとめる必要のあるものは、かなり難度が高くなる。こういった設問に対応する力を養うためには、本文の正確な解釈に加え、述べたいことを字数内で的確にまとめ上げる表現力も磨く必要がある。最初に作成した答案を他者の目になって検討し、曖昧な箇所や誤読されそうな箇所はないかチェックする。正解例を見て素直に納得するだけではなく、各要素が本文のどこを根拠として導き出されるのかを吟味する。数日後に再度、自分の言葉で解答を作成してみる。意識的なトレーニングを通じて、記述式答案作成力を高めていこう。

漢文

最近の出題傾向

①史伝からの出題
 2019年度は史伝で、『資治通鑑』からの出題であった。史伝は2016年度の『史記』以来である。これまでの出題ジャンルは、2010年度の『聊斎志異』は小説、2011年度の『論語』は思想、『隋書』刑法志は歴史書で、2012年度の白居易「与微之書」は書簡、2013年度の『貞観政要』は史伝、2014年度の『百喩経』は仏教説話、2015年度の『秋声詩自序』は説話、2016年度の司馬遷『史記』滑稽列伝は史伝、2017年度は『太平広記』から有名な唐代伝奇小説「人虎伝」、2018年度の『唐摭言』は詩話であった。出典に一定の傾向は見られず、様々なジャンルの文章が出題される。問題文の長さは、2010年度が200字であったが、2011年度は2つの文章を合わせても148字と短くなり、2012年度が158字、さらに2013年度は128字と短くなった。しかし2014年度は170字、2015年度は163字、2016年度は182字、2017年度は164字、2018年度は148字、2019年度は169字であった。

②語句の読みが定着
 問いの数は例年よりひとつ減って4であったが、枝問もあって、解答数は8であった。2013年度は枝問がなく解答数は5であり、2014年度は枝問があって解答数は8であったが、2015年度は枝問を合わせて解答数は7、2016年度は枝問を合わせて解答数は6、2017年度も枝問を合わせて解答数は6であった。2018年度は枝問を合わせて解答数は7であった。
 問いの種類は、語句の読みが2014年度から出題されるようになって定着し、2019年度は4つ出題された。一方書き下しが出題されなかった。ほかは現代語訳が3、内容説明が1であった。現代語訳は反語ばかりであった。
 傍線部は白文で出題される傾向があるが、2010・2011年度は傍線部がすべて白文であった。しかし2012年度には書き下し以外の傍線部には返り点、送り仮名がつけられ、2013~2015年度までは書き下し文と現代語訳の傍線部が白文となった。2016年度は傍線部・波線部のすべてが白文、2017・2018年度は書き下し文と現代語訳の傍線部だけが白文であった。2019年度は現代語訳のうちひとつだけが白文で、後の傍線部には返り点がつき、白文の傍線部が減った。また字数制限のある問いは、2010・2011年度にはなかったが、2012年度は80字以内、2013年度は100字以内、2014~2017年度までは4年連続で50字以内であったが、2018・2019年度はともに60字以内の説明問題であった。

2020年度入試予想・対策

①白文を読む力が必要
 2019年度は現代語訳のうち1ヵ所だけが白文であったが2016年度には傍線部がすべてが白文で出題されており、返り点・送り仮名のついていない白文を読むということは想定しておく必要がある。出典のジャンルは予想しにくいが、2006~2013年度まで2011年度を除いて有名出典で、しかも入試でも頻出の文章が出題されている。今後もよく知られている文章が出題される可能性が高い。また本文の長さは150字前後から200字までの文章が出題されると予想される。設問の種類については、現代語訳の問いが2009・2010年度と出なかったが、2011年度に復活、2012・2013年度は2ヵ所、2014年度以降は1ヵ所であったが、2019年度は3ヵ所であった。2020年度もやはり語句の読み、現代語訳、書き下し、そして内容説明や理由説明という設問が予想される。

②基本を確実に習得せよ
 学習対策としては、まず基本をしっかりと身につけること。書き下しや現代語訳の問題には必ず基本句形が含まれるので、基本語の読みや意味から基本句形まで漢文の基本的な知識を習得することが第一である。
 次にできるだけ多くの文章を読解しておくこと。具体的には二次試験対策用の問題集を使って、ただ問いの解答を確認して終わりというのではなく、問題文全体の現代語訳を自分でつくってみよう。漢和辞典なども活用し、自分の力で漢文を読み解く訓練をしておく必要がある。必ず過去問を解いて、内容説明や理由説明を制限字数内で要領よくまとめる練習をしておこう。また白文を読めるようになるために、基本句形の例文などを使って繰り返し音読することも大切である。

物理

最近の出題傾向

 出題される大問数は例年3題で、2019年度は「力学」「電磁気」「熱力学」の3分野からそれぞれ出題された。毎年「力学」と「電磁気」の各分野からは必ず1題ずつ出題されている。残りの1題は、2018年度は「原子物理」の分野からの出題であったが、それまでの数年間は「波動」と「熱力学」の両分野から、一年ごとほぼ交互に出題されていた。このため、2020年度以降の出題傾向を読むのは難しいが、「力学」と「電磁気」の両分野からの出題は必須として、残りの1題は「波動」「熱力学」「原子物理」のどの分野からの出題もあり得ると考えるべきだ。これら3分野は、どの分野もそれぞれ重要なものであることに変わりはない。したがって、ある特定の分野に偏ることなく、物理全体をまんべんなく学習しなければならない。最後に、大問1題あたりの小問数は4~5問程度であり、解答時間に対して適当な分量であると思える。
 出題の形式は問い形式が多く、解答の形式は記述形式で、答案は答えだけではなく、図なども用いて解答の導出過程を書く必要がある。ただ、2018年度に出題された「原子物理」の分野の問題に関しては、空所補充形式の問題であった。また、「問題の解答に必要な物理量を自ら定義」して答案を書く形式の設問が、2019年度は再び出題された。ただ、以前のように、答えに直接含まれる物理量(反発係数など)を解答者に定義させるのではなく、問題を解答する過程で利用する物理量を解答者に定義させる設問に変わっている。そういう意味では、「問題の解答に必要な物理量を自ら定義」するということを、ことさら窮屈に考える必要はない。出題者側の意図としては、問題の解答に必要なツールとして何をチョイスするのかも注視したいのだと思われる。つまり、思考の過程をより明確に問う設問になっているが、後述する方法で普段から問題演習を重ねておけば、十分に対応可能である。
 問題の難易度は比較的平易で、特殊な設定のある問題などはほとんど見られず、教科書や市販の教科書傍用の問題集、標準的な難易度の入試問題集に掲載されているような問題が多い。

2020年度入試予想・対策

●日常の学習方法
 神戸大学入試の最大の特徴は、問題の解答過程をすべて記述することにある。問題の難易度は比較的平易だから、問題集などを用いて問題演習を着実にこなしてきた受験生にとっては、「答え」を得ること自体に苦労することはあまりないと思われる。だが、その解答の過程を、論理的にわかりやすく「答案」としてまとめることは、そうたやすくできることではない。実はこの能力をこそ、神戸大学は最も評価したい「学力」として受験生に求めていると思われる。
 諸君らが問題を解くときには、ノートに計算式だけ、あるいは答えだけしか書かない人が多いように見受けられる(解答が記号選択の問題の場合、答えの番号だけ書いている人も多いようだ)。これでは、問題の解答過程を論理的に論述する力など養えるはずがない。普段から解答の過程を記述する訓練をしておくことが絶対に必要である。
 それは、何も特別難しいことではない。具体的には、はじめに、解答に使用する文字を定義し(このとき図なども利用してよい)、式を立てる根拠となる法則名など(運動量保存則より、など)を明記した後にその式を書く。次に、その式を用いて解く要点だけ示して答えを書く(計算過程を詳細に記述する必要はない)。
 日常の、問題集などを用いて行う問題演習のなかで、このようにして答案を書く訓練を積むことが、記述力を身につける最も基本的かつ効率的な方法だ。

●入試予想・対策
①物理の基本事項を完全に理解する
 問題の難易度は比較的平易だが、かといって何の勉強もせずに解けてしまうほど簡単なものではない。物理の基本事項が正しく理解できているかどうかを、丁寧に問う問題が多い。したがって、教科書を中心に、物理の様々な定義を正しく理解し、物理法則はでき得る限り自ら導出して、物理の基本事項を着実に身につけておかなければならない。しっかりとした基本事項への理解があってこそ、確実に問題を解答し得るであろう。また、今後は「原子物理」の分野からの出題も増えてくるかもしれない。注意が必要である。

②標準的な問題を解くスタイルを身につける
 ときには、問題文の設定がやや曖昧で、文意が様々に解釈できてしまうような問題に遭遇する場合もある。このような場合でも、過去に類似の問題を解いた経験を生かして、一般的な設定(意味)に解釈し、それに対応する解法(一般的によく見受けられる解法)で解答を進めればよい。答案の持つ論理的な整合性こそが、神戸大学の入学試験で問われている観点だから、論理的に破綻のない答案を書くことが最も重要である。標準的な問題を、標準的な解法で最後まできちんと論述し解答する能力。そういった堅実な力を身につけることこそが、神戸大学の物理入試に対しては求められている。

 以上述べたことに注意しながら、日々の学習を一歩一歩着実に進めていくことが大切である。学問に王道はない。継続こそが力だ。そして最後は、“必ず合格を勝ち取るんだ”という強い気持ちこそが、何よりも自分に力を与える。最後まで諦めずに頑張ろう!

化学

最近の出題傾向

 例年、60分75点の配点で、大問4題が出題される。2019年度は、大問Ⅰは結晶、触媒、熱化学、大問Ⅱはリン酸の電離平衡、大問ⅢはC9H12Oの構造決定、大問Ⅳはタンパク質とアミノ酸、が主テーマであった。大問Ⅰ・Ⅱは理論分野中心、大問Ⅲ・Ⅳは有機分野からの出題であったが、大問Ⅰでは6設問のうちひとつ、大問Ⅱでは3設問のうちひとつに無機分野からの出題が見られた。大問Ⅲは芳香族化合物の構造決定の問題ではあるが、構造決定の過程で、オゾン酸化が説明もなく記述されていたことが例年にはなく珍しかった。大問Ⅳでは基本~標準的な計算問題が例年どおり出題されたが、2018年度では出題されなかった論述問題が復活した。1行程度で答える設問と20字以内で説明する問題が出題された。
 理論、有機、無機の出題分野のウエイトの置き方は例年どおりで変化なく、近年、大問の配列は年度によって少し変わる傾向が見られたが、2019年度は従来どおりであった。大問ごとの問いの数は、大問Ⅰが6問、大問Ⅱが3問、大問Ⅲが5問、大問Ⅳが6問で、2018年度の計19問とほぼ同数であった。また、大問Ⅳで論述が復活したとともに、大問Ⅰで計算過程を書かせる設問も復活した。反面、2018年度に出題されたグラフを描く設問はなくなった。
 最近の難易度は標準~やや難でほとんど変化なく、どちらかというと標準問題が多い。2019年度もその傾向に変わりはなく、分量、難易度ともに例年どおりであった。

2020年度入試予想・対策

①無機分野の対策を十分に行っておこう
 無機分野の問題は、2016年度(ハーバー法、オストワルト法)、2017年度(Zn、K)のように、単独の大問として出題されることもあるが、2018・2019年度のように理論分野の一部として出題されることが多い。どちらにせよ、必ず出題される。いずれも標準問題が多く、難度はそれほど高くないので、教科書の徹底した整理を行っておけば十分である。

②理論分野は、溶液・気体・平衡・熱化学・結晶の出題頻度が高い
 2016年度(固体の溶解度)、2017年度(浸透圧)、2018年度(気体、モール法)、2019年度(結晶、熱化学、電離平衡)と、近年、溶液・気体・平衡・熱化学・結晶の出題頻度が高い。
 溶液に関しては、沸点上昇・凝固点降下、気体の溶解度、コロイドなどが出題されたこともある。
 平衡は、電離平衡、気相平衡の他、蒸発平衡など幅広く出題され、従来から最も出題頻度が高い分野である。今後とも要注意である。
 また、熱化学や気体も、神戸大学では伝統的に出題頻度が高く難度も高い分野として定着している。結晶も2019年度に出題されたように数年に一度は決まって出題される。今の課程になってからの7、8年の過去問は見ておきたい。

③計算過程や導出過程が求められることもある
 2018年度は出題されなかったが、2019年度では「計算の過程も解答する」設問が出題された。かつて「導出の過程も示すこと」が出題されたこともある。「導出の過程」では、単に「計算の過程」だけでなく、簡単な説明も求められていると心得るべきである。

④有機分野は、標準レベルの出題が続いている。異性体は十分に練習しておこう。高分子はやり残しをしないように
 低分子の有機では、構造決定や反応経路の問題が多く出題される。難易度はほとんどが標準で、高校レベルを超える難問や奇問は出題されない。したがって、教科書を徹底整理し、そのうえで、標準レベルの問題演習をこなしておけば十分である。異性体は増加傾向にあるので立体異性体を含めて十分に練習しておきたい。高分子は、天然も合成も出題されるが、やはり、糖、タンパク質の出題頻度が高い。特にタンパク質の出題頻度が高い。難度は決して高くないが、未習であるために十分に得点できない場合がある。これは合成高分子についてもいえることである。この分野では、決してやり残しをつくらないことが、最も重要な受験対策である。

⑤論述が課せられることもある
 2018年度は出題されなかったが、2019年度は出題された。20~50字程度の字数制限がある場合が多いが、字数制限のない場合もある。字数制限のない場合は、設問内容と解答用紙のスペースから1~2行程度(50~70字程度)と推定される。用いる語句を指定されるケースもある。日頃から、ポイントや使うべき化学用語を的確につかみ論述できるように練習しておきたい。

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特派員の声 -合格の秘訣!!-

工学部 1年
みい特派員

最後まで諦めない

センター試験で思うような点数が取れず、苦しく、不安でいっぱいでしたが、自分を信じて第1志望に出願しました。センター試験から2次試験までの約1ヶ月間は死ぬ気で勉強しました。「絶対に合格するんだ」という強い気持ちで最後まで諦めなかったことが合格に繋がったと思っています。

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国際人間科学部 1年
M.O.特派員

復習は力なり

数学の復習を丁寧に自己分析して取り組んだことで、数学の試験で高得点を取れたので私は受かりました。どんなに模試で取れなくても、それは練習でしかないので、その失敗をもう二度としないようにすることが大切です。

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