国公立大 全体動向2019/1/24掲載

今春入試のポイント

 はじめに、今年の国公立大の出願動向を予測するうえで、影響が大きいと考えられる大学側の主な動きをまとめておきましょう。
 1点目は学部・学科の新設・改組に伴う既存学部の募集人員の変更です。2019年度は新設・改組の数は多くありませんが、募集人員に変更があった学部では志願者数が前年並みでも倍率が変動するため、注意が必要です。
 2点目として、中期日程の募集人員増加が挙げられます。2018年度に公立大学法人化した公立諏訪東京理科大など、新たに中期日程で募集を行う大学があります。中期日程は前期・後期日程とは別に受験できることから、高倍率となるところもありそうです。
 最後に、志願者数の隔年現象も頭に入れておきましょう。隔年現象とは、志願者数が1年おきに増加したり、減少したりすることで、医学科や科目数の少ない公立大を中心に、各地でみられます。

国公立大志望者は前年並み 文高理低に歯止めがかかる

 「センター・リサーチ」のデータをもとに国公立大の志望動向を確認していきましょう。国公立大入試の中心となる前期日程の志望者数は、前年比99%となりました<図表1>。公立大が実施する中期日程は前年比106%と増加していますが、これは前述の通り新規実施大学・学部によって募集人員が増加したことが要因です。後期日程も前年並みで、国公立大全体では落ち着いた入試となりそうです。
 図表の右は学部系統別の志望動向を集計したものです。文系の前年比100%に対し、理系は同98%と微減していますが、各系統によって状況は違い、近年続いていた明確な文高理低に歯止めがかかったようです。
 文系は「文・人文」「法・政治」系が増加している一方、昨年人気系統だった「経済・経営・商」学系は前年比96%と減少しました。また、文系では既卒生の志望者が大幅に増えていることも今年度の特徴です。
 理系では、「理」「工」「農」学系は前年並みですが、「医」「薬」などの医療系で減少しています。詳細を見ると、「理」学系は「化学」分野で、「工」学系は「電気電子・通信情報」で志望者が増えています。情報系は「総合・環境・情報・人間」の「情報」分野でも志望者が増加しており、人気となっています。

 センター・リサーチ:センター試験受験者の8割以上に参加いただいた自己採点集計

<図表1>国公立大志望動向(全体概況)

難関国立大の動向

 <図表2>は、旧帝大を中心とした難関10大学の大学・学部別の志望動向です。難関10大学全体の志望者は前年比99%で、国公立大全体の前年比と同程度になっています。センター試験7科目型の学力分布を見ると文型・理型ともに得点率8割以上の高得点者層が増えていることから、難関大では強気の出願となることが予想されます。
 東京大の志望者は大学全体で前年比98%です。志望者の得点分布を見ると、文科類では得点率90%以上の高得点層が増加していますが、理科類は前年並みとなっています。文科類の志望者は一類で前年比103%と増加、三類で98%と減少しています。理科類では一類、二類で減少、三類で106%と増加し、東京大志望者が強気な出願を検討している様子がうかがえます。また、理科三類は2019年度入試より第1段階選抜の倍率を4→3.5倍に引き下げるため、第1段階選抜予想ラインには注意が必要です。
 京都大の志望者は前年比97%とやや減少しています。総合人間学部では前年比89%と減少が目立ちますが、これは総合評価には理・地公のみ(理系は地公のみ)を使うため、該当教科に平均点の下がった科目が多いことが影響していると考えられます。同じく前年比91%と減少している工学部は、志望者の成績分布を見ると成績上位層は増加しており、注意が必要です。

<図表2>難関国立10大学 大学・学部別志望動向

自分の立ち位置をしっかり確認しよう

 以上、国公立大の全体的な志望動向をみてきました。
 まずは各種データで自分の位置を確認し、冷静に状況を把握しましょう。各大学のボーダーラインなどは、このセンター試験特集ページより確認できるのでぜひ参考にしてください。

 粘り強い受験が合格への鍵であることは言うまでもありません。国公立大は後期日程までしっかりと受験することを検討してください。2次試験までの1ヵ月間をどのように過ごすかがとても重要になってきます。センター試験の結果が、良くても悪くても気持ちを早く切り替えて、この後の私立大一般入試、国公立大2次試験の準備に集中しましょう。