地球を守り、未来を守る環境学 身近な「?」地球を救う!
将来みなさんが過ごす大学では、自分の興味や関心に応じて、4年間という決して短くはない期間を学修や研究活動に充てることになります。しかし、自分が深めていく学びのきっかけは意外と身近なところに落ちていたりするもの。そうした疑問こそ、実は地球レベルの課題に繋がっていることもあるのです。
みなさんも普段から感じている素朴な疑問「?(ハテナ)」を追ってみることで、あらためてみなさんが学びたいこと、興味があることについて、一緒に考えてみたいと思います。
日常にひそんだギモンが地球の課題に繋がっている?
ここではひとつの例として、みなさんにとっても身近な「?(ハテナ)」をいくつか取り上げてみます。
その「?(ハテナ)」を探っていくことで、みなさんが将来やりたい仕事や、そのために大学で学ぶ必要があることなどが見えてくるかもしれません。
1最近、大雪や大雨が多いのはなぜ?
異常気象がニュースを騒がせ、大雪や大雨が各地で大きな被害をもたらすことが多くなっています。その根本的な原因は、海水の温度が上がったことで、大気中に含まれる水蒸気の量が増え、その雲が大雪や大雨を引き起こすためです。台風が大型化して、より激しくなっているのも同じ理由です。
海の温度が上がっているのは地球温暖化によるもの。人間の活動から排出されるCO₂(二酸化炭素)やメタンなどの温室効果ガスの増加が主な原因です。これによって生じた気候変動は自然災害だけでなく、食料問題をはじめ、さまざまな深刻な事態をひき起こすことが懸念されています。そのため、低炭素・脱炭素の技術の進歩が待ち望まれています。
2お米の値段はどうして高くなった?
「インバウンド(訪日外国人旅行客)が増えたことによる需要の増加」など、いくつかの理由がありますが、猛暑による米の品質低下や収穫量の減少も、お米の値段が高くなっている原因のひとつ。ここにも地球温暖化の影響があります。
地球温暖化は野菜の生育にも影響を与え、供給が不安定になったり、価格が高くなったり、みなさんの家計にも大きな影響を与えています。
ただ値段が上がるだけではありません。世界的に見ると、地球温暖化が原因で将来食べられなくなってしまう食べ物もあるとされています。例えばカカオやコーヒー豆は収穫が激減して、チョコレート製品やコーヒーは高級品になってしまうとも指摘されています。これを受けて、気候に左右されず、自然との共生を図りながら、環境負荷の少ない方法で食料を生産する取り組みが今、世界中で必要とされています。
3AIはたくさん電気を使うってホント?
みなさんにとってもおなじみのAI(人工知能)。勉強や趣味などでの活用が多いようですが、実は生成AIには、膨大な電力や水が使われ、大量のCO2が排出されていることはご存知でしょうか。
生成AIのデータセンターには高性能のチップを搭載したサーバーが多数置かれ、それが一年中休みなく稼働するので、大量の電力を消費します。その電力が化石燃料による発電で生み出されていたら、大量のCO2を排出していることにもなります。さらに、稼働中に発生する熱を冷却するために大量の水が必要となるのです。
このままでは、AIの発展と普及は科学技術の進歩に役立つどころか、地球環境に悪い影響を与えてしまいます。そこで、サーバーのより効率的な冷却方法の開発や、再生可能エネルギーの利用など、さまざまな対策が求められています。
4プラごみのポイ捨てが、わが身に返る!?
「マイクロプラスチック」とは、直径5ミリ以下のプラスチックごみのこと。ポイ捨てされたプラごみは川から海に流れ、小さな破片となって世界中の海に広がってしまいます。このマイクロプラスチックは海中の有害な化学物質を取りこみやすく、しかも生体に蓄積されるという特徴があります。食物連鎖を通して濃縮されたり、生態系に影響をおよぼしたりするなどの環境汚染が深刻な課題となっています。
近年では、人体からもマイクロプラスチックが検出された例が報告されており、健康に害をおよぼす危険性が指摘されています。その対策として――現在、日本でのプラスチックのリサイクル率は25%。環境への流出を減らすほか、コストがかからないリサイクル技術の開発などの対策が急がれています。
- それぞれの「?(ハテナ)」には、いくつものアプローチの仕方がありますが、ここでは地球や環境に関わるエコロジーとテクノロジーの面から疑問の解明にアプローチしてみました。そして、そこで見えてきたのが、地球を救い、人類の未来を守る取り組みです。
- Columnこれらの課題の解決をめざすのがグリーンテクノロジー
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グリーンテクノロジーとは、持続可能な社会の実現に貢献する、あらゆる技術のこと。さまざまな分野で、テクノロジーによるCO₂排出量の削減、廃棄物の削減、生態系の保護などを通して、地球温暖化や気候変動、環境汚染などの課題に取り組む学問です。もちろん、どれも一筋縄で解決できる問題ではありませんが、人類の将来を左右する、大切な学びといえます。
- 2026年4月開設 創価大学 理工学部 グリーンテクノロジー学科
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環境問題への対応は、今や私たちの生活に差し迫った緊急の課題。今回は、そんな地球レベルの問題に取り組むため、創価大学が2026年4月に新設する理工学部のグリーンテクノロジー学科についてピックアップして紹介します。


