教育関係者のための情報サイト

    公開日
  • 2025年10月29日

この記事をシェアする

東北大が
「ゲートウェイカレッジ」を創設2027年度から

東北大は2027年4月から「ゲートウェイカレッジ」を設置する。学士課程における特別教育プログラムで、入学時には専門分野(学部)を決めず、2年間幅広く学んだうえで3年次以降に専門分野(学部)に所属する。詳細は以下の通り。

PDFでご覧になりたい方はこちら(入試・教育トピックス)

ゲートウェイカレッジとは?

ゲートウェイカレッジは学部ではなく、教育プログラムである。既存学部の入学者との違いは、入学時点で学部が決まっていないことだ。2年間幅広い教養教育と分野横断的な基礎教育を受ける中で自分の適性を見極め、3年次から所属を希望する学部を決定する。柔軟な進路選択が可能なカリキュラムとなっている。

授業は英語で行われ、英語で表現・議論する力を養う。日本人と留学生の比率を1:1とすること、初年次は国際混住寮での生活を必須とすることで、生活面でも国際的環境が用意される。

配属学部は可能な限り学生の関心・希望に沿った形で決定する仕組みを整えるとしている。現時点で想定されている学部の受け入れ規模は、文:12名程度、教育:6名程度、法:8名程度、経済:8名程度、理:34名程度、薬(4年制):5名程度、工:89名程度、農:16名程度となっている。医学科、歯学部の通常課程に異動できるような仕組みも検討中としている。なお、学部所属後もゲートウェイカレッジ学生用の英語で学ぶカリキュラムで学ぶほか、引き続き学部横断型の授業(実験・演習など)の実施も検討しているという。学位は選択した専門分野の名称(例:学士(文学)、学士(理学))が授与されるが、「ゲートウェイカレッジプログラム修了」を併記することも検討しているという。

ゲートウェイカレッジの特徴
  • 入学時点で学部を定めず、様々な教養を学ぶことで、複眼的に物事を捉え考える力を養う
  • 日本人と留学生の比率1:1、入学から卒業まで英語で学ぶ、1年次は国際混住寮で生活する、という環境で多様な文化と世界の知を経験する
  • 早期段階から研究やプロジェクト型授業に挑戦、国際卓越研究大学の強みを生かした研究環境のもと、大学院につながる知識を修得する
  • 東北大公表資料より

入学者選抜の方法

入学者選抜は年2回、総合型選抜で行われる。4月入学(第1期)は主に日本の高等学校等出身者を対象としており、10月入学(第2期)は、海外の教育制度に合わせており、英語での選抜が中心となっている。

4月入学の概要をみていくと、募集人員は文系17名、理系71名の88名程度としている。選抜は、入学前年の11月までに実施、年内に合格発表がある。第1次選考として筆記試験、その合格者に第2次選考として面接が課される。大学入学共通テストは課さない。出願要件として学習成績概評がA段階の者、合格した場合は入学を確約できる者としている。このほか入学後の円滑な学修のため、望ましい英語能力を基準として示す可能性があるという。

4月入学は、東北大の一般・総合型・特別選抜との併願が可能である。ただし、ゲートウェイカレッジの4月入学と10月入学の両方に出願することはできない。

ゲートウェイカレッジの選抜方法の詳細は、2026年6月公表予定の「令和9年入学者選抜要項」で公表される。

<図表>ゲートウェイカレッジ選抜概要
  4月入学(第1期) 10月入学(第2期)
募集人員 88名程度
(文系17名、理系71名)
90名程度
(文系17名、理系73名)
出願書類
選抜方法
出願要件
出願書類、選抜方法、出願要件
  • 高等学校等での教科成績のほか、学習成果・活動実績・資格などの書類を提出

第1次選考:筆記試験

第2次選考:面接試験

  • 入学後の学修を進める上で身に付けていることが望ましい英語能力を基準として示すことがある
  • 共通テストは課さない
  • 日本の高等学校等出身者には、出願要件として学習成績概評がA段階であることを求める
  • 合格した場合は入学を確約できる者に限る
  • 高等学校等での教科成績のほか、指定された大学入学資格試験・英語能力検定試験のスコアを提出
  • 書類審査に加えて、英語での筆記試験と面接試験
  • 入学後に決定する分野のうち、人文・社会科学系に属する分野では、あらかじめ身に付けていることが望ましい日本語能力を基準として示すことがある
  • 海外在住の出願者に対して、試験のために渡日を求めることはない
スケジュール 選抜実施:
 2026年11月までに実施
合格発表:
 2026年12月までに発表
選抜実施:
 2027年3月までに実施
合格発表:
 2027年4月までに発表
  • 大学公表資料より河合塾が作成
関連コンテンツ

この記事をシェアする

PAGE TOP