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    公開日
  • 2025年10月30日

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2026年度入試 英語資格・検定試験を
大学入試で活用する目安は

総合型・学校推薦型選抜のみならず、一般選抜でも英語資格・検定試験を利用することはできる。ここでは2026年度一般選抜における英語資格・検定試験の利用状況を例に、どのレベルまで取得すれば入試で活用できるのかなどをみていく。

PDFでご覧になりたい方はこちら(入試・教育トピックス)

1各試験の利用状況

2026年度入試において英語資格・検定試験を利用する大学は、国公立大で28校と全体の16%と少数派である一方、私立大では320校と半数以上の大学で利用可能であり、また利用大は増加傾向にある。国公立大と私立大で大きな差があるのは理由がある。国公立大の一般選抜は大半が1方式であるため、導入すると受験者全員が対象になり影響が大きい。一方、私立大は複数ある方式の1つとして英語資格・検定試験を利用できる入試方式を持つことが多く、導入しやすい。私立大では半数以上の大学が利用しているとはいえ、必ずしも英語資格・検定試験の級・スコアを持っていなくても受験できるケースがほとんどである。

英語資格・検定試験の利用方法は「出願要件」のほか、「合否判定」に利用するものがある。「合否判定」利用の具体を挙げると、成績に応じて英語など特定の教科の得点に置き換える、当日の得点に加点するといったものがある。その場合、提出は任意とする大学も多い。利用方法は大学のみならず、学部・方式により異なる。

では、どの試験がよく使われているのだろうか。<図表1>は日本で受検できる主な英語資格・検定試験について、利用できる大学の割合をまとめたものだ。実用英語技能検定(英検® )は国公立大、私立大ともに約9割の大学で利用可能となっている。以下、利用できる大学が多い順にGTEC® 、TOEFL iBT® 、TEAP、IELTS™ 、ケンブリッジ英語検定などとなっている。取得スコアの有効期限が受検から2年程度と短い試験もあるので、1年生から準備をはじめ、2年生で受検・目標の級・スコアを獲得と、計画的に準備できるとよいだろう。

<図表1>英語資格・検定試験の利用状況
<図表1>英語資格・検定試験の利用状況
  • 河合塾調べ 1大学で1学部・方式で利用できれば利用できる試験とした

2必要となるCEFRレベルの目安

次にどのレベルまで取得すれば入試で活用できるのかをみていく。<図表2>は、英語資格・検定試験を活用する大学が指定する級・スコアをCEFRレベルに置き換えてみたものである。

CEFR(セファール)とは母国語でない言語の運用能力をA1からC2までの6段階で評価する国際的な指標で、各英語資格・検定試験の級・スコアをCEFRレベルに当てはめることで試験ごとの比較が可能となる。レベルの目安を英検® を例にみていくと、概ねC1:1級合格、B2:準1級合格、B1:2級合格、A2:準2級合格、A1:3級合格となる。

国公立大ではB1が必要な大学が46%と最も多くなっており、その上のB2が必要な大学も25%を占める。私立大ではA2が約半数、続いてB1が35%と、国公立大よりやや易しめといえそうだ。A2が取得できれば、受験できる試験の幅が広がると言える。もちろん大学・学部により求めるレベルは異なるので、こちらも確認が必要である。

<図表2>必要となるCEFRレベル
<図表2>必要となるCEFRレベル
  • 河合塾調べ 大学内で学部または方式によりレベルが異なる場合、最多のレベルを採用した
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