ケンブリッジ英語検定活用事例

ケンブリッジ教材と試験の組み合わせで生徒は英語力だけでなく、実践力、生きる力を伸ばすことができました
工学院大学附属中学校・高等学校
中川 千穂 先生
- ■東京都八王子市
- ■男女共学の中高一貫私立校
工学院大学附属中学校・高等学校 中川 千穂 先生
工学院大学附属中学校・高等学校では、英語の授業はオールイングリッシュで行われ、世界最古の歴史を誇る出版社ケンブリッジ大学出版発行のテキストと、世界標準の「ケンブリッジ英語検定」(中1生から高2生まで全員受検。初級のPre A1から上級のC1レベルまで。)を採用。また、同校は2017年4月に、中学校で日本初の「Cambridge English スクール」に認定されている。
日本初Cambridge Englishスクールとしての歩みを紹介します
今春も、日本初のCambridge Englishスクールから、ケンブリッジの教材で学び、ケンブリッジ英語検定を受検してきた生徒たちが卒業しました。生徒たちは、中学入学より6年間、もしくは高等学校より3年間、ケンブリッジスタイルで、週に6回もしくは7回の英語を学んできました。
その成果は、ケンブリッジ英語検定をはじめとする英語検定試験だけでなく、大学入試合格結果にも大きく表れました。まず、記述模試の偏差値60以上の生徒が約2倍に増え、大学合格結果は、早慶をはじめとする上位層の学校の合格者が約2倍、海外大学は二桁となり、本校歴代最高の結果を出しました。創造性を発揮する国際映像祭などのコンテストで多数入賞もしてきました。
ケンブリッジ教材に忠実な授業を推進した英語科主任として、生徒と教員の成長を実感しています。
ケンブリッジ教材と試験の組み合わせで生徒は英語力だけでなく、実践力、生きる力を伸ばすことができました
授業では、ケンブリッジの教材を使用することで、ブルームのタキソノミーに沿った考え方の基礎を築くことができました。具体的な手順としては、まず内容に関する基礎知識や語彙を学び、読んだり聞いたり受動的技能を使います。次に文法事項を確認し、話す、書くといった創造的技能で表現します。卒業時には、資料を引用しながら理由と実例に言及する複数段落の文章を書いたり、議論したりできるようになりました。
このような生徒の活動が中心の授業を実施した結果、ケンブリッジ英語検定では4技能中で、話す技能が一番高く、次に書く技能で高い結果を出しました。話す力の高い生徒は、最終的に読む技能をはじめとする英語総合力の進歩がありました。年に1回のケンブリッジ英語検定の設定により、目標が明確化され、学習意欲が高まりました。
試験の中でも特に話す技能の試験は、現実に即した実践的能力の測定でした。初対面の知らない大人に自分の個人的な内面を話すなどといった非日常的な試験のための状況設定ではありません。受検者同士がペアで面接を受ける日常の授業や生活に即した自然なものでした。実際の生活に即した教材と検定のおかげで、生徒たちは英語力だけでなく、実践力、生きる力を伸ばすことができました。
©Cambridge University Press & Assessment, Cambridge Japan Booklet 2023(一部加筆・修正)
東洋大京北中学高等学校 今橋 伸悟 先生
東洋大学京北中学高等学校では、英語力のアセスメントテストとして2019年度からケンブリッジ英語検定を導入している。同校では、ケンブリッジ英語検定を大学入試のためだけではなく、「生徒が将来にわたって活かせる、真の英語力向上につなげるために活用したい」と考えている。
対面式のスピーキングテストなど、自校の特性にあったテスト形式が魅力
かつては英語力のアセスメントテストとして、中1から「英検®」を受験し、学年が上がるごとにレベルアップを図っていた。しかし、大学入試における英語民間試験導入の動きを契機に、同校の生徒が一番力を発揮できる試験は英検®だけとは限らないと考え、他の検定試験も含めて再検討することにしたという。そして各検定試験を比較し、同校がめざす教育や生徒の特性に最も合っていると感じたのがケンブリッジ英語検定だった、と英語科主任の今橋伸悟先生は、導入の経緯を説明する。
具体的には、ケンブリッジ英語検定は、問題ごとに解答時間が決められておらず、全体のテスト時間内で考えられる点が、リーディングが苦手な生徒が多い同校に合っていること、同校の生徒は日頃から英語ネイティブの教員と話す機会が多いため、ケンブリッジ英語検定の対面でのスピーキングテストに向いていること、生徒はCBT(Computer Based Testing)より従来型の筆記試験と面接試験を好むことなどを総合して、ケンブリッジ英語検定の優位性を感じたという。「個人的には、文章から条件を読み取り、条件にあうものを複数の選択肢から選ぶような問題があることも新鮮でした」。
さらに、試験は生徒が慣れている自校の教室で受けられることと、試験官の派遣などの運営は河合塾が行うこと、1学年一斉に実施できること、全員が同一試験を受検すれば受検料は東京都私学財団の助成を受けられることも導入のポイントとなった。
CEFR完全準拠、生徒の真の英語力を測れる4技能検定として導入
ただし、同校がケンブリッジ英語検定を導入したのは、大学入試のためだけではない。先述したように、同校では英語教育を「国際教育」の一環として位置づけ、実践的な英語力の育成をめざしている。ケンブリッジ英語検定が英語運用能力の国際評価指標であるCEFRに完全準拠していることも、導入を後押しした。
加えて、今橋先生はかねてより「生徒には、どんな問題にも対応できる、本当の『英語力』を身につけさせることが重要」と考えてきたという。「試験前に過去問を見たり単語を覚えたりなどの対策をすれば得点できてしまうような問題ではなく、生徒の実際の英語力を測れる問題が出題される点も、ケンブリッジ英語検定を選んだ理由のひとつ」だと話す。
そして最後に今橋先生は、「ケンブリッジ大学英語検定機構には、実践的な英語力観に基づいて一貫して構築された、教授法、教材、そしてアセスメントテストのケンブリッジ英語検定が揃っているのが魅力です。今後、これらをセットで導入することで、生徒の確かな英語力を育成していきたいと思います」と抱負を語ってくださった。
2020年7月インタビュー実施
英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。
このコンテンツは、公益財団法人 日本英語検定協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。