札幌医科大学 ぴょもち特派員

札幌医科大学 医学部 2年 ぴょもち特派員
ひとり暮らし
趣味:バレエ鑑賞
※2022年にお書きいただいた内容です。
講義、ゼミ、研究内容について
大変さと面白さは表裏一体

札幌医科大学には、研究医を育成するためのMD-PhDコースがあります。私は、1年生の冬からこのコースに在籍し、解剖学第二講座で先生方の研究をお手伝いさせていただいています。もともと研究医になりたいと考えていたため、このコースで早くから研究に携わることを決めました。まだ自分だけのプロジェクトを持っているわけではなく、先生の下について実験手法など基本的なところを学び始めている段階ではありますが、実際に関わることで沢山の大変さや面白さが見えてきました。研究では仮説を立ててそれを実証し、考察するというプロセスを何度も行います。一回でうまくいくことは少なく、振出しに戻ることは良くあります。しかし、大変さゆえに、良い結果が出た時に感じられる達成感は何事にも代えがたく、それが研究の楽しさだと思います。
課外活動、大学施設などについて
コミュニティを広げ、多種多様な視野を獲得
私の課外活動の軸となっているものは、IFMSA-Japanでの活動です。IFMSAは国際医学生連盟 (International Federation of Medical Students’ Associations)の略で世界各国に支部があり、日本支部には全国の医療系大学の学生が多く加入しています。私はその中の公衆衛生に関する委員会(SCOPH)の理事として活動しています。IFMSA-Japanでの活動は現在、オンラインがメインですが、全国の医療系学生と勉強会などを通してともに学びを深めたり、イベントを運営したりしています。このような活動を積極的に行ってきたことで、明確な自分の意見を持てるようになっただけでなく、多種多様な意見に触れて自分の視野を広げることができました。また、プレゼンテーションやファシリテーションなどの能力も向上させることができています。毎日のようにミーティングがあったりと大変なことも多いですが、自己研鑽をできていると感じています。
大学生活について
自分だけのネットワーク構築

私がMD-PhDコースで入った講座では、学生に勉強スペースを与えてくれています。そのため、放課後は毎日そこに行き、研究や勉強をしています。講座の先生方が仕事をされている中で勉学に励むことで、緊張感をもって学習することができています。分からないことがあれば、一緒に勉強している友人と相談し合ったり、すぐに講座の先生方に質問に行ったりすることができます。コロナ禍で人と人とのつながりが薄くなりがちな上に、学習事項が多いために他人との協力が必須である医学部において、このようなネットワークを構築できていることは、大学生活をより充実したものにする一助となっていると考えています。
ぼくのわたしの時間割
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | 土曜日 | |
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1限 | 細胞・器官生理学 対面形式 |
微生物学 対面形式 |
神経解剖学 対面形式 |
微生物学 対面形式 |
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2限 | 細胞・組織学2 対面形式 |
細胞・組織学2 対面形式 |
細胞・器官生理学 対面形式 |
細胞・組織学2 対面形式 |
生化学 対面形式 |
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3限 | 肉眼解剖学実習 対面形式 |
組織学実習 対面形式 |
肉眼解剖学実習 対面形式 |
組織学実習 対面形式 |
肉眼解剖学実習 対面形式 |
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4限 | ||||||
5限 | ||||||
6限 |
※2022年度前期の時間割
金曜日の1限目に、地域枠入学した学生のみ必修の選択授業があったため、それは履修せず復習や研究の時間に使っていました。その授業以外はすべて必修なので、時間割を自分で組むことはありません。また、肉眼解剖学実習については、時間割上は5限(18時まで)でしたが、基本的に毎回20時まで行っていました。
ぼくのわたしのおサイフ事情
収入 | 支出 | ||
---|---|---|---|
仕送り、お小遣い | 90,000 円 | 家賃 | 55,000 円 |
奨学金 | 0 円 | 水光熱費 | 7,000 円 |
アルバイト | 12,000 円 | 食費・外食費 | 10,000 円 |
その他 | 0 円 | 通信費(電話・インターネット代) | 2,000 円 |
交通費 | 2,000 円 | ||
勉学費 | 2,000 円 | ||
交際費(サークル活動費等)・趣味 | 800 円 | ||
衣料・ファッション | 500 円 | ||
貯蓄 | 22,100 円 | ||
雑費・その他 | 600 円 | ||
収入総額 | 102,000 円 | 支出合計 | 102,000 円 |
※1か月の平均収支
家賃や水道光熱費、食費・外食費は毎月同じくらい使いますが、その他については基本的に数か月に一度の頻度のみの支出です。特に、家が大学の目の前のため交通費は帰省の時のみ、教科書などの費用は学期初めのみの支出となります。教科書は特に医学部では非常に高いため、中古品を購入するなどして節約につなげています。また、日常生活全般を通して、使えそうなクーポンやポイントを効果的に使用したり、割引になっている商品を買ったりなど、「同じものなら安いもの」を選ぶようにしています。
将来の夢 ~ 夢に向かって大学生活の中でがんばっていること
臨床を踏まえた問題提起ができる研究医になること
私は高校生の時から、研究医として特に脳の変性疾患など治療法やメカニズムが解明されていない、いわゆる「難病」について研究し、その解明に努めたいと考えていました。そうした本質の部分が明らかになれば、未来の患者さんを含めた多くの人を根本的に治すことにつながると考えたからです。しかし、疑問点や批判的視点は実際に患者さんと向き合って初めて得られるものであるため、臨床医としての経験ももちろん重要です。そのため、臨床と研究の両方に力を入れている大学を選びました。臨床も研究も中途半端ではなく、どちらにおいてもプロフェッショナルでオンリーワンを目指しています。その夢を実現するべく、現在は、MD-PhDコースで研究をしたり、時間の許す限り様々な講演会やシンポジウムなどに参加したりしています。ただ、何よりも大切にしているのは、日々の一つ一つの授業です。
メッセージ ~ 高校との違い、先輩として高校生・受験生に伝えたいこと
無駄なことは何もない
私のモットーは、その時の目的に関係ないようなことでも、常に100%の力を注ぐということです。勉強だけでは身につかない知見を得ることで様々な分野に精通しておけば、きっといつかその点同士がどこかの段階で線でつながります。実際、高校までに身に付けてきた勉強以外の知識や経験、受験科目以外の授業が大学入学後に役立ったり、教養科目など大学で学んだ医学に関係ないことも人生の役に立っていると何度も実感しています。受験期は特に焦りや不安などが大きいと思いますが、時間の無駄だから、必要ないから、と目の前にある課題をやっつけ仕事で終わらせたり、チャンスを逃がしたりするのではなく、きっとこれはいつか自分のためになるという自信をもって様々なことに手を伸ばしてほしいと思います。