東北大学 学習アドバイス
河合塾講師からの学習アドバイス
教科別の学習対策について、河合塾講師がアドバイスします。
※出題範囲は募集要項、大学ホームページ等で必ずご確認ください。
英語
最近の出題傾向
- ①語数と設問の多い長文
- 大問ⅠとⅡで英文は平均1,000語以上で、本文全体の内容がまんべんなく問われる。全体として設問数が増えた。記述問題では和訳が減り、1問のみ。説明問題が増えた(2問ずつ)。客観式問題が中心。下線部で筆者が言いたいことにあてはまる英文を選択する問題などで読解力を問う一方で、下線部の語句の意味の選択、語句整序、文法的な誤りを含む英文の選択など、文法・語法力や語彙力を試される。記述問題での失点を防ぎ、客観式問題で確実に得点したい。
- ②英語表現力の重視
- 大問Ⅲの自由英作文と大問Ⅳの和文英訳問題でⅢ・Ⅳの配点の5割以上を占める。設問の要求を満たし、文法・語法上の破綻のない英文を書き上げることが鍵となる。
2027年度入試予想・対策
大問Ⅰ・Ⅱ(長文)の素材は、科学(技術)・IT・文化・歴史・言語・教育・心理学などが中心。2026年度入試では高等教育の需要の高まり(Ⅰ)と、無力感の学習(Ⅱ)がテーマ。Ⅲでは、会話やディベートなどコミュニケーション場面の英文を素材とした客観式問題と、英語による記述(要約か自由英作文)が課される。Ⅳでは和文英訳と語句整序問題が予想される。
- ①下線部和訳:構文の把握力と日本語の表現力で差
- 主に関係詞・分詞構文・比較・仮定法、そして強調構文などを含む英文が素材となる。直訳では通用せず、内容の解釈を踏まえた訳出が求められる。代名詞の指示対象を明示することが課される可能性もある。自然な日本語に仕上げる練習と語彙力の強化も必須。
- ②内容説明:文脈理解が鍵
- 2026年度入試では下線部の意味のほかに、下線部が示す具体的な内容を問われた。下線部の直前や直後ではなく、段落全体の内容を踏まえた記述が求められる。本文の論理展開・文脈に加え、設問の意図を正確に把握することが大切。他大学の過去問も活用し、様々なタイプの説明問題に触れ、設問の要求に応じたまとめ方を練習しよう。
- ③客観式問題の比重の増加
- 読解力、文法・語法力、語彙力が多面的に問われる。正解率が高くなく、逆に得点を伸ばす可能性に富む。私立大学の過去問を利用し、強化に努めよう。
- ④自由英作文・要約英作文
- 2026年度入試では本の未来に対する見解が問われた。理由を2つ挙げることと60語以上書くことが条件。具体的で、読み手が自然に納得できる説明が鍵。過去問などでタイプの違う問題にも触れ、対応力をつけよう。
- ⑤和文英訳
- 大問Ⅳの和文英訳問題では、直訳できない長めの文章が出題される。問題文の正確な解釈が必須。2026年度入試では「~を…することを可能にした」など構文力が問われる一方で、「~の道程を、一日で移動する」など、工夫が必要な問題が課された。2021年度以前の長めの問題文で演習しよう。また、大問Ⅳでは語句整序問題が定着した。苦手意識のある受験生は数をこなして対策しよう。
- ⑥教材としても魅力的な過去問
- 東北大学の入試問題は着実な学習が正当に報われる良問である。しかも、英文は読むだけで啓発される素材が厳選されている。受験勉強の枠を越えた知的体験を楽しみながら取り組んでほしい。
文系数学
最近の出題傾向
- ①出題範囲全体からバランスのとれた出題がされている
- 試験時間は100分で、大問は 1 ~ 4 の4題である。出題される「分野」について特別な偏りはなく、指定の範囲全体からまんべんなく出題されているといってよい。2026年度は、 1 が「微分」(ある点から放物線に引いた2本の接線の接点を結んでできる線分の垂直二等分線のy切片の最小値を求める)、 2 が「整数」(a2+2b2=c2を満たす正の整数a、b、cの組に関する証明)、 3 が「平面ベクトル」(直交する2線分の交点のベクトル表示を求める、ベクトル方程式を満たす点の軌跡が円になるための必要十分条件を求める)、 4 が「微分・積分」(4次関数のグラフと直線で囲んでできる領域の面積比に関する証明)という出題であった。
- ②問題は典型的なものが中心だが、手強いものもある
- 標準的な学習参考書や問題集でよく見かけるような、いわゆる典型問題が出題の中心ではあるが、考え方自体が典型的でも、場合分けが必要だったり計算が重たかったりするものが出題されることもあるので、付け焼き刃ではないきちんとした学習と対策、日々の鍛錬が必要である。実際、2026年度に関しては、問題の分量は2025年度と同程度ながらも、文字式の計算を中心に計算量が多くなっていた。
2027年度入試予想・対策
2027年度もこれまでと同様に、数学の各分野を代表するオーソドックスな問題が中心の出題となるだろう。過去の出題傾向を見る限りにおいては、「微分・積分(数学Ⅱ)」と「場合の数・確率」が特に出題される可能性の高い分野であるが、ほかの分野についても対策をおこたってはならない。学習計画をしっかり立て、試験範囲となる出題分野のすべてに対して理解を深め、準備を進めておきたい。
- ①基本事項・公式は正しく覚えて使いこなそう
- 高校数学の教科書を入念かつ丁寧に復習し、基本事項や公式を身につけ直そう。定義・定理・公式の正確な理解は非常に重要であり、その理解の度合いや反復練習の量は入試問題を完答できるかどうかに直結するものである。例えば、「絶対値記号の外し方」「三角関数の加法定理、およびそこから派生する種々の公式とそれらの使い方」「指数関数・対数関数の計算法則」など、苦手意識のあるものや理解の具合に不安があるものについては教科書の例題や計算練習の問題などを通して、自力でこれらを使いこなせるような水準になるまで繰り返し練習しよう。
- ②難問に挑むことよりも典型問題の解法の習得を優先しよう
- 東北大学の数学の試験においては、ヒントが皆無であったり、特殊な手法や知識を用いないと解けなかったりするような難問・奇問が出されることはほとんどなく、どの大問にも典型的かつ標準的な設問が必ず含まれている。そうしたところをすべて確実に正解し、得点にしていくことが先決である。したがって、難度の高い問題集ばかりにいたずらに取り組むことよりも、まずは、教科書の各単元の例題の解き方をしっかり身につけていくこと、そのうえで、標準レベルの参考書や問題集を活用して、典型的な問題の解法や答案の書き方を確実に身につけていくことを心がけたい。その際に用いる参考書・問題集については、問題の解答のみではなく詳しい解説も掲載されているものを使うのが望ましい。類題が用意されている場合にはそれらも解いてみて、覚えたことを自力でアウトプットできるかを確かめながら先に進んでいこう。
- ③問題演習は丁寧に行おう
- 出された問題に対する解答の指針が思い浮かんだとしても、それを遂行するだけの計算力と表現力が伴わなければ完答には至らない。問題演習をする際に、自力で解けなかった問題の模範解答を見るのは構わないが、目を通すだけで終わりにするのではなく、きちんと手を動かし、その解答で示唆されている計算の内容、論述の内容を確認し、自分自身の手で完全な答案を仕上げるようにしよう。また、見直しや検算を行う習慣を日頃からつけておくことも大切である。
- ④過去問を解いてみよう
- 東北大学の過去の入試問題については、最低でも直近の2025・2026年度のものには取り組んでおこう。実際の試験においては、解きやすい設問を的確に見抜き、解答時間内にそれらを確実に解くことが大切である。そのためにも、実際の入試問題の形式を早期に確認し、難易度や分量などがどのくらいのものであるかを把握しておくべきである。
理系数学
最近の出題傾向
- ①出題される分野に特別な偏りはない
- 試験時間は150分で、大問は 1 ~ 6 の6題である。出題される「分野」について特別な偏りはなく、指定の範囲全体からまんべんなく出題されているといってよい。2026年度は、 1 が「微分」(ある点から放物線に引いた2本の接線の接点を結んでできる線分の垂直二等分線のy切片の最小値を求める)、 2 が「整数」(a2+2b2=c2を満たす正の整数a、b、cの組に関する証明)、 3 が「微分(数学Ⅲ)」(関数の微分可能条件を基に文字定数の値を求める、関数の最小値を求める)、 4 が「確率」(反復試行の確率、条件つき確率を求める)、 5 が「微分・積分(数学Ⅲ)」(回転体の体積を求める)、 6 が「空間ベクトル、図形の性質」(空間内の点の位置関係に関する証明)という出題であった。
- ②極端な作業量・計算量の大問が1題程度含まれている
- 具体的には、2025年度の大問 6 、2024年度の大問 6 、2023年度の大問 6 、2022年度の大問 2 などがそれに該当する。これらの問題は、教科書に載っていないような知識や高度な発想が必要になるというわけではないのだが、作業量や計算量の観点から見たときに非常にハードで、短い時間で最後まで解き切ることは(大半の受験生にとっては)困難なものである。面倒な場合分けや緻密な分析、重たい計算の一つひとつを粘り強く実行できる忍耐力を東北大学が受験生に求めているのではないかという見方もできるのだが、6題で1セットという試験内容、および150分という試験時間を鑑みたとき、そのような問題に心血を注ぎ込むよりは、完答できそう、より多く解けそうなほかの大問に時間を費やす方が肝要であろう。
2027年度入試予想・対策
2027年度もこれまでと同様に、数学の各分野を広く網羅した出題となるだろう。過去の出題傾向を見る限りにおいては、「微分・積分(数学Ⅲ)」と「場合の数・確率」が特に出題される可能性の高い分野であるが、ほかの分野についても対策をおこたってはならない。学習計画をしっかり立て、試験範囲となる出題分野のすべてに対して理解を深め、準備を進めておきたい。
また、出題傾向の項目においても述べたように、ここ数年の傾向として、時間内に解き終えることが困難な大問が1題程度含まれることがある。問題の難易度の判断は試験中であってもつけやすいので、解き切れそうな問題に対してしっかり時間をつぎ込むことを心がけたい。
- ①基本事項・公式は正しく覚えて使いこなそう
- 高校数学の教科書を入念かつ丁寧に復習し、基本事項や公式を身につけ直そう。定義・定理・公式の正確な理解は非常に重要であり、その理解の度合いや反復練習の量は入試問題を完答できるかどうかに直結するものである。特に理系学部の入試においては数学Ⅲの「微分・積分」や「数列・関数の極限」の分野は避けて通ることはできない。微分・積分の計算の仕方・仕組みや極限にまつわる公式を身につけることはもちろん、それらが問題のなかでどのように利用されているのかということもしっかり理解しておかなければならない。
また、これらに限らず、苦手意識のある部分や理解の具合に不安がある部分については、教科書の例題や計算練習の問題などを通して、自力でこれらを使いこなせるような水準になるまで繰り返し練習しよう。 - ②難問に挑むことよりも典型問題の解法の習得を優先しよう
- 東北大学の数学の試験においては、ヒントが皆無であったり、特殊な手法や知識を用いないと解けなかったりするような難問・奇問が出されることはほとんどなく、どの大問にも典型的かつ標準的な設問が必ず含まれている。そうしたところをすべて確実に正解し、得点にしていくことが先決である。したがって、難度の高い問題集ばかりにいたずらに取り組むことよりも、むしろ標準レベルの参考書や問題集をやり込み、典型的な問題の解法や答案の書き方を確実に身につけていくことを心がけたい。その際に用いる参考書・問題集については、問題の解答のみではなく詳しい解説も掲載されているものを使うのが望ましい。類題が用意されている場合にはそれらも解いてみて、覚えたことを自力でアウトプットできるかを確かめながら先に進んでいこう。
- ③問題演習は丁寧に行おう
- 出された問題に対する解答の指針が思い浮かんだとしても、それを遂行するだけの計算力と表現力が伴わなければ完答には至らない。問題演習をする際に、自力で解けなかった問題の模範解答を見るのは構わないが、目を通すだけで終わりにするのではなく、きちんと手を動かし、その解答で示唆されている計算の内容、論述の内容を確認し、自分自身の手で完全な答案を仕上げるようにしよう。また、見直しや検算を行う習慣を日頃からつけておくことも大切である。
- ④過去問を解いてみよう
- 東北大学の過去の入試問題については、最低でも直近の2025・2026年度のものには取り組んでおこう。実際に試験においては、解きやすい設問を的確に見抜き、解答時間内にそれらを確実に解くことが大切である。そのためにも、実際の入試問題の形式を早期に確認し、難易度や分量などがどのくらいのものであるかを把握しておくべきである。
現代文
最近の出題傾向
過去5年間(2022~2026年度)を見てみると、それまでほとんど〈一、評論、二、小説〉の組み合わせであったのが、2024年度に〈二、随筆(エッセイ)〉が出題されている(もちろん小説から大きく離れた出題ではない)。いずれも、実績ある著述家、研究者、あるいは戦後作家が選ばれている。2025年度までの本文字数は3,000~4,000字程度、解答字数は25~90字であったが、2026年度の小説では本文の字数が大幅に増加し、7,000字近くになった。2026年度の出典は、評論が横田祐美子「空気に触れる眼――イリガライと触覚的視覚」より、小説が林真理子『玉呑み人形』より、であった。2026年度の問題は2025年度より難化し、本文の分量も増えているので、一層注意して対策したい。
- ①評論
- 例年、漢字の書き取りが4~5問、論述による説明問題が4問出題される。オーソドックスなタイプの問題が多いが、字数は25~90字と幅広い。本文の表現を流用するだけでは字数オーバーになる危険性が高く、簡潔かつ明確な表現に言い換えて説明する力が必須である。また、毎年ではないものの、最終問題(問五であることが多い)では、本文全体に関わる出題がされることが多いので意識しておきたい。なお、2026年度の制限字数は、問二が30字、問三が50字、問四が70字、問五が60字であり、問五で本文全体の内容を踏まえる問題が出題された。
- ②小説・随筆(エッセイ)
- 意味の問題が2~3問、比喩の説明や理由説明、心情説明などが4問出題される。意味の問題は文脈に即した解答が求められるので、辞書的意味を意識しながらも文脈に合わせた表現を工夫しなければならない。説明問題は小説・随筆としてはオーソドックスながら、文脈を丁寧に追って受験者の主観を交えずに記述する必要があり、苦手とする受験生も多いだろう。また、本文に隠された主題(メッセージ)を読み取ることも必要となる。小説も評論と同様、字数制限が厳しく、最終問題(問五)が本文全体に関わる出題であることが多い。なお、2026年度の制限字数は、問二が40字、問三が70字、問四が60字、問五が60字であり、問五で本文全体の内容を踏まえる問題が出題された。
2027年度入試予想・対策
- ●評論問題のポイント
- 例年、思想的な文章、文化論的な文章、文明論的な文章が出題されている。
①「身体と精神」「自己と他者、世界」「歴史」「知性と感性」「近代」「教養」「言語」などの文化・思想の基本タームを理解し、それを用いて思考し、文章として表現する力が求められている。良書に触れる機会を増やし、読解や思考の基礎訓練をしよう。②漢字の練習は不可欠である。常用漢字はすべて書けるようにかつ、意味も即答できるように、練習しよう。加えて文脈で漢字を判断する訓練もしておきたい。③哲学的、思想的、文化的、文明論的な文章を選び、本文全体を要約する練習をしよう。本文の語句を用いても構わないが、なるべく簡潔でわかりやすい表現を選ぼう。④最後に、本文全体で筆者が何を言おうとしているのか、思い切って100字程度でまとめてみよう。⑤過去問題などを用いて、正確に読み、「わかりやすく」表現する(=説明する)実践的訓練をしよう。 - ●小説・随筆(エッセイ)問題のポイント
- 本文は一見読みやすくわかりやすい物語が多いように見えるが、そこにある「深い意味」を問う問題になっている。とすれば、①登場人物の心理の動きを、ほかの登場人物や背景(事実や自然などの表現)との関係のなかで細やかに読み取る練習が必要である。②あわせて比喩表現の意味を読み取る練習も行おう。とりわけその表現に込められた登場人物や筆者の思いに注意しよう。③物語の背景となっている事実・自然や④登場人物の「行動」「会話」を関連づけて、隠された「意味」を読み解く練習をするとよいだろう。最後に、本文全体で言わんとしているであろうことを100字程度でまとめてみよう。これができればいわゆる「深い読み取り」ができたということである。まずは過去問をじっくりと読み、解く。解き直しを何度か行うとより効果的だ。余裕があれば東北大学以外の国公立大学の小説問題も取り上げて、積極的に練習していこう。
古文
最近の出題傾向
- ①再び近世からの出題に
- 過去5年間の出典は、『俵藤太物語』(中世・御伽草子)、『花月草紙』(近世・随筆)、『一休ばなし(近世・仮名草子)』、『源氏物語』(中古・物語)、『排蘆小船』(近世・歌論)である。中世および近世の随筆・説話集・物語からの出題が多いが、2025年度は、2009年度に『源氏物語』が出題されて以来、久しぶりに中古の物語からの出題であった。しかし、2026年度は以前と同様、近世からの出題となった。難易度については、ここ10年程度で見ると2019・2021年度はやや難しめ、2025年度は難しかったが、それ以外の年度は比較的易しめである。しかし、文章は読みやすくとも、解答を指定字数内でまとめることは難しく、読めるけれど書きづらいことが多い。
- ②2021年度から試験時間が150分に
- 2021年度入試からは、より一層「論理的な思考力・判断力・表現力等」を適切に評価するため、国語の試験時間が120分から150分に変更された。その影響か、2021年度以降は本文の分量が多くなっている。
2027年度入試予想・対策
- ①まずは、基礎的な語彙力・文法力の養成を
- 東北大学の設問形式は、次のようになっている。(1)単語・語句の意味を問う問題、(2)現代語訳問題、(3)理由・内容・心情の説明問題、(4)まれに文法などの知識問題。(1)~(4)のいずれに対しても、まずは基礎的な語彙力・文法力を養成することが肝要である。重要古語については、多義語であればあるほど、その語の根本的な意味や語源などに着目し、それと本文のコンテクストの交わりを意識するよう心がけること。
- ②木を見て、森も見る
- とかく受験生の多くは、単語・文法ばかりにこだわって、全体の文脈を無視しがちである。すなわち、ミクロ的視点ばかりでマクロ的視点を失いがちなのである。木(単語・文法)を見ることも大事だが、森(文脈)を見ることも忘れてはならない。問題文を読む際にも、解答を作成する際にも、絶えず、全体の文脈は意識しておこう。東北大学は、部分の理解を問う設問を重ねたうえで、全体の理解を問う説明問題を立てることが多い。
- ③表現力を身につけよう
- 東北大学の古文は、文章の難度は高くないことが多いし、年度によってはかなり易しいことさえある。しかし、内容は読み取れても、それを的確に表現するのに苦慮させられることが多い。
従来、厳しい制限字数内で過不足なくまとめるというタイプの問題が好んで出題されており、この傾向は今後も続くと思われるが、その一方で、80字クラスの長い記述を要求する出題の可能性も無視はできない。
いずれにせよ、本文の内容を正しく理解したうえで、要領よく、過不足なくまとめる練習が必要である。そのために、東北大学をはじめとする、40~80字程度の論述問題を出す国公立大学二次試験の過去問を解き、考え得る最善の答案を自分でつくってみよう。その後で、河合塾のものをはじめ、市販されている問題集などの模範解答を参照し、自分のつくった解答と比較して、共通点と相違点を確認してみる。解答の内容を構成する要素は何か、その優先順位はどうなのか、どのように流れをつくるのかなどをよく検討し、自分は何ができていて何ができていないのか、正面から向き合ってみること。
漢文
最近の出題傾向
- ①出題分野
- 過去5年間の出題は、明・陶望齢「養蘭説」、宋・葉適『水心文集』、宋・蘇洵「諫論」、清・銭泳『履園叢話』、宋・司馬光『涑水記聞』である。いずれも宋代以降の文章であり、ジャンルは随筆・論説・伝記・訓話などから出題されている。
- ②出題形式
- 問題文は200字台前半の分量で出題される傾向にある。設問は、語句の意味、白文の書き下し、口語訳、文脈理解に基づく内容説明といった、基礎から応用までを段階的に問う構成となっている。難易度は2025・2026年度とやや易化傾向にあり、全体としては標準レベルである。ただし、基本事項の精度と記述の完成度で差がつく試験である点に注意したい。
2027年度入試予想・対策
- ①ジャンルを問わず長文の読解に慣れる
- 東北大学の漢文では、随筆・論説・伝記・訓話など、どのようなタイプの文章にも対応できる柔軟な読解力が求められている。また、200字台前半という問題文の分量は決して長大ではないが、一文一文を読みこなす力が不可欠である。対策としては、教科書や長文演習、過去問の反復演習を通じて、「速く読む」よりも「丁寧に読む」姿勢を徹底することが重要である。一字一句に気を配り、読み飛ばさずにじっくりと向き合う姿勢が重要である。
- ②基礎事項の徹底と文脈把握の精密化
- 書き下し文・口語訳は毎年出題されている。確実に得点するには、基本句形に加え、「以」「与」「可」「就」などの多義語の訓み分け・訳し分けの習得が必要である。また、説明問題に限らず、語句の意味を問う問題や口語訳でも、文脈に即した訳出が求められており、語義を機械的にあてはめるだけでは得点につながらない。常に前後の文脈や問題文全体の趣旨を意識しながら解答を作成する習慣を身につけてほしい。
- ③記述力の向上に向けた実践的訓練を
- 2019年度以降、全体で100字超の説明問題が課されてきたが、2026年度は60字以内の説明問題が1問のみ出題された。形式に変化はあるものの、要点を整理する力が重視されている点は一貫している。高得点をめざすには、根拠箇所を本文中から正確に抽出し、制限字数内で過不足なくまとめる記述力が必要である。この力を養うためには、解答例を確認するのみならず、自ら答案と模範解答を比較し、表現を推敲する過程こそが重要である。添削指導を受け、客観的な視点から答案を修正する経験を積んでほしい。
近年の東北大学の漢文は、難問で差をつける試験ではない。基礎の完成度と、正確な読解、簡潔な記述力が合否を左右する。基本文法を完成させること、長文を精密に読む訓練を積むこと、制限字数内で要点をまとめる練習を重ねること。こうした実践を繰り返し、より完成度の高い答案作成をめざしてほしい。
物理
最近の出題傾向
- ①出題分野
- 例年大問3題が出題されている。第1問は「力学」、第2問は「電磁気学」、そして、第3問は「波動」もしくは「熱力学」である。2022~2026年度は波動と熱力学が交互に出題されており、「原子物理」固有の知識を必要とする問題が直近10年間では出題されていない。2026年度は波動が出題されたので、2027年度は熱力学の出題確率は高いといえよう。1つの大問に様々なテーマがちりばめられるので、合格点を超えるにはどの分野についても隙のない学力が要求される。
- ②出題形式と難易度
- 解答用紙は「考え方や計算の過程」と書かれた白紙部分が大半を占め、最後に結果を指定箇所に明示する完全論述形式である。また、グラフ選択問題や理由説明問題も出題され、その難度は高い。各大問は標準的な設問から始まり、終盤の設問はかなりの思考力を要する。
2027年度入試予想・対策
- ①読解力の養成
- 東北大学の物理は見慣れない実験装置や現象が題材に扱われることが多く、その物理的な設定の理解には相応の読解力が要求される。特に波動の問題はこの特徴が極めて強いので注意を要する。学習の順番としては、まず設定が単純で文章の短い問題を難なく解けるようにする。次に、徐々に長文の問題演習へ移行しよう。そして仕上げは九州大学や大阪大学などの過去問が有効である。長文読解の演習時は、その内容を図に変換していく作業を同時並行で実行する練習を積もう。常に文字としての情報を図や式で表現していくことが大切である。
- ②計算力の強化
- 東北大学では、内容的にはいわゆる典型・頻出問題であっても、使うべき物理量が異なったり、文字量の多い計算が要求される。そのため、方針・立式は正しくても計算で失敗して最終結果までたどり着けない失敗は起こりやすい。その典型問題が2026年度の力学で出題された。普段から文字式の計算力は鍛えておこう。また、答えが出た後は大まかでもよいので結果の物理的妥当性をチェックする習慣もつけておきたい。
- ③グラフ問題と理由説明問題へのアプローチ
- 式だけでは本質に迫ることが困難な問題でも、状況をグラフ化することによって一目で現象の核心と全体像が把握できることは少なくない。日頃の学習では式の扱いのみに偏ることなく、グラフを用いた考察も練習しておこう。また、物理現象の特徴を日本語で定性的に表現するトレーニングは東北大学の対策として不可欠である。その際は、理由説明の文章を添削してもらったり、友人や先生との議論を通して物理的考察を深めると効果的なうえに学習自体が楽しくなるだろう。
化学
最近の出題傾向
- ①理論、理論と無機、有機の大問3題の構成
- 例年、問題全体の分量に大きな変化はない。無機化学では典型元素と遷移元素の両方が扱われ、有機化学では高分子に関する設問を含めた構成での出題が目立つ。理論、無機、有機を含めて全般的には基本から標準問題が中心であるが、応用的思考力が試される問題がいくつか含まれることもある。
- ②酸化還元、結晶、化学平衡、構造決定は頻出
- 酸化還元に関連する出題では滴定、電池、電気分解などの主要なテーマのいずれかを例年見ることができ、結晶に関連する出題では結晶格子についての設問が目立つ。化学平衡については、電離平衡に関連する設問の難度がやや高いことがある。有機化学では構造決定問題の出題が続き、異性体に関する問題も出題されやすい。なお、新課程で扱われるようになったエンタルピーに関連する設問が、2025年度に続いて2026年度でも見られた。旧課程においても類似の内容の出題が少なくはなかったこともあり、今後も出題が目立つようになる可能性はある。
2027年度入試予想・対策
- ①理論分野の演習強化
- 酸化還元、結晶、化学平衡のほかでは、化学結合の出題率も高い。また、希薄溶液の性質に関する問題やコロイドの問題が過去に2年続けて出題されたこともあったことなどから、理論分野は弱点箇所をつくらないことが大切である。基礎を積み上げ、さらに標準的な問題を中心に演習を重ねることで、様々な問題に素早く対応できる確かな思考力を身につけていきたい。
- ②無機分野は基礎知識を確認
- 無機分野は、出題率の高い金属イオンの分離や気体の製法のほか、各元素における単体や化合物の性質や反応式などの基礎知識を正確に身につけていくことが大切である。正誤問題ではその判断が難しい選択肢を見ることもあり、基礎知識の確認とはいえ、教科書の隅々まで確認するような姿勢で取り組みたい。
- ③有機分野の演習は構造決定問題が中心
- 有機分野の出題は、標準的といえる難易度の構造決定問題も多く見られるが、2024年度のようにやや難しい内容も見られる。対策としては、まず基礎力を充実させながら、標準レベルの構造決定問題の演習を重ねていくことが重要である。また、以前に出題されたバイヤー・ビリガー酸化が2019年度にも出題されたように、過去と類似した内容が見られることも少なくはないため、過去問を用いた演習はとても大切である。異性体に関連する問題も出題されやすいため、異性体を考える練習も充実させたい。さらに、近年では高分子化合物に関連する出題が目立つため、高分子化合物についての基礎知識や計算問題の解法も定着させておきたい。
- ④計算過程の記述、論述問題対策
- 計算過程を記述する設問、および論述問題は、合わせて1、2問程度見られることが多い。2022・2023・2025年度のように論述問題が見られないこともあり、2026年度においては、計算過程を記述する設問と論述問題がともに見られなかった。しかし、計算過程の記述、論述問題ともに対策は講じておきたい。ポイントを的確に捉えて簡潔明瞭な文章で要領よく整理された記述をすることを意識した、日頃からの練習が大切である。
生物
最近の出題傾向
東北大学の入試では例年、大問が3題出題されているが、2026年度入試でも同様であった。出題形式も、選択、記述、論述の形式は変更がなかった。2026年度入試では、空欄補充問題が28問出題され、その他にも名称を問う出題が多く出題されており、基本知識や用語を要求する内容の出題が目立った。
- ①知識系問題の増加
- 前述のように、空欄補充問題や名称を答える問題が増加し、出題の半分以上を占めていた。論述問題の出題数は例年とほぼ同じであるが、その内容も基本知識に関する説明論述が多く、考察系の論述問題が減少した。
- ②出題分野・難易度
- 2026年度入試では、難易度が易化した。応用、発展的な知識や考え方を要求する出題が少なく、正解できなければならない問題が大半を占めていたため、基本知識の抜けによる失点が合否に大きく影響すると考えられる問題であった。出題分野の傾向は「細胞・遺伝子分野」「動物、植物の反応分野」「生態系、生物の集団に関する分野」のおおよそ3つの分野からの出題に変更はなかった。
2027年度入試予想・対策
- ①出題形式・難易度
- ●出題形式と出題分野の傾向
- 大問が3題出題される形式は変化しないと思われる。2026年度入試では前述したメインテーマのなかで、教科書の基本知識に関しての出題が中心となっていたが、2027年度入試でもこの傾向が続くとは限らない。そのため、基本知識を押さえておくことはもちろんであるが、実験考察問題などに対応できるような実力を養成しておくことが必要であろう。出題分野については、遺伝子分野、タンパク質に関する設問は頻出であるので、タンパク質が関係する代謝とあわせて学習しておきたい。グラフや図を描く問題も過去に出題されているので、練習しておくとよいだろう。
- ●問題の構成
- 2026年度入試では実験問題の出題が減少し、難易度も易化した。例年の大問の構成では、実験考察系の問題が多く出題されているので、2027年度入試ではそれまでの難易度や出題構成に戻ることも考えられる。例年では基本知識、用語問題の配点が2~3割となっており、論述など考察系の問題が7割程度を占めていたため、基本知識問題を確実に得点し、考察系の問題で得点を伸ばせるようにしておきたい。
- ②学習の指針
- ●教科書の基本的な用語や仕組みをモノにする~基本知識論述を練習しよう
- 空欄補充など、用語を答える問題が配点の3割前後の出題が予想され、これらは教科書の基本レベルの用語が中心である。難しい用語を覚えようとするのではなく、教科書の基本用語や仕組みなどをノートに抜き出し、用語は100字程度、仕組みは200字程度を目安に論述練習をしよう。それによって問題文を読んで理解する力も養うことができ、空欄補充や名称を答える問題での得点が期待でき、文章正誤の選択問題にも対応できるようになる。東北大学入試の学習対策の中心として、進めていってほしい。
- ●計算問題への対策~遺伝・集団遺伝の対策はしっかりと!
- 2026年度入試では計算問題の出題は減少したが、過去には難度の高い問題も含めて、数多く出題されている。例年3問程度の出題であり、一般的に頻出の計算問題はできるように練習しておくとよいだろう。東北大学では遺伝子分野や集団遺伝などからの出題も見られるので準備が必要である。難しい計算問題ではなく、問題集などでも頻出の基本的な計算問題を解けるように練習しておきたい。
- ●実験問題の考え方を身につけよう
- 教科書に載っている代表的な実験、グラフを覚えるのではなく、これらを題材にして、なぜこのような結果が得られるのか、原因は何か、このことから何がいえるのか、などを考える練習をしておこう。教科書の基本知識を基に、リード文で紹介してくれている内容を整理する練習、実験結果から明らかになったことを整理する練習をしていくことで、実験問題の考え方や対応する力が養われていく。
特派員の声 ~合格の秘訣!!~
法学部 2年 だっち特派員
- とにかく基礎を徹底!わからなくてもとにかく書いてみる
- 和文英訳が毎年出題されるが、数年前からは参考書にも載っているようなあまり捻りのない作文が出ているので、そこは絶対満点近く取れるように基本的な単語や文法は完璧にマスターしておく。
数学では、ぱっと見難しそうと思っても糸口があるはずなので、無理矢理な解法でも試してみる価値があると思う。
工学部 1年 N.N特派員
- 物理で差をつけられないようにする
- 東北大学の物理は難しい問題が多いですが、途中までは標準的な問題があります。そこで確実に点を取り、合格者が落とさない得点を取れるようにしました。物理が苦手でも、ここは確実に取りたいです!
河合塾の難関大学受験対策
東北大学をめざすあなたに向けて、受験対策のポイント・イベント情報・合格した先輩たちの声などをご紹介します。



