東京科学大学 学習アドバイス

河合塾講師からの学習アドバイス

教科別の学習対策について、河合塾講師がアドバイスします。

アドバイスは、理工学系の募集入試によるものです。

※出題範囲は募集要項、大学ホームページ等で必ずご確認ください。

英語

最近の出題傾向

①超長文による読解総合問題
東京工業大学時代からの「超長文」が続いている。2019年度以降、大問2題合計で「3,000語を超える長文」が出題されるようになり、この傾向は定着していると言ってよい。90分という解答時間を考えると、かなりの速読力と効率的な解答作業が求められる。
②和文英訳と英文和訳を軸にした出題
設問形式は下線部和訳、(文中の)和文英訳、内容説明の記述問題が中心。いずれも極端に難しいものではないが、単語や表現の知識と正しい英文法の理解に基づく確実な作業が求められる。内容説明は、複数個所の主旨をまとめる作業が必要となる場合もある。また、文単位での空欄補充問題と内容一致問題も出題されるので、長い英文をまんべんなく読まなければならない。

2027年度入試予想・対策

①2027年度入試予想
2026年度までと大きな変化はないと予想される。つまり、大問Ⅰ・Ⅱ合計で3,000語程度の長文、和訳、英訳、説明問題、文空所補充、そして内容一致問題という構成になるだろう。
②和訳・英訳の基本を徹底的に
まずは、「英語→日本語」「日本語→英語」の変換能力を徹底的に鍛えておく必要がある。和訳については、練習時から英文の構造を正確に反映し、かつ主旨の伝わる自然な訳語を心がけること。英訳については、英文の文法構造が見えるような日本語が与えられるので、いわゆる「和文和訳」の必要性は低い。(1)基本的な動詞の語法を中心にSV構造をつくり上げ、(2)接続詞や関係詞を用いてSV構造を拡大する、という文法知識の正確な運用能力を鍛えておこう。
③誤った「速読テクニック」に陥るな
「超長文」による出題が定着しており、空欄補充や内容一致などの客観式の設問の比重も低くない。となると受験生としては「解法・テクニック」を求めたくなるものだ。その気持ちもわかるが、読解力のすべての土台となるのは一文の意味を正しく理解する能力。いわゆる「速読」も、正しく読める能力がなければ成り立たない。まずは、自分のペースでよいから正確に読む力をつけることが第一。そのために必要なのは、標準レベルの単語や表現を熟知していること、そして文構造を正確に捉えながら一文一文の意味を正しく、そのニュアンスまでくみ取る能力だ。そのうえで、語彙(ごい)を増強し、少しずつ読む速度を上げ、さらに制限時間の枠のなかでバランスよく時間を配分して解答作業を行う練習を重ねていくとよいだろう。
④「拾い読み」では歯が立たない
近年は推論要素を含む内容一致問題が出題されている。「本文の内容から判断して最も可能性の高いものを選ぶ」というこの傾向は、今後定着すると見てよいだろう。推論形式の設問が難しいのは、「〇段落目〇行目に~と書いてあるから」のような、視覚的・断片的なアプローチを許さないからだ。東京科学大学理工学系学部がこのような問題を採用する理由は、「英文を数パラグラフにわたって読み通し、かつ一読で内容が頭に残るような高度な(=正確な)読解能力」を求めているからにほかならない(これが大学レベルの研究活動に必要とされる英語技能であることに気づいてほしい)。この点からも、大雑把な読解ではなく、小さな歯車を高速で動かすような読解力をめざして英語を学ぶ必要がある。

数学

最近の出題傾向

2012年度入試から試験時間が180分になり、2013年度入試からは大問5題というスタイルが定着している。分題化されていない大問は、2013・2017年度に2題ずつ、2019・2022・2024・2026年度に1題ずつ、2023年度に3題あった。
分題化されていない問題は、「自力で方針を立て、最後まで解き切る力」を測れるため、数学を重視している東京科学大学としては出題したいはずである。しかし、分題化されていないということは、方針が立たないと部分点がつかないことを意味し、一部の生徒しか得点できない恐れもある(例えば、2019年度入試の第2問では、部分点を得ている答案がほとんどなかった)。数学の平均点が下がっては、入試科目に占める数学のウエイトが低くなってしまう。それを防ぐには、分題化する必要が出てくる。東京科学大学は、このジレンマを解決するために、毎年試行錯誤しているものと想像される。

2027年度入試予想・対策

①解くべき問題を解く
難しい問題ばかり出されるとの印象を受けるだろうが、確実に得点すべき問題も一定数出されている。たとえ最後まで解き切るのが難しくても、部分点を取るべき問題はある。まずは、このような問題をしっかり攻略することが重要である。典型問題が少し捻られても、本質が大きく変わることはない。日々の学習において、表面的な理解で満足するのではなく、問題の本質を捉えることが、これらの問題を攻略するための鍵となる。実は、一見地味なこれらの問題を確実に押さえることが、合格への近道であることを念頭に置いておこう。
②強固な処理力と推論
相当な処理力を求める問題も頻出である。ゴールまでの道のりが長いと、途中で「計算や推論に誤りがあるのではないか?」と心細くなるものである。これを克服するためにも、日頃から「自分の書く内容には責任を持つ」ことを意識して答案をつくることを心がけたい。易しい問題であっても、「なぜこの変形をするのか?」「与えられた条件を同値に処理できているのか?」などを意識し、自分の力で解き切ったと実感できる解答を書くことが重要である。
③初見の問題にひるまず!
素朴な題材を基にしてつくられている問題も散見される。例えば、2017年度には、折り紙を題材とする問題が出され、A4の紙が配られた。斬新ではあるが、その場で対処することで十分に得点できる問題である。しかし、再現答案を見ると、合格者であっても、ここで部分点を確保しているものは少数であった。初めて見る問題であっても、恐れることなくその場で対処するだけの柔軟性と瞬発力、そして勇気を身につけてほしい。
④過去問研究の重要性
東京科学大学はしばしば、過去に出題した問題の類題を出す。これは、ひとつには、「ただ過去問を解くのではなく、しっかりと本質を理解してほしい」というメッセージではなかろうか。すべての問題を覚えるのは不可能だが、その問題の本質を捉え、ほかの問題にも応用できるかたちとして取り込むことは可能である。過去問に限らず、日頃の演習でもこのことを意識することが、合格の可能性を高めることになるのはいうまでもない。

物理

最近の出題傾向

大問3題形式で出題される。試験時間は120分だが、計算量が多いので、解答時間が十分ということはない。B4の解答用紙の枠内に解答する。途中過程も書かせる論述式となっているが、一部に選択形式や、空所補充の形式も混在する。
  • 第1問「力学」、第2問「電磁気」はほぼ定位置。第3問は「熱」「波」「原子」のいずれかから出題される可能性があるが、近年は気体分野からの出題確率が極めて高い。
  • 問題文も長く、小問数で7〜10問が出され、近似計算も含め計算量が多いので、制限時間内の完答は容易ではない。
  • 問題図も教科書や市販の問題集に載っている定番のものではないので、初見で問題解決できる対応能力を問われる。

2027年度入試予想・対策

東京科学大学としての入試開始以来、理工学系に関しては従来の東京工業大学の入試の出題形式、量、および難易度を踏襲している。第3問の分野として2019年度以来、2023年度の例外を除いて、熱の分野からの出題が7年続いている。これをどう見るかは微妙である。波動分野や原子分野からの出題確率は現状では極めて低いと見るか、出題バランスの観点から同分野からの出題確率は上がってきていると見るか悩ましい。そんなことで頭を悩ますより、どの分野が出題されてもいいように準備を進めておくことの方が肝要であることは言うに及ばない。分野ごとの準備の重点ポイントを次に挙げる。
①力学分野:2026年度は「レール上を動くばねで連結された2物体の運動」がテーマであった。このように伝統的に東京科学大学の力学は、束縛系の多体問題が典型的で、衝突、単振動等は最頻出である。遠心力、浮力絡みの問題の傾向も強い。力学的エネルギー保存則、運動量保存則などの基本法則を利用する問題には特に慣れておきたい。
②電磁気分野:2026年度は「コンデンサーの極板間隔を繰り返し変化させた電気振動」がテーマであった。2025年度に引き続き、コンデンサーを扱った問題が連続出題された。極板間隔の変化がほかのどういう物理量にどのように影響するかを見極めながら計算を継続する必要がある。図示したり、グラフ化したりといった視覚的手段に訴えるのも状況の把握に役立つ。コンデンサーにおける電場や電位、静電エネルギーといった基本事項は理解を深めておきたい。磁気分野では、荷電粒子の運動、および電磁誘導を含む回路の問題が頻出である。
③波動分野:この数年出題が見送られているが、伝統的に工夫された創作的な問題が出題される。特に「波の干渉」が中心となる。波の式、位相概念には慣れておこう。
④気体・熱分野:2026年度は「液体への相変化を伴う気体の状態変化」がテーマであった。2020年度にも気液共存線がテーマの同様な問題が出題されている。断熱変化のポアソンの法則や、マイヤーの関係式などは要暗記事項として扱われる。気体とほかの分野との融合問題として出題されることもある。
⑤原子分野:2023年度に一度出題があるが、可能性は低い。最低限、原子分野の典型的な問題は目を通しておきたい。
各分野とも、公式を丸暗記することで対処できるほど単純な問題ではない。元になる物理法則に立ち返って現象を説明する論理構成力と、近似計算式を含めた計算能力に磨きをかけておきたい。また、得られた結果をグラフ化したり、条件や視点を変えて考察したりする習慣を身につけ、理解を深化させておくことも大事である。論述式の答案が要求されるので、論理に飛躍を感じさせない、見やすく簡潔な答案を書く訓練も意識的にやっておきたい。

化学

最近の出題傾向

2026年度は東京科学大学になって2年目の入試であったが、初年度であった2025年度と同様に、前身である東京工業大学の入試を踏襲した出題であった。そのため、以下では、東京科学大学(理工学系)の入試と東京工業大学の入試を区別せずに分析した。
①ほとんどがやや易~標準レベルの問題である
第Ⅰ~Ⅲ問(配点各50点)の大問3題からなり、それぞれの大問は5つの問題から構成されている。例年、第Ⅰ問(問題1~5)が理論・無機分野、第Ⅱ問(問題6~10)が理論分野、第Ⅲ問(問題11~15)が有機分野である。2026年度も、例年と同様の出題傾向であり、分量・難易度ともにほとんど変化は見られなかった。2013年度までは思考力を要する問題、時間を費やす煩雑な問題が多く出題されていたが、近年はほとんどがやや易~標準レベルの問題である。
②理論分野のウエイトが高く、特徴的な正誤問題が出題される
多くの設問は、選択肢または計算結果の数字を1つの枠に1つ記入する特徴的な解答形式である。例年、出題分野のウエイトは理論>有機>無機の順である。東京科学大学(理工学系)化学の特徴ともいえる、正解が1つまたは2つの正誤問題が7~8問出題されており、正確な知識と理解の質が要求される。また、文字式や構造式を記述する設問もそれぞれ1問ずつ出題されるため、対策を講じておく必要がある。

2027年度入試予想・対策

①時間配分に注意し、わかる問題を確実に得点しよう
試験時間120分で15問とすると、1問あたりの解答時間は8分なので、時間配分に注意する必要がある。1つの設問に時間をかけすぎず、難しい設問や時間を要する設問は後回しにしよう。設問の難易を迅速に見極め、解きやすい問題から確実に得点を積み重ねていくことが重要である。答えのみを記す出題形式なので、計算などでのケアレスミスは禁物である。また、解答形式が独特なので、事前に確認しておく必要がある(模試でも単純な計算ミスや解答形式の指示違反が非常に多い)。
②過去問演習を積み重ねよう
2027年度も2026年度と同様にやや易~標準レベルの問題が多く出題されるものと予想される。したがって、化学の全範囲にわたって、やや易~標準レベルの問題を迅速かつ確実に解けるようにすることが最優先である。重要事項の確認と問題演習を反復することで、知識を定着させるとともに、法則や公式を適切に運用する力を養い、典型問題の解法をしっかりと身につけていこう。東京科学大学(理工学系)の問題には、一見難しそうだが「あることに気づけば実は簡単」といった問題も少なくない。また、類似したパターンの問題が繰り返し出題されることもある。したがって、対策のための素材としては、過去問が最も適している。標準レベルの問題の演習を一通り終えた後は、過去問の演習を通じて、解答へ至るための着眼点・糸口を発見するコツをつかみ、解法のパターンに習熟するとともに、化学の原理・法則に関する理解を深めていこう。さらに、時間配分や解答形式に慣れておくことも重要である。
以下は分野別の頻出テーマである。学習する際の参考にしてほしい。
理論分野:結晶格子、化学反応とエネルギー、電池と電気分解、反応速度と化学平衡(電離平衡を含む)が頻出である。
無機分野:金属イオンの性質と反応、気体の製法と性質、化学工業に関する問題が頻出である。教科書の記載内容から出題されるので、教科書を繰り返し読み、知識の整理・拡充に努めたい。
有機分野:脂肪族および芳香族化合物の性質、反応、製法と関連づけて、分子式や構造式を決めたり、異性体を数えたりする問題が多い。また、天然有機化合物と合成高分子化合物も出題頻度が高いので、準備をおこたらないようにしよう。
【参考】2028年度入試について
2028年度入試では、第2段階選抜にて共通テストの成績も合否判定に利用されること、理科の各科目(化学は必修)の試験時間が120分から90分に変更されることなどが発表されている。詳細は、東京科学大学のホームページで公開されている「令和10年度東京科学大学入学者選抜における変更について」を参照しておこう。

特派員の声 ~合格の秘訣!!~

工学院 2年 ニュータスク特派員

特派員
理系なら数学を
合格への秘訣は、理系ならやはり数学を極めるべきだと思います。理科や英語も試験科目ではありますが、それらは受験者平均より若干高めに取ることが出来れば御の字だと思います。受験における数学の力は基礎を何回も復習し、十分な基礎力つけて発展問題に取り組むことで伸びます。不安定な基礎力のまま発展問題を解いたところで何も身につきません。

生命理工学院 3年 みかん特派員

特派員
あきらめない
理系にも関わらず数学がとても苦手で模試の成績もあまり良くなかったが、最後まであきらめずに勉強し続けたことが合格の秘訣だと思う。自分の成績で悩んでいる時間があるなら、前を向いてとりあえず勉強するべきであると思う。

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