スマホが動かしている!?最新の経済・ビジネス

2021年7月7日掲載

スマホが動かしている!?最新の経済・ビジネス

私たちの日々の暮らしを支える経済やビジネス。本来はごく身近なものなのに、「自分とは遠く離れた、ニュースのなかの出来事」だと感じていませんか?そこで今回は、みなさんが日々使いこなしているスマートフォンに注目。スマホを使った何気ない行動が経済やビジネスとどう結びつき、私たちの暮らしに役立てられているかを考えてみます。

毎日の何気ない行動が、 経済とビジネスに密接に関わっている!

目的地への道順や電車の乗り継ぎを調べたり、ゲームや音楽を楽しんだり。私たちは、スマホを通して様々な情報を得ています。このとき同時に、位置情報や好きな音楽など、私たち自身に関する情報を発信しています。この情報のやり取りこそが、現在の経済・ビジネスには欠かせないものになっています。私たちは、日々の何気ない行動を通して、新たな経済の仕組みやビジネスの誕生に関わっていると言えるのです。

action1通学や買い物でお出かけ

位置情報から人の流れを計測。
コロナ対策のカギを握る情報に

GPSや携帯電話の基地局がスマホを通してキャッチしているユーザーの位置情報は、人出の多さ・少なさを割り出すためのデータにもなります。これを活用しているのが、現在のコロナ禍における自粛などの呼びかけです。「スマホを持ち歩く」という何気ない行動が、感染症対策という国や自治体の意思決定に大きく関係しているのです。

通学や買い物でお出かけ

action2自宅で!通学中も!スマホでゲーム

コロナ禍でも市場が拡大。
他業界にも効果が広がる

飲食業や観光業などがコロナ禍で大きな影響を受けている一方、「巣ごもり需要」と呼ばれるように、コロナ禍が拡大させた市場やニーズもあります。そのひとつがスマホゲームの市場です。その影響は、ゲームを原作にした「2.5次元ミュージカル」や、ストーリーの舞台をめぐる「聖地巡礼」など、他の業界にまで波及。スマホを起点とした経済の活性化に期待が集まっています。

自宅で!通学中も!スマホでゲーム

action3役に立つ!思わず買ってしまう!?
ライブ配信を視聴

リアルな情報とコミュニケーションが視聴者を魅了。新たなPR手法に

SNS等で活発に行われているライブ配信。編集なしのリアルさや、対面しているかのように双方向でコミュニケーションできることは、それまでの動画配信とは大きく異なる点です。この魅力から、利用者は大幅に増加。化粧品やファッション、日用品、食品など、様々な分野で商品PRにも用いられ、高い効果をあげています。

役に立つ!思わず買ってしまう!?ライブ配信を視聴

action4音楽もドラマもマンガもサブスクで!

「所有」から「利用」へ。
価値観が変わればビジネスも変わる

毎月の決まった料金でサービスが使い放題のサブスクリプションサービス。購入して所有するのではなく、「利用すること」へお金を払う新たなサービスの仕組みです。この仕組みは企業にとって、将来の安定した収益が見込みやすくなる一方で、利用者からはよりシビアな目で選別されるという状況を生み出しました。サブスクで勝ち残るために企業は、ニーズの調査や商品開発にこれまで以上に投資を行うなど、お金の使い方が変わってきました。

音楽もドラマもマンガもサブスクで!

action5勉強アプリを使って「スマ勉」

得意も苦手も細かく把握して指導。
教育の地域格差がなくなることにも期待

勉強アプリを使うと、苦手分野や間違えた問題など、ユーザーの勉強の進み具合がデータとして蓄積されます。それに基づいて一人ひとりにぴったりな勉強法などを提案してくれるのは、まさにデータを活用したマーケティングです。アプリを使えばどこにいても教育を受けられることは、地方における教員の不足や地域による教育の格差という問題の解決にも貢献すると考えられています。そのため、教育行政という面からも期待されています。

勉強アプリを使って「スマ勉」

action6買い物の支払いは電子マネーで

便利でお得なだけじゃない!
働き手不足時代の救世主にも

QRコード決済や交通系ICカードによる決済など、買い物に電子マネーを使うことが増えました。ポイント還元など消費者としても嬉しい電子マネーは、企業にとっては、買い物情報をリアルタイムに収集でき、商品開発などに活用できるというメリットがあります。さらに、レジ業務を省力化できることは、人口が減って働き手不足が進む社会において心強い存在に。経済政策の1つの分野である「労働政策」という面からも、さらなる普及が期待されています。

買い物の支払いは電子マネーで

Pointキーワードは「デジタル」と「グローバル」。
領域をまたいだボーダーレスな取り組みも活発に

商品やサービスを開発するためには、ユーザーの志向や行動を理解することが欠かせません。そこで活用が進むのがデジタルテクノロジーです。電子マネーやスマ勉はその代表例です。さらに近年では、より多くのデータから傾向や特徴を見つけ出すためにAIも活用されています。コロナ禍においても、グローバルな経済活動が後戻りすることはありません。これまで以上に世界が密接に関わり合う時代には、単に語学力だけではなく、多様な文化や価値観を理解するという、さらに踏み込んだグローバルマインドが求められるでしょう。また、新たな時代をけん引するイノベーションを起こすためには、専門分野の垣根を取り払ってともに活動し、互いが刺激し合う「ボーダーレス」への期待も高まっています。

買い物の支払いは電子マネーで

経済学部、商学部、経営学部。何が違うの!?

ここで紹介した私たちの日々の行動と経済やビジネスとの関わりは、大学では経済学部や商学部、経営学部で学ぶことができるテーマです。
名前はよく聞くけど違いがわかりにくいとも言われる3つの学部での学びは、次のような違いがあるとされています。

経済学部

世界や国、あるいは地方自治体といった大きな視点から、お金や人の動きを考えるのが経済学です。「金融政策」「労働政策」といった言葉があるように行政とも深く結びついており、経済学の知見が社会のあり方や進むべき方法を検討する際の土台となることも多いです。

商学部

ビジネスの中心となる商品やサービスなど、企業活動のなかの個別の事例に焦点をあてて考察・分析し、より良い企業運営のあり方を考えるのが商学です。マーケティングや会計、ファイナンスなどの細分化された学びがあり、専門知識を備えたスペシャリストとして活躍する人も多いです。

経営学部

より良い企業運営を行うための知見を得るというゴールは商学と共通しますが、組織全体に軸足を置き、経営の4資源と言われる「人・モノ・カネ・情報」の考察・分析により多くの焦点をあてるのが経営学です。マーケティングや会計など、細分化された学びは商学と重複することもあります。


PAGE TOP