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    公開日
  • 2026年08月10日
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大阪公立大学
College of Creative Studies(仮称)

この記事のポイント!
  • 英語教育で課題解決力と専門性を育成
  • 課題解決プロジェクトへの参加は全員必須
  • 多文化共修により世界とつながる人材を輩出
    • この記事は、進学情報誌Guideline 2026年7・8月号掲載時点のものです。
    • 文部科学省への設置申請に向けて構想中のものであり、今後変更が生じる可能性があります。

    進学情報誌Guideline 2026年7・8月号(電子書籍版)

    新たな進路モデルを提示

    多文化環境そのものを教育資源として活用

    2029年秋、大阪公立大は学部相当の教育組織「College of Creative Studies(仮称)」(以下、CCS)を立ち上げる計画だ。背景には同大学が抱いてきた強い危機感がある。

    2022年に誕生した大阪公立大学は12学部・学域15研究科を持つ総合大学であり、各種大学ランキングの結果からもわかるとおり、国際的にも一定の評価を得ている。就職力の高さでも実績があるが、唯一の欠点とも言えるのが国際化の遅れだった。

    「優秀な学生が入学しており研究レベルも高いのに、それを国際的に生かし、社会課題の解決につなげられていないのは問題だと思っていました」と高橋雅英副学長(国際交流担当)は語る。

    国際化を進めるにあたり、当初は各学部に英語コースを設置することを検討した。しかし、学部ごとにコース定員を設定し、カリキュラムを整備して教員を確保することは容易ではない。そこで、既存学部とは別に新たな教育組織を設ける形に切り替えた。

    その際に活用したのが「学部等連係課程」という制度だ。教育組織と教員組織を分離し、各学部の教員が本来の所属学部と新しい教育組織の両方で教育を担当する仕組みで、募集定員も各学部が定員の一部を提供する。

    「この方法であれば全学部の知を結集することができますし、総合知と専門知を兼ね備えた人材を育成することが可能になります。」

    ここから構想が一気に加速する。まずは留学生が応募しやすい秋入学とし、全科目を英語で提供することにした。創造性を持って世界の課題を解決する人材を育成するという意味を込めて、国際共通性の高い組織名称とした。

    英語教育としたのは、国際的な教育環境を実現するためだ。多文化環境そのものを教育資源として活用することで、世界とつながる人材輩出をめざす──これがCCS構想の核になっている。

    課題解決力と専門性を育成するカリキュラム

    CCSが育てようとしているのは、課題解決力と専門性を両方兼ね備えた国際人材だ。カリキュラムは1年次、2・3年次、4年次の3段階に分かれており、「共創」にかかわる科目が配置されている<図>

    <図>大阪公立大学 College of Creative Studies(仮称)のカリキュラム
    <図>大阪公立大学 College of Creative Studies(仮称)のカリキュラム

    1年次のカリキュラムは「語学教育」「科学的思考」「共創基礎」の3つの科目群が中心だ。「語学教育」では、英語による授業だけでなく、異なる文化的背景を持つ学生同士がともに学ぶ多文化共修そのものを教育の一部と位置づけている。

    「科学的思考」はAIを中心としたデータサイエンスからのアプローチの素養を身につけることに主眼を置いている。「共創基礎」の「共創」は、学生同士の協働だけでなく、地域社会や自治体、企業と連携しながら課題解決に取り組む学びを指しており、その基本的な考え方を学ぶ科目として設定している。

    2〜3年次のカリキュラムも「創造的探究科目群」「共創プロジェクト」「短期留学・インターンシップ」の3つの科目群からなる。「創造的探究科目群」は、専門知を提供する領域であり、複数のドメインと呼ばれる学問領域を設定し、そこに複数のパスウェイと呼ばれる専門コースを設置する。

    学生は2つのドメインから2つのパスウェイを学ぶことになっており、複数の専門領域を横断的に学ぶことで多角的な視点を獲得する。「共創プロジェクト」は自治体や産業界と連携したPBL科目で、具体的な課題解決に取り組む経験を重ねる。これらと並行して、日本人学生は海外への短期留学を、海外学生は国内留学や企業でのインターンシップを1クオーター(3カ月)以上課す予定だ。

    4年次は、それまでに身につけた専門性と課題解決力をベースに、より難度の高い課題に取り組むことになる。最終的な成果物としては、実践をまとめる形でも、課題解決に至るプロセスをアカデミックに考察する形でも、両方認める方向だという。

    入学・卒業時期を柔軟に設定

    CCSの最大の特徴とも言えるのが秋入学だ。世界の多くの国で採用されている9月入学を想定しているが、3月卒業の日本の高校生にはどのように対応するのだろうか。

    「実現するかどうかはわかりませんが、高校3年の秋から大学生になってもらう『飛び入学』も視野に入れた制度設計を検討しています。」

    飛び入学を選択しない高校生は、合格が決まってから半年間のギャップタームが生まれることになる。この点についても、たとえば大学の卒業時期にフレキシビリティを持たせるなどの工夫を検討している。

    大阪公立大学(OMU)校舎

    また、CCSから大学院に進学する場合には在学期間を半年間短縮するなど、入学時期、卒業時期ともに大学院進学がスムーズに進められるようにする予定だ。

    「ギャップタームの間に英語力を高めてほしいと思っています。アメリカの大学生と結ぶ本学独自のオンライン国際交流システムへの参加や、大学で実施される講義の聴講、英語力を強化する正課外のコースの実施などを検討しています。」

    入試に大学入学共通テストを課すかは未定だが、総合型・学校推薦型選抜と同様の、面接を中心とした選抜方式を予定している。また英語力に関しては英語資格・検定試験におけるスコアで判断するという。

    卒業後は国際機関、自治体、グローバル企業などを想定しているが、大学院進学にも力を入れ、1期生卒業までには大学院の英語コースも整備していくという。

    CCSの秋入学、英語教育、留学必須という学びは、日本の高校生にとって経験したことのない進路モデルであり、今後の動向が注目される。

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    高校の先生方向けの情報誌です。高校教育・大学教育・大学入試に関する分析記事や、インタビュー記事を掲載しています。UTokyo College of Designや東北大学ゲートウェイカレッジなど、難関大の教育改革や入試改革について随時掲載しています。


    全授業を英語で行い、1年間の海外留学やレイトスペシャライゼーションなど、文理の枠を超えて地球規模の課題解決に挑む「共創」の学びと、特色ある入試制度について伺いました。

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