- 2025年11月25日
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「高校無償化」(高等学校等就学支援金制度)が改めて注目を集めている。
河合塾と朝日新聞が共同で実施した「ひらく 日本の大学」2025年度調査では、高校教員と大学教員を対象にアンケートを行い、その受け止め方を探った。調査の結果、公立高校と私立高校で評価が大きく異なる一方で、大学は7割が評価していることがわかった。
公立高校・私立高校で異なる制度の評価
「高校授業料の無償化」政策の評価について聞いたところ、公立高校では「評価しない」が約8割の一方、私立高校では「評価する」が約9割に上り、対照的な結果となった。
大学は7割以上が評価しており、大学側からは概ね支持されていることがわかる<図1>。
※ 朝日新聞×河合塾 共同調査「ひらく 日本の大学」2025年度調査より
選択肢が広がる一方、公立離れを懸念する声も
高校の回答を見ると、「高校授業料の無償化」により、「生徒・保護者が家計に関係なくある程度行きたい学校を選べるようになる」と感じる回答が約8割を占める。一方で、「公立高校の志望者が減少する」との見方も9割弱に達し、制度の影響の大きさがうかがえる。さらに、「学費を引き上げる私立学校が増える」や、「塾や習い事に通う生徒が増える」との回答も約半数以上占め、波及効果への注視が求められる<図2>。
※ 朝日新聞×河合塾 共同調査「ひらく 日本の大学」2025年度調査より
大学進学への影響は限定的
「高校授業料の無償化」の大学進学に対する影響に関して、半数以上が「影響はない」と回答。3割弱は、無償化によって自大学にプラスの影響が出ると考えていることがわかる。「悪影響がある」とする回答も一部見られる<図3>。
高校・大学の「高校授業料の無償化」への具体的なコメントはPDF版をご覧いただきたい。
※ 朝日新聞×河合塾 共同調査「ひらく 日本の大学」2025年度調査より
- 朝日新聞×河合塾 共同調査「ひらく 日本の大学」2025年度調査概要
- (大学版)
- 2025年7月~9月に実施。メールで調査票(Excel)を配布。全国の大学(大学院大学、通信制のみの大学を除く)を対象に実施。回答件数612件。
- (高校版)
- 2025年6月~7月に実施。WEBアンケート調査のご案内を郵送。全国の高等学校・中等教育学校を対象に実施。回答件数791件。
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- 進学情報誌「Guideline」10・11月号
- 「高校授業料無償化とは?」解説記事
- 河合塾Wings 教育情報課 冨田健介課長インタビュー:高校無償化の中学生の進路選択の変化
- 「ひらく 日本の大学」2025年度調査 結果紹介:高校教員への取材記事も掲載
変わる高校教育 「私立高校無償化」の影響は
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