- 2026年02月20日
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2026年度国公立大志願状況
国公立大一般選抜の確定志願者数が判明した。各大学が公表した志願者数から2026年度入試の動向を分析する。
前期日程は前年並み、後期・中期日程で志願者減
国公立大一般選抜の志願者数は入試の中心となる前期日程で235,310人(前年比100%)だった<図表1>。募集人員に対する志願倍率は2.9倍と昨年と変化はなかった(以下、倍率は特に記載のない限りすべて志願倍率)。
共通テストの難化で安全志向強まる
<図表2>は前期日程の志願状況を大学グループ別に分けたものである。今年は旧帝大を中心とした「難関10大学」と「準難関・地域拠点大学」で志願者がやや減、その他の大学でやや増となった。前述のとおり、共通テストが難化しており、受験生の安全志向がみてとれる。難関、準難関で志願者が大きく減少したのは、東京科学大(前年比87%)、東京都立大(同87%)、横浜国立大(同85%)、広島大(同89%)などである。東京科学大は3年連続の志願者減となった(一昨年以前は東京医科歯科大、東京工業大の合計値との比較)。
地区別ー
都市部で志願者減少傾向
<図表3>は前期日程の地区別の状況である。志願者が増加したのは、北海道、甲信越、北陸、四国、九州の各地区である。増加率が高いのは北海道と四国であるが、北海道地区では6年ぶりに志願者数が1万2千人を超えた。また、四国は3年連続の志願者増となった。一方で関東、東海、近畿といった都市部では志願者は減少した。これらの地区では、共通テストの難化により、国公立大への出願はせず、私立大専願に切り替えた受験生が増えたものとみる。
今年も前年の反動で志願者が増加または減少する隔年現象が各所でみられた。以下はその増減幅が大きい大学である(数値は2023~26年度の前期日程の志願者前年比)。
北見工業大(53%→188%→71%→134%)
秋田県立大(62%→151%→56%→118%)
横浜国立大(136%→88%→111%→85%)
富山大(112%→75%→134%→81%)
福井大(62%→133%→83%→126%)
長野県看護大(73%→157%→38%→265%)
島根大(91%→129%→72%→109%)
宮崎公立大(64%→222%→48%→158%)
なかには年々増減の幅が拡大している大学もみられる。出願の際に前年入試の倍率のみに注目しないよう注意したい。
系統別の状況ー
経済、工学部で志願者増
<図表4>は国公立大の前期日程の志願状況を、学部系統別に集計したものである。文系では「法・政治」「経済・経営・商」で昨年を上回る志願者数となった。
理系では「理」「農」で志願者は前年並み、「工」で増加した。また「医・歯・薬・保健」の志願者はすべての分野で減少した。「教員養成課程」「生活科学」も志願者が減少した。
以下、主な系統について確認していく。なお、文中の志願者数・前年比は特に記載がない場合、前期日程を表す。
文・人文学系
系統全体の志願者数は前年比99%だった。分野別にみると「外国語」「地域・国際」などで志願者の増加が目立つ。筑波大(人文・文化-比較文化)(前年比128%)、東京外国語大(言語文化)(同109%)、大阪大(外国語)(同112%)、北九州市立大(外国語)(同128%)などで志願者が増加した。
社会科学系
「社会・国際」学系では2大学で学部の新設があった。このうち福井県立大(地域政策)では30名の募集人員に対し、2百人を超える志願者が集まり、倍率は7.0倍となった。
詳細分野に切り分けてみると「社会」「社会福祉」分野で減少が目立つものの「国際関係」は前年並みの志願者数が集まっている。国際系は文・人文系でも志願者が増加しており、人気回復の傾向にある。
「法・政治」学系の志願者数は前年比101%だった。ただし大学グループに分けてみると、難関10大学で前年比99%、準難関・地域拠点大学で同94%となった一方、その他の大学では同114%と志願者が増加した。
「経済・経営・商」学系では、志願者数は前年比102%だった。こちらは難関10大学で前年比103%、準難関・地域拠点大学で同104%、その他の大学で同101%と、法学系とは対照的に難関大で増加率が高くなった。
教育学系(教員養成課程、総合科学課程)
「教員養成課程」の志願者は前年比97%、「総合科学課程」で同99%となった。志願者減の要因には埼玉大、熊本大など一部の大学で募集人員を減員していることが影響している。また今春は山形大で教育学部が復活したが、志願者数は183人、倍率は2.5倍となった。
今春の両課程の倍率はいずれも2.3倍と全系統の中で最も低くなっている。志願者数が募集人員を下回る定員割れは、国公立大全体の28募集区分で起きているが、教育学系はそのうちの16募集区分を占める。教育学系で定員割れを起こした区分のなかには昨年高倍率だったところもみられるが、大半が昨年も1.0倍台で低倍率が続く状態である。
自然科学系(理、工、農)
「理」学系の志願者数は前年比100%だった。大学グループ別にみると、難関10大学で前年比94%、準難関・地域拠点大学で同98%となった一方、その他の大学では同107%と増加した。今春新設の佐賀大(コスメティックサイエンス)には132人の志願者が集まり、7.3倍の高倍率になった。
「工」学系では志願者数は前年比103%だった。大学グループ別にみると、難関10大学で前年比98%、準難関・地域拠点大学で同96%となった一方、その他の大学では同108%と、「理」学系同様、安全志向がみられる。
「農」学系では前年比100%、「生物生産・応用生命」分野で志願者が増加した。一方で「獣医」は前年比92%と志願者が減少した。
医療系(医・歯・薬・保健)
医療系全体の志願者数は、前年比95%となった。すべての分野で志願者が減少しており、「医」「薬」「看護」で減少率が高くなっている。「歯」は模試時には年間を通じて人気だったが、入試本番では志願者減となった。
「医」では、旧帝大を中心とする難関10大学の志願者は前年比93%と減少率が高くなった。また、後期日程の志願者は前年比79%と大きく落ち込んだ。今春、3大学(旭川医科大、山形大、佐賀大)が後期日程を廃止したことに加え、共通テストの難化も影響しているだろう。
「薬」では、中期・後期日程ではそれぞれ前年比98%、同80%と中期日程の志願者数は前年並みとなった。
その他
「総合・環境・情報・人間」の志願者は前年比100%だった。分野別にみると「総合」(前年比117%)と「情報」(同93%)で昨年との変化が大きかった。「総合」では熊本大に共創学環が新設される。115人の志願者が集まり、倍率は2.9倍となった。「情報」は昨年、その前年から2割以上志願者が増加した分野で、志願者が大きく増加した大学も目立っていた。その反動が大きく出た大学もあり、名古屋市立大(データサイエンス)前年比227%→50%、高知工科大(データ&イノベーション)同165%→48%などは増減幅が大きくなった。今春は長野大(共創情報科学)が新設され、倍率は1.1倍となった。
難関国立大の状況ー
東京科学大で志願者大幅減
<図表5>は旧帝大を中心とした難関10大学の志願状況を前期日程・後期日程でまとめたものである。難関10大学全体では、前期日程の志願者数は55,133人(前年比98%)となった。大学別にみると、志願者数が昨年を上回ったのは、北海道大、一橋大、大阪大の3大学、減少したのは東北大、東京大、東京科学大、名古屋大、京都大、神戸大、九州大の7大学と、減少大が増加大を上回った。以下、難関10大学の状況を個別にみていく。
北海道大学
前期日程の志願者数は前年比104%と増加した。志願者が5千4百人を超えたのは4年ぶりである。
学部別にみると総合入試文系、教育、法、総合入試理系、獣医学部で志願者が増加した。獣医学部で志願者が百人を超えたのは7年ぶり。倍率も前年の4.5倍から5.0倍に上昇した。総合入試文系も4.1倍と高倍率となった。総合入試理系では生物重点は前年並みの志願者数にとどまったが、他は志願者が増加した。
志願者が減少したのは文、経済、水産、医、歯学部などで、文、歯学部は前年志願者が増加しており、その反動もあるだろう。医学部では医学科、理学療法学専攻で前年比77%と減少率が高くなったが、その他の専攻は増加した。
後期日程の志願者数は前年比93%となった。文、理、工、薬学部で志願者の減少率が高い。理学部は2年連続、工学部は3年連続の志願者減となった。一方、志願者が増加したのは教育、経済、獣医学部などで、このうち教育学部は志願者数が倍増した。
東北大学
前期日程の志願者数は前年比98%、微減ではあるものの3年ぶりの志願者減となった。学部別にみていくと昨年志願者が増加していた学部で減少、逆に減少していた学部では増加と、前年の反動が目立つ。志願者の増加数が多いのは昨年まで2年連続で志願者が減少していた教育学部(前年比143%)と、昨年2割減となっていた医学科(同135%)である。農学部は2020年度以降隔年現象を起こしており、今年は志願者減の年で前年比92%と減少した。同じく減少率が高かったのは法学部で前年比82%となった。来年は反動による志願者増に注意が必要だろう。
後期日程は経済、理の2学部が実施するが、大学全体で志願者は前年比92%と減少した。なかでも経済学部で前年比86%と減少が目立った。
東京大学
大学全体の志願者数は前年比99%となった。昨年は理科三類をのぞく5科類で第1段階選抜の予告倍率引き下げがあり、志願者数は前年から約1千人減少した。今年はさらに理科三類でも第1段階選抜の予告倍率を引き下げたことに加え、共通テストの難化も加わり、志願者数は前年並みにとどまった。予告倍率が変わらない限り、今後も志願者数は8千人台で推移するのではないだろうか。
科類別では、文科一類で前年比108%と志願者が増加したほか、文科二類で前年並み、文科三類で同98%と文科類ではそれほど志願者が減らなかった。理科類では理科一類だけは前年並みの志願者数を保ったが、理科二類で前年比91%、理科三類で同97%と減少が目立った。
第1段階選抜は全科類で実施され、7,478人が合格した。第1段階選抜の合格最低点をみると、文科類では共通テストの難化にもかかわらず、昨年より高くなった。2次試験は厳しい戦いとなりそうだ。
東京科学大学
大学全体の志願者数は前期日程で前年比87%と、難関10大学の中で最も減少率が高くなった。学院・学部別にみても歯学部の口腔保健衛生学を除き、いずれも減少した。理工系では第1段階選抜の予告倍率が4倍から3.5倍に引き下げられ、第1段階選抜の通過者数が絞り込まれることになった。これを警戒し、出願を断念した受験生が多かったものとみる。志願者が減少しても、理、工、情報理工、環境・社会理工学院では志願者数は予告倍率を超えた。
医療系では、医学科の志願者が251人(前年比83%)、過去10年で最少の志願者数となった。看護学専攻も過去10年で最少となったほか、倍率は1.6倍と2.0倍を切った。
歯学科の志願者数は前年比79%と減少率は高いが、昨年まで2年連続の志願者増となっていた影響が大きい。
後期日程は医、歯学部のみが実施する。志願者数は医学科で前年比86%、検査技術学専攻で同58%と減少、歯学科は同136%と増加した。倍率は医学科で14.0倍、歯学科で13.3倍と高倍率となった。
一橋大学
前期日程の志願者数は前年比104%となった。志願者が増加したのは、社会、経済の2学部でいずれも昨年は志願者が減少していた。経済学部の志願者数は8年ぶりに7百人を超え、倍率は4.2倍となった。
法、商、ソーシャル・データサイエンス学部は志願者が減少したが、このうちソーシャル・データサイエンス学部の志願者は101人と2023年度の学部開設以来最少となった。
後期日程は経済、ソーシャル・データサイエンスの2学部で実施する。両学部とも志願者数は減少した。経済学部では今春は前年比85%、志願者は3年ぶりに減少した。ソーシャル・データサイエンス学部は前年比82%、志願者数は500人と後期日程でも学部開設以来最少となった。
名古屋大学
前期日程の志願者数は前年比96%、3年ぶりの志願者減となった。学部別にみると、文、経済学部以外はすべて減少した。減少率が高いのは理(前年比88%)、農(同92%)、医(同91%)、情報(同82%)である。理学部は昨年2次科目減により志願者が2割以上増加した反動であろう。農学部では生物環境科学、資源生物科学の2学科で志願者が減少、倍率はそれぞれ1.9倍と2.1倍で低倍率となった。情報学部は2年連続の志願者減で、学部全体の志願者数は過去10年で最少となった。3学科とも減少しているが、なかでも最難関のコンピュータ科学は倍率1.9倍となった。医学部では医学科で前年比96%と減少、保健学科では放射線技術科学、理学療法学専攻などで大きく志願者を減らしたものの、看護学、作業療法学専攻では志願者が増加した。
後期日程は医学科のみ実施する。志願者は昨年の83人から60人に減少した。旧帝大の医学科で唯一、後期日程を実施することから、志願者数は減少しても高成績層が集まっていることが予想される。
京都大学
前期日程の志願者数は前年比99%となった。昨年まで4年連続で志願者が増加していたが、その数を維持した形だ。工、農学部では過去10年で最多の志願者数になったほか、法、理学部でも昨年を最多として2番目に多い志願者数となっており、人気の高まりを感じさせる。
学部別に昨年との比較をすると、志願者が増加したのは教育、農、薬、総合人間学部で、農学部は5年連続、薬学部は2年連続の志願者増となった。また、教育、経済、総合人間の各学部は文系型・理系型の2つの選抜方法があるが、いずれも文系型で志願者増、理系型で減となっている。
理学部の志願者数は前年比98%だったが、募集人員を特色入試にシフトさせ27名減となったため、志願倍率は昨年の3.0倍から3.2倍に上昇している。医学部では前年の志願者増の反動で医学科、人間健康科学科ともに1割以上志願者が減少した。
大阪大学
大学全体の志願者数は前年比103%と増加した。文系学部では文、外国語、法学部で志願者が増加した。外国語、法学部は前年から約1割増となった。外国語学部では、モンゴル語、アラビア語、ペルシャ語、英語、日本語などの専攻で志願者の増加が目立つ。前年の倍率が1倍台だった専攻もあり、ねらい目にみえる専攻に出願が集中する様子がうかがえる。経済学部は前年比95%と文系で唯一志願者が減少したが、昨年は前年比125%と大幅に志願者が増加していたためその反動があるだろう。なお、志願者数は昨年に次いで過去10年で2番目に多くなっている。
理系学部では、理、工学部で志願者増、基礎工学部で前年と同数の志願者を集めた。他の難関大では理工系は志願者が減少している大学が多いなか、人気を示している。志願者が増加したのは、理学部では数学、物理学科、工学部では応用理工、環境・エネルギー工学科、基礎工学部では電子物理科学科であった。
医療系では検査技術科学専攻を除き、各学科・専攻とも志願者が減少した。医学科で前年比93%、歯学部で同86%、薬学部で同79%となった。歯、薬学部は昨年入試で前年から約1割志願者を増やしており、その反動が大幅減につながったのであろう。なお、看護学専攻は4年連続で2.0倍を切っている。
神戸大学
前期日程の志願者数は前年比95%だった。学部別にみると、法、経済、工、農、医学部で志願者が減少した。経済学部は3年連続の志願者減で、今年の志願者数は過去10年で最少となった。医学部では作業療法学専攻で志願者が増加したものの、他は減少した。医学科では前年比85%、4年ぶりの志願者減となった。また昨年新設の医療創成工学科は前年比79%とこちらも志願者が減少した。
志願者が増加したのは、経営、理、システム情報学部である。理学部は3年連続の志願者増となった。また昨年誕生したシステム情報学部は前年比109%と増加率が高くなった。海洋政策科学部の志願者数は昨年と同数だが、文系で減少、理系で増となった。
後期日程の志願者数は前年比100%となった。学部別にみると志願者数は前年並み、もしくは増加する学部が目立つものの、工学部で前年比94%、医学部で同80%と減少が目立った。医学部で後期日程を実施するのは検査技術科学と理学療法学の2専攻のみだが、前年並みの志願者数であった理学療法学専攻に対し、検査技術科学専攻は前年比74%と大きく減少した。システム情報学部は後期日程でも志願者が増加した。
九州大学
前期日程の志願者数は前年比94%となった。前期日程の志願者が5千人を下回ったのは2015年度以来11年ぶりのことである。学部別にみると志願者が減少したところが多いが、なかでも文(前年比88%)、教育(同85%)、法(同88%)、理(同87%)、医(同88%)、歯(同69%)、薬(同69%)の各学部では1割以上減少と、減少幅も大きくなった。2年連続で志願者が減少した学部も多く、歯、薬学部は一昨年と比較して6割程度まで減少している。倍率も薬学部では2学科とも2.0倍を割り込んだ。
志願者が増加したのは、共創、経済、農学部である。経済学部は2年連続の志願者増であるが、なかでも経済工学科は今年は前年比139%と大幅に増加した。
後期日程は前年比98%となった。学部別にみると、昨年志願者が減少していた文、経済、農学部では志願者が増加した。なかでも経済学部の経済・経営学科は前年比157%と大幅に志願者が増加、倍率は17.1倍となった。志願者が減少したのは、法、理、工、薬学部で、法学部は昨年志願者が大幅に増加していた反動もあるだろう。理学部では化学科で前年比121%と増加したものの、他学科は昨年の5〜6割程度まで減少と、学科により異なる。薬学部は3年連続の志願者減となった。
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