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    公開日
  • 2026年10月13日
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総合型・学校推薦型選抜での
面接必須化に対する大学の取り組み

2027年度入試から総合型選抜と公募制の学校推薦型選抜で面接が必須化。大学はどのように捉えているか、573大学の学長に評価とその理由について、伺いました。

  • この記事は、進学情報誌Guideline 2026年10・11月号「大学入試を追う 出願指導のこれから」掲載記事より作成しました。

進学情報誌Guideline 2026年10・11月号(電子書籍版)

面接必須化の背景と制度改正の狙い

2027年度入試から、総合型選抜と、公募制の学校推薦型選抜で面接が必須化される。

今回の面接必須化には、高校現場の意見も踏まえ、大学入学者選抜実施要項を遵守させる狙いがあると考えられる。2026年度入試より、総合型・学校推薦型選抜では小論文・面接・出願書類などと組み合わせることを条件に、2月1日よりも前に学科試験を実施することが認められた。しかし、中には学科試験の配点割合が大部分を占める入試もあり、懸念の声が上がっていた。

学長アンケート調査と大学規模・地域別の動向

河合塾では朝日新聞との共同調査「ひらく 日本の大学」2026年度調査において、全国573大学の学長に面接必須化への評価・意見を伺った。

<図表1>は面接必須化に対する学長の評価である。全体では「評価する」「どちらかと言えば評価する」と答えた大学が約6割だった。一方、早くから学科試験型の学校推薦型選抜が実施されてきた近畿地区では、両者の合計は約4割にとどまった。また、募集定員が多い大学ほど、「評価する」と答えた割合が小さくなる傾向があった。大規模大学では学科試験型の受験者数が数万人に及ぶ場合もあり、面接必須化に伴う受験生・高校への影響が懸念されていると見られる。

<図表1>面接必須化に対する学長の評価
<図表1>面接必須化に対する学長の評価

<図表2>は面接必須化に対する評価の理由(自由記述式)を抜粋したものである。

「一般選抜よりも時間をかけ、受験生の資質・能力を多面的に評価する」という総合型・学校推薦型選抜の趣旨に照らし、面接の必須化を肯定する意見が多数見られた。一方で、実施運営上の負担に対する懸念や、面接以外の代替手段も検討すべきであるという意見、選抜方法は各大学の自由にゆだねるべきであるとする意見も複数見受けられた。

<図表2>面接必須化に対する評価の理由(抜粋)
  • 朝日新聞×河合塾 共同調査 「ひらく 日本の大学」2026年度調査より抜粋
  • 括弧内は、設置者、本部所在地区、入学定員
評価する
  • 選抜本来の趣旨である、多様な資質を持つ学生を求めるという観点から、学力試験だけでは測れない「意欲」や「適性」を丁寧に評価することを形骸化させてはならないと考えます。(国立大学、関東甲信越、1,000~2,999人)

  • 総合型選抜・学校推薦型選抜と一般選抜では、それぞれ良い側面があり、本学では、いずれの選抜方式においても、期待どおりの学生を確保することができています。学力を極端に重視した総合型・学校推薦型選抜は、一般選抜との違いを見いだせず、受験生に誤認識を与える可能性が大きいと考えています。(私立大学、関東甲信越、3,000人以上)
どちらかと言えば評価する
  • 学力の三要素を多面的・総合的に評価するうえで、面接は有効な方法であり、生成AIの活用が進む中では、出願書類の真正性を確認するうえでも重要であると考えます。一方で、大学によっては日程や人員の面で実施が困難な場合もあることから、面接と同等の選抜機能を有する方法についても認められることが望ましいです。(国立大学、東北、1,000~2,999人)

  • 本学では、これまでも入学者選抜実施要項等の趣旨を踏まえ、総合型・学校推薦型選抜において受験生を多面的・総合的に評価してきたことから、今回の面接原則必須化は、その方向性を明確化するものとして評価しています。一方で、これまで十分に対応してこなかった大学への経過措置については、制度を適切に遵守してきた大学との間で不公平が生じないよう、慎重な運用が必要であると考えます。(私立大学、関東甲信越、3,000人以上)
どちらとも言えない
  • 総合型・学校推薦型選抜については学力試験のみで選抜を実施すべきではないとしても、それは、必ず「面接」をしなければならないという理由にはならないように思います。学力試験ではなく、また、面接でもない選抜の方法も考えられるのではないかと思うためです。面接を実施するか否かは、志願者を選抜する学部や学科が、どのような人を育てていきたいのかという観点から判断するのが適当ではないでしょうか。(国立大学、関東甲信越、300~999人)

  • 主旨は理解できますが、急な決定だったため、受験生を中心に入試現場への影響がかなり大きいと考えています。(公立大学、近畿、1,000~2,999人)
どちらかと言えば評価しない
  • 各大学・学部のアドミッション・ポリシーに基づき、入学者選抜の方法を柔軟に設計できることは重要です。総合型・学校推薦型選抜において面接を原則必須とすることは、選抜方法の設計に一定の制約を生じさせる可能性があります。また、面接の実施時期や実施方法によっては、受験生・大学双方の負担が大きくなり、結果として特別選抜の縮小や廃止を検討する大学が出てくることも懸念されます。その場合、多様な選抜方法の実現をめざしてきた高大接続改革の流れを弱めるリスクもあると考えます。(国立大学、九州、1,000~2,999人)

  • 過去から関西において実施されてきた「公募推薦」は学力検査を含むものであり、各大学、受験規模が大きい入試です。面接必須化に伴い公平性・客観性のある入試が担保できるのか危惧します。(私立大学、近畿、1,000~2,999人)
評価しない
  • 形骸化した面接の実施が行われるだけになる恐れがあります。(公立大学、北海道、300人未満)

  • 面接試験を必ず行うべき入試(総合型・学校推薦型選抜)については、これまでも丁寧に実施してきました。本学では、英語学位プログラム入試(総合型選抜に分類)において、居住地域・国籍に関して多様な背景を持った志願者に対する選抜方式として書類選考による選抜を行ってきましたが、これについても面接が必須化となると数百人規模の志願者を選考・選抜することが難しくなります。数十年前より実施してきた実績のある入試方法を画一的に否定されることについて困惑しています。(私立大学、関東甲信越、1,000~2,999人)

各大学の取り組みと今後の展望

面接必須化に際して、2027年度から学科試験型の総合型・学校推薦型選抜の導入を予定していた大学は、東海大のように面接を追加したり、成蹊大のように実施を取りやめたりと、対応が分かれた。なお、既存の選抜については新ルールの適用が2年間猶予されることから、すでに学科試験型の選抜を行っている大学では、2027年度からの面接追加などの動きは見られない。しかし、東洋大の基礎学力テスト型のような大規模な学科試験では、面接の実施は容易ではない。そのため、大規模大学を中心に、面接必須化をきっかけとして入試制度全体の見直しが進む可能性がある。

今後の各大学の動きに引き続き注目していきたい。

  • 東海大、成蹊大、東洋大の方針は、進学情報誌Guideline 2026年10・11月号(電子書籍版)からご覧ください。
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