土木・環境工学
※特派員のプロフィールはアンケート回答時点のものです。
何を学ぶの?
市民の暮らしのための工学
土木工学は、道路や橋、トンネル、上下水道、ダムなどの社会基盤を対象に、計画・設計・施工・維持・管理の技術を研究する学問。とくに近年は、相次ぐ大きな地震や台風被害などを受けて防災・減災への意識が高まり、維持管理の重要性が見直されている。
環境工学は、自然環境と共生しながら持続可能な社会の実現をめざす学問だ。扱う領域は建物や住居の冷暖房など身近なものから、水・土壌・大気などの地球環境まで広範囲に及ぶ。
大学では、橋などの維持管理や耐震構造などを学ぶ「構造系」、コンクリートや材料の特性を学ぶ「材料系」、土や地盤を分析する「地盤系」、川や海などの水流を扱う「水工系」、土地利用や交通計画を行う「計画・交通系」、環境にやさしい暮らしを考える「環境系」などの基礎を学修したうえで、自分の興味に沿った専門領域を詳しく学んでいく。設計演習や土木製図実習、測量学実習、構造力学演習など演習・実習が多いのも特徴の一つだ。
大学選びココがポイント
土木・環境工学は工学部や理工学部にある土木工学科のほか、「環境」「社会」「都市」を組み合わせた名称の学科で学ぶことができる。なかには、都市計画や都市環境学などのテーマに重点を置いた都市工学科や都市システム工学科、海を研究対象とする海洋建築工学科など、特定の分野に的を絞った学科もある。このように研究対象は幅広く、大学により得意な分野が異なるので、大学案内などで比較しておくことが大切だ。
先輩たちの時間割
福井大学 工学部 建築・都市環境工学科 3年 R.S.特派員の時間割
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | 土曜日 | |
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1限 | 建設施工法 | - | - | - | 測量学第二 | - |
2限 | - | - | 地盤工学第二 | 都市デザイン | - | |
3限 | - | 住環境計画論 | - | - | - | - |
4限 | 建設環境工学 | 建設工学実験実習 | 都市設計演習第二 | 鋼構造 | - | - |
5限 | - | - | - | |||
6限 | - | - | - | - | - | - |
※3年次前期の時間割
こんな研究しています
関西大学 環境都市工学部 都市システム工学科 卒業 にし特派員
都市部における内水氾濫と外水氾濫発生時の被害に関する検討
大阪市北区等の大規模な地下街や地下鉄網が形成された都市部を対象に、地形データや地下のデータをモデル化させ、対象区域に対して大雨や堤防からの越流といった外力を与え、氾濫シミュレーションを行う。そして、どのような箇所が災害時に危険が予測されるのか検討を行う。
近年の気候変動による豪雨は、全国各地で大規模な被害を招いている。そのようななか、大阪などの大規模な都市で水害が発生した場合、莫大な被害規模となることが想定される。このような身近な水防災に関わる研究に取り組むことができる。
コラム~より大きな視点で「都市計画学」~
近年、大都市を中心に地域全体の景観を考えながら再開発が行われ、大規模な住宅・商業施設が登場している。
このような街づくりを考えるのが都市計画学だ。都市計画学では、多くの人々が便利かつ安全で快適に暮らせる街づくりを実現するための技術や手法を体系的に学ぶことができる。土木・環境工学のみならず、建築学や造園学、社会工学、地理学、経済学などとかかわる学際的な学問なのだ。
情報化や高齢化など、人々を取り巻く環境も変化し、時代の変化に応じた街づくりが求められている。都市計画学は今後も重要な役割を担っていくことだろう。
もっと学問を掘り下げる
Kei-Netの協力サイト「みらいぶっく」では、学問をさらに細かく分類し、その学問を学べる大学や活躍する研究者、関連する書籍などをご紹介しています。ここでは、その中から土木・環境工学に関連する学問の一部をご紹介します。
- 土木材料・施工・建設マネジメント
- 構造工学・地震工学・維持管理工学
- 地盤工学
- 水工学
- 土木計画学・交通工学
- 土木環境システム
- 地球・資源システム工学
- 環境技術・環境負荷低減
- 自然共生システム
- 持続可能システム
- 社会システム工学・安全システム
- 自然災害科学・防災学
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