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小論文の基本課題

小論文では以下の5つの要素が試されます。答案を書くときには、この5つの要素を自分がどれだけ満たしているか、つねに意識するようにしましょう。

1課題文の読解

小論文は課題文(資料)を読み解くところから始まります。読解をおろそかにしては的確な解答ができません。その際に必要なのは、①筆者の主張を客観的に読み解くこと、②それを批判的に検討しながら自分なりに解釈すること、の2つです。①は要約問題や説明問題の、②は論述問題の解答のベースとなります。

2設問への応答

最近の小論文は総合問題化していて、設問が複数ある場合が多くなっています。各設問が何を問うているのか、事前に設問の要求を的確に把握することが肝心です。①要約・説明問題:課題文の趣旨をまとめるのか(要約)、その趣旨を自分の言葉で説明するのか(説明)を確認する、②見解論述問題:何についてどういう視点から議論することが求められているかを確認する、の2点が重要です。

3論述の説得力

小論文の中心は論述問題です。指定されたテーマに関して自分はどう考えるのか、自分なりの議論を展開する必要があります。そこで最も重要なのは論述に説得力を持たせることです。説得力は、①具体性:テーマに関わる事実関係に基づいて、適切な事例や体験を挙げながら、自分も当事者だという立場から議論を展開しているか、②論理性:テーマに関する必須の概念を適切に使用して、論理に破綻がなく、首尾一貫した議論を展開しているか、の2点から生まれてきます。

4適切な文章表現

小論文は相手に読んでもらうものです。表現・表記や文章構成を整えることは基本的なマナーです。①表現・表記:誤字・脱字をしない、基本「~である」体で書く、②文章の構成:主述の呼応、接続詞の適切な使用、必要な段落構成をする、という2点に気を付けましょう。

5基礎となる知識

上記の4つの要素を基礎から支えるのが知識です。文章を読み書きするために必要な一般的教養があることは大前提ですが、その上で、課題文を的確に読解し、自分の論述を展開するには、志望系統の分野に関わる知識が必要です。上述の小論文の出題内容に掲載したテーマに関して、きちんとした知識を蓄えるようにしておきましょう。

小論文の学習対策

演習問題の反復練習

小論文の学習は、演習問題を数多く解く以外にありません。しかし、最初から志望大学の入試問題に取り組むのはオススメできません。というのも、上記5つの基本課題が身についていない段階では、いくら問題に取り組んだところで優れた答案を書くことはできないからです。まずは短くてもかまいませんので、基本課題を押さえた文章を書く練習を繰り返し行いましょう。

その際、独学や自習ではなく、答案添削を受け、解説講義を受講するという授業スタイルでの学習がもっとも効果的です。

テスト・模試の受験

小論文試験のテスト、模擬試験を受験して、日々の学習で培った力を試すことも重要です。河合塾でも、特定大入試オープン模試などで小論文試験を実施しています。

先輩の声
東北大学 教育学部 1年 S.N.特派員
小論文の練習は、夏休みごろから、過去問や出題傾向が似ている大学の過去問を利用して2週間に1つ書くペースで練習した。毎回先生に添削していただいた。また、志望分野である教育系の諸問題やニュースについてまとめていた。書き始める前に、自分の意見をメモしたりして構造を練る作業が重要だと思う。
九州大学 共創学部 1年 M.Y.特派員
とにかくこの学部は社会的な問題に関心を持って、自分なりの考えを持っておくことが大事。だから、日頃からニュースや新聞などを見て、それに対して自分だったらこういう理由でこう思うなどを考えておくと良いと思う。宗教の問題に関しては、テレビで特集をたまたま見ていて自分だったらと考えていたら問題に出たので良かった。小論文の書き方に関しては、先生を頼った方が良い。色々な考えを持った先生がいるので、自分に合う先生を探して添削してもらうことが近道だと思う。
慶應義塾大学 文学部 1年 M.Y.特派員
国語の便覧の後ろのほうに載っている、小論文の書き方のところを読んで基本をおさえた後に、過去問に取り組んで学校の先生や塾の先生に添削してもらうようにしていた。小論文は今までやったことがなく、ちょっと気が引けるという人もいるかもしれないが、ある大学のための国語の対策をするのとそんなに差は無いし、現代文の読解にもつながるので、積極的に取り組んでみるといいと思う。

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