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    公開日
  • 2024年04月08日

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理系分野の女性活躍推進

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約4割の大学が学生の女性割合を高めたい考え
入試で「女子枠」導入する大学が相次ぐ
女子大で理工系学部の新設も

約4割の大学が学生の女性割合を高めたい考え

「ひらく 日本の大学」(※)によると、女子大を除いて約4割の大学が、学部学生の女性割合を増やしたいと考えている<図>。理工系大学では「全体的に増やしたい」、総合大学でも、理工系学部を中心に「女子学生の割合が低い学部は増やしたい」という回答が目立つ。

  • 「ひらく 日本の大学」:朝日新聞社と学校法人河合塾が共同で実施している全国大学調査。
<図> 学部学生の女性割合(女子大以外)(n=580)
<図> 学部学生の女性割合(女子大以外)(n=580)

入試で「女子枠」を導入する大学が相次ぐ

その方策の一つが、総合型選抜・学校推薦型選抜を中心とした、大学入学者選抜における「女子枠」の導入である。女子学生確保に取り組む大学に対する運営費交付金や私学助成による支援が強化されたこともあり、導入が相次いでいる<表1・2>。

特に東京工業大学は、2024年度から4学院で58人、25年度から2学院で85人と、計143人の枠を設ける。京都大学も、2026年度入学者選抜から、理学部・工学部の特色入試に女性枠を設置することを公表した。

<表1> 大学入学者選抜の「女子枠」例(一部学科等での実施を含む)(2024年度)
<表1> 大学入学者選抜の「女子枠」例(一部学科等での実施を含む)(2024年度)
<表2> 2025年度入試で女子枠を新設予定の学部(抜粋)
<表2> 2025年度入試で女子枠を新設予定の学部(抜粋)
  • 河合塾調べ。

インタビュー「東京工業大学 女子枠」(情報誌「2024年Guideline2・3月号」電子書籍へリンク)

インタビュー「東京理科大学 総合型選抜(女子)でめざすもの」

女子大で理工系学部の新設も

女子大の理工系学部の設置も目立つ。2022年度に奈良女子大学工学部、2024年度にお茶の水女子大学共創工学部が新設。また、大学・高専機能強化支援事業なども活用しながら、情報・データサイエンス系の学部新設を検討する大学も見られる。

そのほか、内閣府男女共同参画局が中心となり、女子中高生の理工系分野への進学を支援する「理工チャレンジ:リコチャレ」に協力する大学なども増えている。出産などのライフイベントと研究との両立支援、大学教員や管理職への女性の積極登用などと合わせて、理系分野での女性活躍推進に向けた取り組みが進んでいる。


インタビュー「お茶の水女子大学 共創工学部でめざすもの」

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