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    公開日
  • 2026年06月15日
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2026年度 入試結果総括志願者増・合格者減で私大入試は厳しい環境に

この分析記事は各大学が公表した入試結果、および河合塾が全国の高等学校を対象に実施した入試結果調査をもとに分析しています。入試結果調査では40万人を超える受験生のデータを集めることができました。ご協力いただきました高等学校の皆様にあらためて感謝申しあげます。

PDFでご覧になりたい方はこちら(入試・教育トピックス)

目次

2026年度入試の特徴

18歳人口は前年並み、共通テストは難化

2026年度の18歳人口は前年とほぼ同程度となりました<図表1>。このことから、今春の大学志願者の実数も前年並みだったと推測します。

<図表1>18歳人口・大学志願者数の推移
<図表1>18歳人口・大学志願者数の推移

大学側も今後さらに進む少子化を見据えて、改革を活発化させています。2026年度入試も、私立大を中心に学部・学科の新設や再編が進んだほか、国公立大でも佐賀大の「コスメティックサイエンス学環」のように、特色ある学部・学環の設置が見られました。女子大では、男女共学化の動きに加え、時代のニーズに合わせた学部・学科への再編が進んでいます。

新課程移行後2年目の共通テストでは、平均点が前年からダウンしました。文系・理系ともに6教科の平均得点率はおよそ60%と推定しています。「情報Ⅰ」の平均点は、昨年の69点から今年は57点に大きく下がりました。ただし昨年の平均点が高めだったため、今年は「他教科と同程度の水準になった」と捉えることもできます。受験者数は約2千人増加しましたが、増加の中心は「3科目以下の受験者」でした。

総合型・学校推薦型選抜の概況

私立大総合型選抜で志願者・合格者が増加

総合型・学校推薦型選抜では、国公立大と私立大の動向に差が見られました<図表2>。国公立大では志願者は前年比100%、合格者も101%で、前年から大きな変化はありません。私立大の志願者は前年比107%と増加しました。合格者は前年比102%で、志願者ほど増えていません。倍率は0.1ポイント上昇し、2.0倍になりました。

<図表2>総合型・学校推薦型選抜の入試結果
<図表2>総合型・学校推薦型選抜の入試結果

選抜別では、学校推薦型選抜で志願者が減少、総合型では志願者・合格者ともに増加しています。近年、学校推薦型選抜から総合型選抜へ選抜方法を切り替える動きがあり、その影響もあるでしょう。

私立大の状況をみると、志願者の増加数が大きいのは首都圏と近畿です。併願可能な方式や、基礎学力型の方式など、もともと志願者が集まりやすい選抜で増加幅が大きくなっています。倍率でも、こうしたタイプの大学が多い近畿は、唯一2倍台となっています。一方で、北海道・東北、北陸、中四国は、1倍台前半で推移しています。私立大は、一般選抜も含めて、志願者が集まる大学と集まりにくい大学の二極化が進んでいる状況です。

国公立大一般選抜の入試結果分析

中期・後期日程の志願者は減少

国公立大一般選抜の志願動向をみると、国公立大入試の中心である前期日程では志願者・合格者数とも前年から大きな変化はみられませんでしたが、中期・後期日程をみると志願者が減少しました<図表3>。共通テストが難化したことで、中期・後期日程の出願を見送った受験生が一定数いたものと思われます。後期日程は倍率(志願者÷合格者)が8.0倍となっていますが、例年後期日程は志願者の6割以上が欠席しています。実際の倍率は見かけほど高くないため、最後まであきらめないことが大切です。

<図表3>国公立大入試 一般選抜の入試結果
<図表3>国公立大入試 一般選抜の入試結果

地区別にみると、北海道・九州を除き、志願者の減少が目立ちます。特に、ここまで4年連続で志願者が増えていた首都圏、近畿も今年は減少に転じています。首都圏、近畿では私立大専願に切り替えた受験生が例年より多かったと思われます。

難関大は理系で志願者減、東大・京大は前年並みの志願者数に

国立難関10大学の動向をみると、志願者数の増加が目立ったのは北海道大、一橋大、大阪大です<図表4>。一方、減少が目立ったのは東京科学大、名古屋大、神戸大、九州大です。東京科学大は減少率が高くなっていますが、理工系で第1段階選抜の予告倍率を引き下げたことが主な要因です。東京大、京都大はともに前年比99%と前年並みとなりました。東京大は前年度入試で第1段階選抜の予告倍率が引き下げられた影響で志願者が大きく減少しており、今後も予告倍率に変化がない限り志願者数は同程度で推移するとみられます。京都大は前年度入試まで4年連続で増加し、今春もその水準を維持しています。近年の増加を支えているのは他地区からの志願者によるもので、特に関東以北出身の志願者が増加しています。

<図表4>国公立大 難関10大学の志願状況
<図表4>国公立大 難関10大学の志願状況

文理別にみると、文系学部では前年比102%と前年より増加、理系学部は96%で減少しています。理系志願者の減少が今春の特徴です。<図表5>は、難関10大学の学部系統別の直近5年間の倍率推移です。比較的高めの倍率で推移しているのが医学科と理・農学系です。2026年度入試はどちらもやや低下し、少し合格しやすくなりました。社会科学系はほぼ横ばいですが、わずかに上昇傾向にあります。工学系は2025・26年度の2年間で倍率が低下しました。この5年間で見ると、文系では倍率の変化は小さく、理系で年により動きが出やすいことがわかります。

<図表5>難関10大学 学部系統別の倍率推移
<図表5>難関10大学 学部系統別の倍率推移

医療系の志願者が減少、不人気傾向続く

最後に国公立大全体の系統別の状況について見ていきます<図表6>。文系では「法」「経済」系で志願者がやや増加しました。理系では「工」で増加したほか、「理」「農」も前年並みの志願者を集めました。文理とも極端な志願者の動きはみられませんでした。一方、注目したいのは医療系の志願者の減少です。「医」は前年比95%、「薬」「看護」は同94%などすべての分野で志願者が減少しました。今春は医療系が不人気だったと言えそうです。

<図表6>国公立大 学部系統別の志願状況
<図表6>国公立大 学部系統別の志願状況

<図表7>は過去10年間の系統別の志願者数の推移です。工学系はここ数年、志願者数が横ばいでしたが、今春入試では増加に転じました。社会科学系も直近2年の志願者増が目立ちます。一方、医療系は、今春の志願者減が目立つだけでなく、この10年間でみても減少傾向にあります。教育系も同様で、不人気の様相を呈しました。

<図表7>国公立大 学部系統別の志願者数推移
<図表7>国公立大 学部系統別の志願者数推移

私立大一般選抜の入試結果分析

志願者増、合格者減で倍率上昇

私立大一般選抜の志願者は前年比110%と大きく増加しました<図表8>。河合塾の調査では今年度も一人当たりの受験校数が増加しており、例年より手厚く併願校を検討した受験生が多かったようです。一方で合格者数に目を向けると、前年比95%と減少しており、全体的に倍率が上昇しています。

<図表8>私立大 一般選抜の入試結果
<図表8>私立大 一般選抜の入試結果果

大学グループ別に見ていくと、首都圏では特に「日東駒専」「首都圏その他大」で合格者の減少幅が大きく、倍率が上昇しています。近畿圏では、2つの大学グループよりも「近畿圏その他大学」で増加率が高くなりました。上位の大学を狙う受験生の滑り止めとして、また少し背伸びをして右にあるようなグループ大を狙う受験生の出願先として、受験しやすい方式を増やしている大学が多いこのグループが選ばれたようです。

高成績層も受験校の幅を広げたか

今春入試における志願者増の大きな要因として併願校を増やした受験生の増加が挙げられますが、その詳細について見ていきます。

<図表9>は大学グループ別受験者の併願先状況をまとめたものです。「早慶上理」の受験者では、同じ「早慶上理」の別の大学を併願した割合が昨年から5%増えています。また、MARCHを併願した割合は3%増であるのに対し、成成明國武を併願した割合は昨年から12%も増加しています。「MARCH」受験者も同様に、「成成明國武」を併願した割合が7%増えています。成成明國武では、今春は「早慶上理」「MARCH」との併願が強まりました。首都圏に限らず、全国的にも同様のケースが見られます。

今春は高成績層も受験校の幅を広げた様子がうかがえます。

<図表9>私立大 グループ大別併願先受験状況
<図表9>私立大 グループ大別併願先受験状況

合格者減の主な要因

今春の合格者減には、大きく2つの要因が挙げられます。

1つめは一般選抜以外で入学者を早めに確保できた大学が、一般選抜の合格者数を抑えたケースです。総合型・学校推薦型選抜で一定数の入学者を確保すると、収容定員管理の観点から、一般選抜の入学者数を増やしにくくなります。その結果一般選抜の合格者数を減らす大学がありました。

2つめは収容定員超過の調整で入学者数を絞ったケースです。学生数が収容定員を大きく上回ると、補助金減額・不交付や学部新設の申請ができないなどのペナルティにつながるため、入学者を減らすことで学生数を調整する大学が出てきます。総合型・学校推薦型選抜でも合格者を減らしています。

出願より前の段階で総合型・学校推薦型選抜の合格者・入学者の状況を把握するのは難しい場合もありますが、「近年、総合型・学校推薦型選抜を拡大している、または合格者数が増えている」または「収容定員充足率が高止まりしている」などの要素のある大学は一般選抜で合格者を絞り込む可能性があると言えるでしょう。

文系学部を中心に志願者増

<図表10>は学部系統別の志願状況です。文系はいずれの系統も前年から1割以上増加しており、全体的に高い人気を示しています。特に「法・政治」は前年比115%と増加が目立っています。

<図表10>私立大 学部系統別の志願状況
<図表10>私立大 学部系統別の志願状況

理系では「理」「工」の増加率は私立大全体に比べると小幅にとどまりました。とはいえ、直近10年でみれば増加傾向にあり、人気は続いていると言えるでしょう。「農」は113%と大きく増加しました。

医療系は「歯」で増加率が高くなっていますが、「医」「薬」はそれほどではありません。また、「看護」は99%と前年並みでした。医療系の人気は落ち着いていると言えそうです。

なお、今春も多くの私立大で学部・学科が新設されました。新設学部・学科は志願動向をつかみにくいところですが、「都市部の大規模大」×「イメージが分かりやすい学部・学科名称」であるところは倍率が高くなる一方、そうでないケースは既存の学部・学科と比べると、倍率が低くなる傾向にあります。立教大(環境)や立命館大(デザイン・アート)などでは既存の学部より倍率が高くなりました。逆に大学の知名度が高くても学部・学科の名称がイメージしづらい場合、既存の学部より倍率が低くなる傾向にあります。

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