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    公開日
  • 2026年04月15日
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総合型・学校推薦型選抜での
面接必須化
賛成7割も地域による差

総合型・学校推薦型選抜での面接必須化が検討されている。河合塾では、高校・中等教育学校(以下、高校)・大学等の教職員へのアンケートを実施。河合塾教育研究開発本部 近藤治主席研究員のコメントとともに、アンケートの結果を紹介していく。

総合型・学校推薦型選抜での面接必須化検討

総合型・学校推薦型選抜では、小論文・面接・出願書類などと組み合わせることを条件に、2月1日よりも前に学力試験を実施することが認められている(注)。しかし、中には学力試験の配点割合が大部分を占める入試もあり、懸念の声が上がっていた。

そこで、文部科学省では、総合型・学校推薦型選抜での面接必須化を検討している。6月ごろに正式な発表がされる予定だ。

面接などを課さない総合型・学校推薦型選抜をすでに実施している大学には、2年の移行期間が設けられ、2028年度(令和10年度)に実施される入試から、すべての大学に新ルールが適用される見込みだ。

(注)詳細は次の記事を参照。

年内の学力試験容認へ 2026年度入試から| 河合塾レポート

面接必須化は選抜の趣旨を踏まえた変更

今回の変更は、高校現場の意見も踏まえ、大学入学者選抜実施要項を遵守させる狙いがあると思われます。ただし、現時点でも大半の総合型・学校推薦型選抜で面接が課されています。面接必須化の影響を受けるのは一部の大学に留まるでしょう。

面接を実施する場合は、進学の意志や志望動機、入学後の学修計画などを丁寧に見取るような、本来の趣旨に合った運用をしていただきたく思います。多くの受験生に対して面接を実施するために、短時間で形式的に実施するようなことがないか懸念しています。

そもそもの問題は、併願可能な総合型・学校推薦型選抜が拡大してきたことにあると考えています。特に学校推薦型選抜は本来、第一志望の受験生のための選抜であり、合格時に入学を確約することが前提です。

正式発表は6月ごろとされていますが、学力試験中心の方式を是正することを目的とするのではなく、高校・大学の意見も踏まえながら、総合型・学校推薦型選抜の趣旨に立ち返った検討を期待します。

一方で、アンケートにも表れているように、地域によっては大きな影響を及ぼすことが考えられます。受験生を混乱させることがないよう、十分な準備がなされることを望みます。

学校法人河合塾教育研究開発本部 近藤治主席研究員

学校法人河合塾教育研究開発本部 近藤治主席研究員

7割前後が賛成も地域による差

「総合型・学校推薦型選抜での面接必須化」についての賛否を聞いたところ、高校・大学ともに7割前後が、「賛成」「どちらかといえば賛成」と回答し、大きな傾向の違いは見られなかった<図表1>

地域別に見ると、高校・大学ともに「反対」 「どちらかといえば反対」と回答する割合が高かったのは、「近畿」だった<図表2>

<図表1>面接必須化への賛否
<図表1>面接必須化への賛否_高校
<図表1>面接必須化への賛否_大学

*教育委員会職員1件を含む

  • 総合型・学校推薦型選抜での面接必須化に関するアンケートを基に河合塾で作成
<図表2>面接必須化への賛否 地域別
<図表2>面接必須化への賛否 地域別_高校
<図表2>面接必須化への賛否 地域別_大学

*教育委員会職員1件を含む

  • 総合型・学校推薦型選抜での面接必須化に関するアンケートを基に河合塾で作成

選抜の趣旨は重要である一方、負担増に懸念

賛成理由としては、選抜の趣旨を踏まえた複数の観点からの実施を求める意見が挙がり、反対理由としては、受験生・大学双方の負担増や、面接の現実的な実施可能性への疑問などが挙がった。

具体的な記述は下記をご覧いただきたい。

〇賛成

  • 基礎学力型は増加したが、学力のみを合否の判断基準にするならば、単純に早期化した一般選抜になってしまい、大学の負担増にはなるが学力以外の複数観点も加えた総合的な判断が望ましいと考えるから。(高校、私立、関東甲信越)
  • 推薦入試や総合型入試というのは、本来その学部に対する熱意などが問われるべき。実質的な「年内一般入試」化する傾向があったので、ありがたい。そもそも推薦・総合型の定員を増やしすぎ。(高校、公立、中国・四国)
  • 学力検査や提出資料だけでは、情報が不足している。入学後のアンマッチを減らすためにも人数が多いのであれば2段階選抜をしてでも良いので、面接に限らず対面での評価を追加すべきである。(大学、私立、東海・北陸)
  • 総合型選抜・学校推薦型選抜の趣旨を踏まえると、人物重視の選考を行う必要があると考える。提出書類のみでは十分な評価を行えないと思いますので、面接を行うことでしっかりと評価を行う体制を整備すべきと思います。(大学、国立、近畿)

〇反対

  • 学業以外の負担が増え、不合格だった際に一般入試に向けておおいに出遅れる。(高校、公立、東海・北陸)
  • 本来の総合型選抜・学校推薦型選抜の趣旨からすれば、面接必須化は当然のことであると考えるが、高校現場で指導している者とすれば、面接指導の負担増大には耐えかねるため。(高校、公立、近畿)
  • 本学は小規模大学なので現在も実施しておりますが、志願者の多い大学はどのように実施したらよいか、懸念があります。(大学、私立、関東甲信越)
  • 理由は3つ。1つ目は受験生の負担が増える(対策に加えて受験当日も拘束時間が長時間になる場合もある)という点、2つ目は高校現場での対策への対応が煩雑になるのではないかという懸念、3つ目は大学側での評価が面接者の個性や相性に影響される懸念があり、公平性が担保できないのではないかという懸念があるためです。(大学、私立、近畿)

総合型・学校推薦型選抜での面接必須化に関するアンケート 実施概要

  • 実施期間:2026年4月3日~2026年4月12日
  • 実施方法:Webアンケート
  • 調査対象:全国の高校・中等教育学校・大学等教職員
  • 回答件数:196件
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