大学入試の仕組みを理解しよう!拡大する総合型選抜と学校推薦型選抜

一般選抜と並ぶ入試方法が「総合型選抜」と「学校推薦型選抜」です。実際にどれくらいの人が入学しているのか?スケジュールや選考方法はどうなっているのか?など、それぞれの入試について見ていきましょう。

利用者が増える総合型・学校推薦型選抜

総合型・学校推薦型選抜は、親世代の受験生時代に比べて入学者が増えていて、現在は国公立大学で約2割、私立大学で約6割の学生が、総合型・学校推薦型選抜で入学しています(文部科学省「令和7年度国公私立大学入学者選抜実施状況」)。

総合型選抜と学校推薦型選抜は「年内入試」と呼ばれることもあり、スケジュールも一般選抜より早いため、高校2年生のうちから準備することが大切になります。それぞれの入試方法について、詳しく見ていきましょう。

総合型選抜 学校推薦型選抜
出願条件 学校長の推薦 不要 必要
学業成績基準 なしが多い あり
求められること 明確な目的意識・高い学習意欲など 学業成績・活動実績・意欲など
スケジュール 出願開始 9月1日以降 11月1日以降
合格発表 11月以降 12月以降

総合型選抜

なぜこの大学で学びたいのかが問われる

総合型選抜は、エントリーシートや志望理由書などの書類審査と、面接・プレゼンテーションなどの評価を通して、受験生の能力・適性や学習意欲を総合的に評価する入試方法です。

選考方法には、志望理由書など受験生本人が作成する資料と面接に加えて、学科試験や共通テスト、小論文・実技や資格・検定試験などから1つ以上を必ず活用することとなっています。他の入試方法に比べ、「高い学習意欲」「学びへの明確な目的意識」が重視されるため、選考方法もその点を評価する内容となっています。

志望理由書など、面接必須。学科試験、小論文、実技、資格・検定試験から1つ以上選択

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総合型選抜の主な選考パターン

選抜型
小論文やレポート、長文の志望理由書や自己推薦書などを課してその内容をもとに面接するなど、受験生の負担も大きいパターン。国公立大学や難関大学の選考方法で多く見られる。
対話型
エントリーシートや正式出願を通して、複数回の面談・面接を行い、人物評価や学ぶ意欲、志望動機などを重視するパターン。私立大学の選考方法で多く見られる。
実技・体験型
入試プログラムの中に、模擬授業やセミナー、模擬実験などが含まれ、その参加が出願条件となるパターン。提出したレポート・課題などをもとに選考を行うことが多い。

国公立大学:選抜型が中心で易しくはない

国公立大学の総合型選抜では、出願条件に学業成績基準(評定平均)を設定していない大学も多く、既卒生も出願できるなど、学校推薦型選抜よりも条件は緩やかな場合が多くなっています。ただし、大学により「英検®2級以上などの有資格者」「全国コンテストの上位入賞者」といった条件が加わる場合もあります。

選考方法は、一次選考:書類審査、二次選考:面接(プレゼンテーションなどを含む)・小論文といった「選抜型」が一般的です。ほかに、セミナーや模擬講義などに参加してレポートを作成したり、基礎学力を測るため共通テストを課す大学も増えています。

一次選考:志望理由書など 二次選考:面接、小論文、実技、学科試験、資格・検定試験など

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私立大学:対話型が多いが、難関大学では選抜型も

私立大学の総合型選抜は、出願条件・選考方法ともにバラエティに富み、大学によりかなり違いがあります。

難関大学では、出願条件が全体的に厳しく、優秀な学力や秀でた能力が重視されるケースが多く見られます。選考方法は、一次選考:書類審査、二次選考:小論文・面接といった「選抜型」が一般的です。書類審査が厳しいため、出願者の多くがここでふるい落とされます。加えてセミナーや模擬講義受講のほか、プレゼンテーション、グループディスカッションなどを組み合わせ、時間をかけた選考を行う点が特徴です。

一方、多くの大学で見られるのが「対話型」です。エントリー後に事前・予備面談なども含め複数回面談を行い、大学から出願を許可されると、合格内定を得ることができます。このパターンでは、大学・学部への適性や学びに対する意欲がより一層重視されます。

準備の労力は相当なもの。早めの準備が大切

このように総合型選抜は、書類審査に求められる水準が高く、受験準備の労力は相当なものになります。安易な受験は禁物です。

また、他の入試方法より早めに実施されるため、早い時期に志望校を決めなくてはなりません。総合型選抜の受験を考えている人は、高校2年生ぐらいから、自分の進路・適性をしっかりと考えた上で対策していきましょう。

学校推薦型選抜

まずは出身学校長の推薦が出発点になる

学校推薦型選抜は、出身高等学校長の推薦に基づき、調査書を主な資料として評価する入試方法です。出願にあたっては、「調査書の学習成績の状況4.3以上」「2浪まで」といった出願条件が設けられている場合もあり、誰もが出願できるわけではありません。

学校推薦型選抜には、大きく「公募制」と「指定校制」の2種類に分けられます。

公募制 指定校制
対象 大学の出願条件を満たし学校長の推薦を得た生徒 大学が指定した高校の生徒のみ
実施校 国公立大学/私立大学 主に私立大学
専願/併願 大学による(専願・併願どちらでも) 原則専願
人数条件 1校からの推薦上限あり(国公立大学、医学科など) あり

「公募制」は、出身高等学校長の推薦があり大学の出願条件をクリアすれば受験できます。「指定校制」は、大学が指定した高校の受験生であれば受験できますが、私立大学が中心で、国公立大学ではほとんど行われていません。近年、公募制では、第一志望以外の大学にも出願できる「併願制」の大学も増えていますが、指定校制では合格した場合は入学を確約するいわゆる「専願制」となっています。

選考方法として、公募制・指定校制ともに、学科試験・共通テスト、小論文・実技や資格・検定試験などから1つ以上を必ず活用することとなっています。また、指定校制など専願制を除き、面接が原則必須となっています。

面接必須、学科試験、小論文、実技、資格・検定試験から1つ以上選択

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国公立大学:厳しい成績基準と人数制限

国公立大学では、全体の9割以上が学校推薦型選抜を行っています。近年は東京大学や京都大学など、難関国立大学でも広がりを見せています。共通テストを課す場合と課さない場合の2タイプに分けられ、入試日程も大きく異なっています。

ただし、国公立大学は、私立大学に比べて募集人員が少なく、出願条件に「学習成績の状況4.0以上」など厳しい成績基準を設ける大学のほかに、一つの高校からの推薦人数を制限する大学もあるため、出願前に校内選考が行われるケースも少なくありません。

選考方法は、小論文など受験生自らの考えに基づき論を立てて記述させるものや、プレゼンテーション、口頭試問、実技、学科試験、資格・検定試験の成績、共通テストなど、学力を確認する評価が必須となっていて、国公立大学では共通テストを課す大学が多くなっています。また、「小論文」を課す大学も多く、学科に関連した専門知識を問われることも珍しくありません。

私立大学:入学者の約4割が学校推薦型選抜で

私立大学では、入学者の約4割が学校推薦型選抜で入学しています。出願条件は国公立大学ほど厳しくなく、なかには成績基準を設定していない大学もあります。

選考方法はさまざまで、小論文や適性検査、面接、基礎学力試験、調査書や活動報告書などの書類を組み合わせて行われています。近年、大学独自の学科試験を課す大学も増えています。

多様化する学校推薦型選抜

私立大学では、一般選抜と同様に多様な選考が行われています。

スポーツ推薦

スポーツに秀でた学生獲得を目的とする選考。高校時代の競技成績が出願基準

有資格者推薦

英検®やケンブリッジ英語検定など民間の英語資格・検定試験、日商簿記など技能を持つ受験生を優遇

課外活動推薦

生徒会活動や部活動、地域・社会奉仕活動などで活躍した人を対象とする選考。コンクールや競技大会での秀でた実績を出願要件とする大学も少なくない

コラム:総合型選抜・学校推薦型選抜で広がる「〇〇枠」
総合型選抜や学校推薦型選抜の中には、特定の条件を満たした受験生や、大学卒業後の進路に条件を設けることに同意した受験生のみが出願できる「〇〇枠」を設置する大学がいくつかみられます。
なかでも主に医学科でみられるのが、出身地域に制限を設ける「地元出身枠」や、卒業後の勤務地などに制限を設ける「地域枠」です。地域によっては医師不足が深刻となっており、将来地元に残って活躍する医師の育成が地域の課題となっているからです。そのため、地域枠で合格・入学すると、卒業後に特定の地域で医師として働くことを条件に奨学金が受給できるといった例も少なくありません。
近年は、理工系学部を中心に対象を女子受験生に限る「女子枠」を導入する大学が増えています。背景として、理工系学部をはじめとした理系分野では、女性割合が極端に低いなど多様な学生の確保が課題となっていることが挙げられます。東京科学大学や京都大、名古屋大学といった難関国立大学でも導入が進んでいます。

スケジュール

総合型・学校推薦型選抜は、一般選抜より早めのスケジュールとなります。国公立大学では合格発表が主に年明けで、年内にすべて終わるわけではないものの、下の図を参考にいつから何を準備すべきかを具体的にイメージしておくことが大切です。

総合型選抜の主なスケジュール
総合型選抜の主なスケジュール。国公立大学共通テストなしは、9月出願・一次選考、10月二次選考、11月合格発表。共通テストありは、9月出願・一次選考、10月二次選考、1月共通テスト、2月合格発表。私立大学は、9月出願・選考、11月合格発表。

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学校推薦型選抜の主なスケジュール
学校推薦型選抜の主なスケジュール。国公立大学共通テストなしは、11月出願・選考、12月合格発表。共通テストありは、11月出願・選考、1月共通テスト、2月合格発表。私立大学は、11月出願・選考、12月合格発表。

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大学の選考内容

各大学の選考内容・出願条件・募集人数は大学ごとに大きく異なります。同じ「総合型選抜」でも、大学によって求めるものはまったく違います。「自分が志望する大学はどんな選考をしているのか」を早めに確認することが、準備の第一歩です。

総合型選抜・学校推薦型選抜検索から、気になる大学の選考方法を調べてみましょう。

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