受験期の親子関係親子の話し合い~子どもの考えを知り、親の考えを伝える
大学受験に際し、親の考えを伝えることは大切です。人生の先輩である親の意見は、進路決定の重要な参考になるでしょう。しかし、親の考えだけを押しつけてはいないか、注意することは必要です。子どもも一方的に言われるだけでは素直に従えるものではありません。アドバイスをするにしても、まず子どもの考えをじっくり聞いてやることが大切です。自分の考えも尊重されていることが分かれば、お子様も心を開くのではないでしょうか。
話し合いのなかでも欠かせないのは費用面についてです。大学進学にかかる費用は、多くの場合、家計をかなり圧迫します。子どもも充分、親に負担をかけているという自覚を持っているようです。子どもに心配させまいと、学費について一切話し合いをしないのは考えものです。
受験生の回答には、「受験に必要な経費を伝えるたびに嫌そうな顔をされた。見ているこっちが辛くなった」などというものがありました。不快感がつい顔に出てしまうのも、家庭の経済事情を子どもが理解せず、協力もしてくれないという親の思い込みが要因となってはいないでしょうか。親がストレスを溜めてしまっては逆効果です。
国公立大・私立大のどちらに進学するか、地元の大学か、親元を離れて一人暮らしをするのか。子どもの進路選択によって、家庭の出費は大きく変わってきます。なるべく早い時期に、親の希望や家庭の経済状況を子どもに伝え、奨学金や給費生制度の活用も含めて、きちんと話し合いをしておきましょう。
- 保護者アンケートより受験について話題になったこと
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※保護者アンケート:2024年4月実施
大学進学・受験に関してお子様と話し合いをしましたか? - ★国公立を第一志望のため、国公立は息子が決め、私立の併願先、入試方式などは、一緒に考えた。(長野県 N・Iさん)
- ★志望校選定(通学時間などを考慮に入れて受験校の候補を挙げるなど)、入試直前期、入試当日の過ごし方、入試当日の持ち物、服装などのアドバイス。(埼玉県 N・Yさん)
- ★塾の授業の様子や学習の進捗状況、学校の先生や友達から得た受験情報など。(東京都 N・Yさん)
- ★将来やりたいことが明確ではなかったので、大学でどんなことを勉強したいかをメインに志望校を決めました。(神奈川県 N・Sさん)
- ★進学先の偏差値と本人の実力がどこまで合っているのか、近づけられるのか。(東京都 N・Tさん)
- ★志望校について、入学後の大学生活について。(神奈川県 M・Yさん)
- ★第一志望と、それに次ぐ第二志望の候補の検討と絞り込み。出願手続きや、受験本番での移動と宿泊の段取り。(兵庫県 N・Hさん)
- ★国公立か私立か、学部はどこが希望か、進学後にかかる費用、我が家で対応できる範囲について。(東京都 N・Nさん)
- ★総合型選抜 一般選抜の受験内容、大学の雰囲気。(大阪府 K・Mさん)
- ★私立大学を受験するか否か。滑り止めの大学に、学びたい内容があるか。やりたい部活を、地元の大学で続けるのと、県外の大学で続けるメリット、デメリットなど。(宮城県 A・Yさん)
- ★どのような目的で大学に進学するか、希望学部が決まってからは通える範囲の大学を調べ、どこを第一希望にするか、そのためのオープンキャンパスへの参加、また入試方式、様々な費用についてよく話をしました。(愛知県 K・Hさん)
- 受験期の親子関係
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- まず親が無理をしない
- 励ましの言葉はタイミングよく~一歩譲って冷静に
- 親子の話し合い~子どもの考えを知り、親の考えを伝える
- あまりに無知・無関心は考えもの~ある程度の情報収集は必要