受験期の親子関係励ましの言葉はタイミングよく~一歩譲って冷静に
がんばっている子どもに励ましの言葉をかけたくなるのが親心というもの。しかし、この励ましが子どもにとってかえってプレッシャーになることもあるようです。
「必要以上にアドバイスをしてくること。受験校の決定時など、両親の意見を遠回しに言われていることが分かったので、それはやめてほしかった。」(慶應義塾大薬学部 Momongaさん)
個人差はあるでしょうが、よかれと思った励ましの言葉が、受験期の子どもに重く響いてしまうこともあるようです。また、「勉強しなさい」の一言もなかなか難しいものです。勉強しなくてはと自分でも思っているところに親からうるさく言われてやる気がなくなってしまった、といった声は毎年よく聞かれます。
どんな言葉も大切なのはタイミング。まるで口癖のように「がんばれ」「勉強しろ」と言われ続けたら、子どももうんざりしてしまいます。
まずは子どもの努力を認めること。そして、努力が結果となって表れた時には褒める。うまくいかなかった時にはさりげなく次のチャンスに目を向けるよう示唆する、といった態度が望まれます。
熱心な親によくありがちなのが、受験生本人より受験にのめり込むといったこと。
「滑り止めの大学に落ちて、まだ本命校の受験が残っていたにも関わらず後期受験を示唆されたこと。」(明治大商学部 ねこ助さん)
主役はあくまでも受験生本人。親は子どもの様子によく注意しながらも、温かく見守りたいものです。
ほかに気をつけたいのは、「大丈夫なの?」「こんな点数しか取れなかったの?」「(合格が)早く決まらないの?」「また落ちたらどうするの?」など、自分の不安をそのまま子どもにぶつけてしまう言葉。今更どうにもならないことや、答えようのない問いかけをされても子どもは困るばかりです。
また、「もう知らない!」など、感情に任せてつい言ってしまった言葉や、「良い大学に入ってくれなきゃ親戚に恥ずかしいじゃない」など自分の都合を押しつけるような言葉も、子どもは反感を覚えます。
長い受験期、たまには親子ゲンカもあるでしょうが、親としては一歩譲って冷静になりたいものです。
- 保護者アンケートよりお子様につい言ってしまって後悔していること
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※保護者アンケート:2024年4月実施
- ★「やる気がないのなら、進学などやめてしまえ!」と感情的に言ってしまったこと。(千葉県 J・Hさん)
- ★テストの成績がよくなかったときに、次成績上がらなかったら部活なんかやめろ、と父親が言ってしまった。(山形県 Y・Kさん)
- ★はやくやりなさい!お母さんやっとこうか?など自主性をうばう声がけ。(愛知県 Y・Iさん)
- ★模試の判定で悪い結果が続いたときに、本当に受かるのか?聞いてしまった。(千葉県 R・Nさん)
- ★仕事で疲れてイライラしてしまい、自分だけ大変だと思わないで、と言ってしまったこと。(北海道 E・Sさん)
- ★塾から帰ってゆっくりしているのだと分かっていながら、勉強しなくて大丈夫なの?とつい言ってしまった。(埼玉県 H・Yさん)
- ★私立大学理系は学費が高い、と言ってしまったせいで、進学する大学を決定する際に悩ませてしまったかもしれない。(愛知県 C・Fさん)
- ★つい進路のことで口を出し、余計なアドバイスをすることで、結果的に親の希望で子どもをコントロールしようとしてしまっていたこと。(東京都 N・Kさん)
- ★講習受講など、常に親が先に提案し、本人は受講したが、自分の力にするためではなく、親にやらされていると、受験全体への主体性をそぐ親の言葉がけばかりしてしまったと思う。(広島県 A・Mさん)
- ★勉強方法が効率悪く見えるので自分の受験勉強の経験談を話すと30年前と今とでは違うのだから余計なことを言わないでほしいと言われた。(愛知県 Y・Tさん)
- ★成績優秀な友人のことを話題にしてしまい、比較されたと感じさせてしまったと思うので、気をつけた方がよかった。(宮城県 M・Aさん)
- ★このままでは落ちるよ、など脅しにかかった言葉。息子に言葉が響くことはなく、関係が悪くなるのみだった。(兵庫県 Y・Aさん)
- ★勉強量の少なさに、つい就職を促したことや、つい兄弟と比べてしまったことです。が、何度も繰り返してしまいました。(奈良県 M・Uさん)
- 受験期の親子関係
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- まず親が無理をしない
- 励ましの言葉はタイミングよく~一歩譲って冷静に
- 親子の話し合い~子どもの考えを知り、親の考えを伝える
- あまりに無知・無関心は考えもの~ある程度の情報収集は必要