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2020年度入試を振り返る国公立大 全体概況

国公立大志願者数 前期日程は過去最少

<図表1>は、国公立大一般入試の入試結果をまとめたものです。国公立大入試の中心である前期日程の志願者数は、243,103人(前年比94%)と大きく減少しており、前期日程としては過去最少となりました。各大学の志願者数をみても、多くの大学で過去10年、20年で最少となりました。また、全体の志願者は減少しましたが、前年入試で倍率1倍台の学部や学科では志願者は前年比117%と大きく増加しており、受験生が合格する可能性が高そうな大学に出願する様子がうかがえました。

後期日程は、志願者数165,086人(前年比92%)と大幅に減少しました。前述のとおり、センター試験の平均点はダウンしており、前期日程に比べボーダーラインが高い後期日程を受験生が敬遠したと考えられます。一方で合格者数は22,986人(前年比102%)と増加しました。これは新型コロナウイルス感染症の影響により、北海道内の大学を中心に8大学が試験を中止、例年以上の合格者数を出したためです。この8大学を除けば合格者数は前年並みでした。

<図表1>国公立大 入試結果
日程 募集人員 志願者数(A) 合格者数(B) 倍率(A/B)
2020 前年比 2020 前年差 前年比 2020 前年比 '19 '20
前期 80,124 100% 243,103 -15,437 94% 90,980 100% 2.8 2.7
中期 2,355 102% 31,426 -261 99% 4,735 93% 6.2 6.6
後期 17,739 99% 165,086 -14,527 92% 23,021 102% 8.0 7.2
100,218 100% 439,615 -30,225 94% 118,736 100% 4.0 3.7
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※河合塾調べ

※分離・分割方式ではなく独自日程で実施されている大学は上表には含まれない

<図表2>は、近年の国公立大前期日程志願者数の推移です。現行教育課程の入試へと移行した2015年度以降の志願者数は26万人弱で推移していましたが、今春の志願者数は大きく減少したことがみてとれます。倍率も近年2.8倍で推移してきましたが、今春は2.7倍にダウンしました。競争緩和した様子がみてとれます。

<図表2>国公立大(前期日程) 志願者の推移
<図表2>国公立大(前期日程) 志願者の推移

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学部系統別の状況 社会科学系・医療系で志願者減が目立つ

<図表3>は、国公立大の志願状況を学部系統別に集計したものです。国公立大全体で志願者が減少したこともあり、「総合・環境・情報・人間」を除く全系統で、志願者が減少しました。文系ではとくに「社会・国際」「法・政治」「経済・経営・商」といった社会科学系で志願者の減少が目立ちました。このうち「経済・経営・商」は前年に続き志願者が減少しています。

理系では「理」「工」ではほかの系統に比べ減少率が小幅、「農」も国公立大全体の減少率と同率になっており、文系に比べ、人気を保っています。

「医療」系では、医、歯、薬、看護学で志願者が1割近く減少しました。なかでも、医学科では6年連続で志願者が減少しました。医学科では前年から2割以上減少した大学が散見され、中には半数近く志願者が減少した大学もみられており、人気の低迷が続いています。

志願者が増加した「総合・環境・情報・人間」では、今春、福知山公立大(情報)や長崎大(情報データ科学)の学部新設があった「情報」分野で志願者が増加しました。ただし、既存の学部では志願者が減少した学部も目立ちました。「情報」分野は模試段階では高い人気を示していましたが、最終的には難化が警戒されたようです。

<図表3>国公立大(前期日程) 学部系統別志願状況
<図表3>国公立大(前期日程) 学部系統別志願状況

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難関大 極端な敬遠の動きはみられず

<図表4>は、旧帝大を中心とした難関10大学の志願状況をまとめたものです。難関10大学全体では、前期日程の志願者数は55,211人(前年比95%)と減少しました。国公立大全体の減少率と比べると減少率は小幅で、受験生が極端に難関大を敬遠した様子はみられませんでした。難関10大学の中でも、東京大、京都大、大阪大は概ね前年並みの志願者が集まりましたが、東北大や東京工業大では前年から1割ほど減少しており、大学間で差がみられました。難関10大学のうち7大学で前期日程の志願者数が過去10年で最少となりました。また、そのうち東北大、一橋大、神戸大の3大学では、過去20年で最少になるなど、競争緩和の様子は難関大の中でも色濃く表れました。

東京大では、文科類で文科一類が4年連続で志願者が増加した一方、文科三類では4年連続で志願者が減少しており、対照的な動きがみられました。理科類では、理科一類、理科三類の志願者数は概ね前年並みでしたが、理科二類は減少しました。

京都大では、文系学部では前年入試で志願者が減少した経済学部、法学部で、前年を上回る志願者が集まりましたが、文学部や総合人間学部では志願者が減少しました。理系学部では、同じく前年入試で志願者が減少した工学部で志願者が増加しましたが、理学部や農学部、医療系学部では志願者が減少しました。

後期日程全体の志願者数は13,599人(前年比94%)と減少しました。大学別にみても、東京工業大を除き、志願者は軒並み減少しました。京都大では法学部のみ特色入試として後期日程を実施していますが、志願者数は前年比68%ととくに減少が目立ちました。

難関10大学の個別の状況の詳細については、主な大学の分析をご参照ください。

主な大学の分析

<図表4>国立難関10大学 志願状況
大学名 前期日程 後期日程
2019 2020 前年差 前年比 2019 2020 前年差 前年比
北海道 5,843 5,474 -369 94% 4,498 4,278 -220 95%
東北 4,813 4,384 -429 91% 1,439 1,354 -85 94%
東京 9,483 9,259 -224 98%
東京工業 4,222 3,790 -432 90% 497 512 +15 103%
一橋 2,687 2,490 -197 93% 1,123 1,075 -48 96%
名古屋 4,736 4,422 -314 93% 67 55 -12 82%
京都 7,511 7,347 -164 98% 514 352 -162 68%
大阪 7,536 7,462 -74 99%
神戸 5,933 5,569 -364 94% 4,026 3,746 -280 93%
九州 5,239 5,014 -225 96% 2,309 2,227 -82 96%
難関10大計 58,003 55,211 -2,792 95% 14,473 13,599 -874 94%
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