化学基礎

共通テストに向けてどのような学習を行えばよいのか、河合塾講師からの学習アドバイスをご紹介します。また、共通テストの設問別分析や平均点の推移などをまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

河合塾講師からの学習アドバイス

化学基礎学習アドバイス

共通テストは、大問2題で構成され、第1問は化学基礎の全分野からの小問集合、第2問はある題材(2025年度は「空気に含まれる気体成分の発見と質量保存の法則」)に関する総合問題が出題されます。全体を通して、教科書に記載されている基本的な知識に関する問題が中心ですが、第2問では、資料やデータから必要な情報を読み取り、基本的な知識と組み合わせて解答に至る思考力を要する問題も出題されます。

1.基本事項を確実に身につけよう
共通テストでは、教科書に記載されている基本事項、知識を確認する問題が多く出題されます。また、思考力を要する問題も、基本的な知識を組み合わせて解いていきます。したがって、基本事項を確実に身につけることが何よりも重要です。教科書の章末のまとめなどを使って各項目の大枠をつかみ、それぞれについてより詳しい内容をまとめていくとよいでしょう。
さらに、教科書の章末問題や、センター試験や共通テストの過去問、全統共通テスト模試などを活用して、知識が確実に身についているかのチェックも必須です。
また、計算問題も計算式の立て方、考え方が理解できているかを、問題演習を通じて必ずチェックしましょう。
2.知識を組み立てる力をつけよう
問題文の中から情報を読み取り、教科書に記載されている基本知識や法則と照らし合わせて、解法の道筋を組み立てていく力も問われます。この力を養う方法の一つとして、全統共通テスト模試の活用があります。全統模試では主に第2問で、思考型の問題が出題され、考え方、解法の道筋が記載されています。また、教科書の実験や探求の項目では、情報の収集、実験計画の作成、結果の分析・考察の進め方が記載されています。必ず目を通し、そのプロセスを理解しておきましょう。

2025年度共通テスト「化学基礎」問題構成と設問別分析

問題構成

大問 分野 配点 マーク数 テーマ
1 物質の構成、物質の変化 30 10 原子の構造、物質の成分、元素の性質、化学結合、物質量、滴定曲線、酸と塩基の定義、酸化還元、化学反応と量的関係
2 物質の変化 20 9 化学反応式、酸素の性質、化学反応と量的関係、金属の性質
合計 50 19
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設問別分析

第1問
問1は、原子の中性子の数に関する基礎的な問題であった。
問2は、炭酸水素ナトリウムと塩化ナトリウムを区別する問題であり、化学反応、pH、炎色反応などの総合的な知識が必要である。
問3は、元素の性質(イオン化エネルギー、電子親和力)に関する正誤問題であった。
問4は、化学結合に関する基礎的な問題であった。
問5は、ドライアイスが昇華したときの体積を求める計算問題であった。
問6は、酢酸水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を滴下したときの滴定曲線を選択する問題であり、酢酸水溶液を希釈しても中和点までに必要な水酸化ナトリウム水溶液の滴下量が変化しないことに注意する必要であった。
問7は、ブレンステッド・ローリーの定義により、水が酸としてはたらいている反応を選択する問題であった。
問8は、酸化還元反応を選択する問題であった。化学反応式が与えられていないことから、受験生はやや戸惑ったであろう。
問9aは、炭水化物(組成式C6H10O5)の燃焼反応で生じるCO2とH2Oの質量の比を求める問題であった。bは、ジャガイモに含まれていたH2Oの質量を求める問題であり、やや難易度が高かった。
第2問
空気に含まれる気体成分の発見と質量保存の法則を題材とした総合問題であった。
問1aは、濃硝酸の分解反応について化学反応式の係数を求める問題であり、bは、酸素の性質に関する問題であった。
問2aは、水銀と酸素の反応に関する化学反応と量的関係の問題であり、bは、金属元素の単体および酸化物の反応性を問う問題であった。
問3aは、窒素の製法に関する化学反応の量的関係の問題であった。方眼紙を使ってグラフを作成すると過不足なく反応する点を求めることができる。bは、混合気体中のアルゴンの体積百分率を求める問題で、やや難易度が高かった。

共通テスト「化学基礎」平均点の推移

年度 2025年度 2024年度 2023年度 2022年度 2021年度
平均点 27.00 27.31 29.42 27.73 24.65
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  • 2021年度は大学入学共通テスト第1日程の平均点
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