地学

共通テストに向けてどのような学習を行えばよいのか、河合塾講師からの学習アドバイスをご紹介します。また、共通テストの設問別分析や平均点の推移などをまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

河合塾講師からの学習アドバイス

地学学習アドバイス

1.教科書の本文や図で地学現象を理解しよう
共通テストでは、地学現象に関する理解を問う知識問題、および、その知識を用いた考察問題が出題されています。問題に対応するためには、教科書の本文だけでなく、図や写真の解説も精読して、より深く現象を理解しておきましょう。
2.教科書の例題や全統模試の問題と解説を利用して考察問題の対策をしよう
共通テストでは、問題文や図・グラフから情報を読み取って考察する問題が、レポートや会話文、探究活動を題材として出題されることが予想されます。地学現象の特徴を示すグラフや地質図の読み取り、天文分野の計算問題などの考察問題に対応するためには、教科書の例題や共通テスト、センター試験の過去問、そして、全統模試の過去問の演習が有効です。特に、全統模試の解説には本番への重要なヒントが含まれているので、全統模試の解き直しを丁寧にしていくことで確実に力がついていきます。

2025年度共通テスト「地学」問題構成と設問別分析

問題構成

大問 分野 配点 マーク数 テーマ
1 総合問題 20 5 地学現象の測定・観測
2 固体地球 15 4 地磁気・うるう秒・走時曲線・マントル
3 岩石鉱物、地質地史 25 7 A 変成作用とマグマ
B 地質図
C 地球の生命と環境変動
4 大気と海洋 21 6 A 気象
B 海洋
5 宇宙 19 5 A 恒星の誕生
B 連星と系外惑星
合計 100 27
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設問別分析

第1問
地学現象の測定・観測に関する問題であった。問 1 は、スペクトルに関して、問題文の情報に基づいて正解を選ぶ考察問題であった。問 2 は、地磁気に関する考察問題であった。南磁極の地下には、地磁気の N 極があることに注意しなければならない。問 3 は、クリノメーターに関する知識問題であった。問4は、鉱物の晶出順序に関する考察問題であった。模式図ではなく白黒の写真から判断するため、一層注意深く図を観察する必要がある。問 5 は、上空の気象に関する考察問題であった。対流圏上層を吹く風は、冬の方が強いということが解答のポイントになる。
第2問
固体地球に関する問題であった。問 1 は、地磁気の変化に関する知識問題、問 2 は、うるう秒に関する知識問題で、どちらも基本的な内容であった。問 3 は、走時曲線に関する図を読み取る考察問題で、作図をして数値を導き出す、やや難しい計算問題であった。問 4 は、地震波トモグラフィーの図を読み取る考察問題ではあるが、問題文をよく読めば知識で解答を導くことができるため、やや易しい問題であった。
第3問
A は、変成作用とマグマに関する問題であった。問1は、鉱物の多形と接触変成岩に関する知識問題、問2は、マグマだまりとマグマの同化作用を問う知識問題で、ともに基本的な内容であった。B は、地質図に関する問題であった。問3は、地層の走向と断層面の傾斜の読み取り、および、示準化石と基底礫の年代から断層の活動時期を推定する考察問題で、地質図の基本的な読図の技能と示準化石や地質時代の年代の知識が必要とされる問題であった。問4は、地層、断層、岩脈の順序に関する考察問題で、地質図の読図の技能が問われる問題であった。問5は、放射性年代測定に関する知識問題であった。C は、地球の生命と環境変動に関する問題であった。問6は、生命や地球環境について述べられた文の下線部の正誤を判断する知識問題であった。問7は、第四紀の気候変動について述べられた文の正誤を判断する知識問題で、基本的な内容であった。
第4問
A は気象に関する問題であった。問 1 は、地上天気図に関する考察問題で、低気圧周辺の等圧線の入り方から新幹線の出発地と到着地を推定する問題であった。問 2 は、大気の気温減率と安定性に関する考察問題であった。湿潤断熱減率、乾燥断熱減率、大気の気温減率の関係を理解していれば比較的容易に選べたであろう。問 3 は、相対湿度に関する計算問題であった。気温と飽和水蒸気量の関係は、表で数値が与えられているので、計算しやすい。B は海洋に関する問題であった。問 4 は、黒潮の海水としての性質と西岸強化に関する知識問題であった。問 5 は、潮流と高潮に関する知識問題であった。問6 は、対馬海流に関する考察問題であった。地衡流におけるはたらく力の関係を知っていれば解けるであろう。
第5問
A は星雲の赤外画像に関する問題であった。問 1 は、原始星の進化の初期段階と進化が進んだ段階の可視光線の見え方の正誤を問う知識問題であった。問 2 は、星雲に存在する濃い分子雲を可視光線で見た場合の星雲名と、内部の温度変化を問う知識問題であった。問 3 は、ウィーンの変位則が成り立つとした場合の図 1 の赤外線の波長から放射エネルギー強度が最大になる天体の表面温度を求める計算問題であった。Bは連星と系外惑星に関する問題であった。問 4 は、連星の性質をなす恒星の波長がその位置によってどのように変化するかとその現象についての考察問題であった。問 5は、図中の Y の質量と半径が木星と同程度であった場合と地球と同程度であった場合について、波長の変化量と明るさの変化量の違いを問う考察問題であった。

共通テスト「地学」平均点の推移

年度 2025年度 2024年度 2023年度 2022年度 2021年度
平均点 41.64 56.62 49.85 52.72 46.65
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