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数学Ⅰ・数学A

2021年度入試(2021年4月入学生向け入試)からセンター試験に代わり、「大学入学共通テスト」が導入されました。

共通テストに向けてどのような学習を行えばよいのか、河合塾講師からの学習アドバイスをご紹介します。また、共通テストの設問別分析や平均点の推移などをまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

河合塾講師からの学習アドバイス

数学共通学習アドバイス

初めての共通テストが実施され、センター試験から変化した点、および変化しなかった点が明らかになりました。センター試験から大きく変化した点としては、文章量の増加、選択肢を選ぶ設問の増加、題材の多様化が挙げられます。以下では第1日程を中心に、第2日程も加味しながらコメントします。

1.文章量の増加
第1日程の問題のページ数は、数学ⅠA、数学ⅡBともに4割ほど増え、行数も5割以上増えました。数学ⅠAの試験時間は60分から70分へと10分増えましたが、以前よりも読解のスピードが必要となります。数学ⅡBは試験時間に変化がなかったため、より素早く読むことが要求されます。
2.選択肢を選ぶ問題の増加
センター試験では多くの設問が計算により得られた値をマークする形式で、選択肢を選ぶ設問は少なかったのですが、共通テストでは選択肢を選ぶ設問が大幅に増加しました。そのため、正答率が1割を切るような設問が少なくなり、数学的な難しさに対して正答率が高めの設問が複数見られ、また難度が高めの設問が選択肢で解答するようになっていることが多く見られました。
3.題材の多様化
第1日程では、2次関数で100m走、整数の性質で円周上の点の移動、三角関数でcosを用いた合成、ベクトルで正十二面体が扱われ、第2日程では、2次関数でたこ焼きの価格設定、図形の性質で作図、数列でタイル・畳の配置が扱われました。また、従来型の出題でも、会話文やコンピュータ画面が用いられ、グラフの選択など出題の工夫が随所に見られます。
4.学習対策
題材の多様化により、パターン学習が今までより通用しなくなります。長くなった問題文の中に正解に必要なヒントが書かれています。それを抽出し、基本事項を用いて考察していかなければなりません。そのような基本事項の応用的な運用には、基本事項を覚えているだけではなく、それらをきちんと理解していることが大切になります。定理や公式の証明などにも目を通して理解しておくことが必要です。
センター試験のときよりも重要視される読解力は全教科でその力を養うものです。どの教科を学習するときもそのことを意識しましょう。特に理科は、文章の中に数式、値、図などが現れ、数学との結びつきが強いです。やや物理的な内容であった100m走の問題では文系と理系の正答率の差が2割もありました。
基本事項を習得した後、実戦的な演習に移ると、共通テストの過去問は2021年度実施のものしかなく、模試などの復習を終えた後は問題に困ることになります。やはり共通テストに近いのはセンター試験であるため、その過去問は積極的に利用すべきです。データの分析など、センター試験とあまり違いがない分野もありましたし、ベクトルは、第1日程は共通テストらしい問題でしたが、第2日程はセンター試験に近いものでした。そうした点を踏まえ、センター試験の過去問にあたる場合は、1年分のセットにこだわらず、分野ごとに利用しましょう。

2021年度共通テスト 問題構成と設問別分析

2021年1月17日(日)実施分

問題構成

大問 分野 配点 テーマ
1 [1]数と式、2次関数 30 因数分解、2次方程式の解、整数部分、有理数・無理数
[2]図形と計量 三角比の相互関係、三角形の面積、余弦定理、正弦定理
2 [1]2次関数 30 1次関数、2次関数
[2]データの分析 箱ひげ図、ヒストグラム、散布図
3 場合の数と確率 20 反復試行の確率、条件付き確率
4 整数の性質 20 1次不定方程式の整数解
5 図形の性質 20 角の二等分線、内接円、方べきの定理とその逆
合計 100
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設問別分析

第1問
[1]2次方程式の解についての問題であった。(1)(2)は基本的な問題であり、完答したい設問であった。(3)は会話文にあるヒントから方針を正しく立てられるかがポイントであった。<数学Iの第1問[1]と共通問題>
[2]角や辺の長さが定められていない図形を扱う問題で、近年のセンター試験に比べると手をつけにくかったと思われる。180°-θの三角比の利用に気づけるかがポイントであった。さらに(4)は、辺と角の大小関係、正弦定理、余弦定理を組み合わせて考えなければならず、高い思考力が要求される設問であった。<数学Iの第2問と一部共通問題>
第2問
[1]100m走を題材とした問題で、数式を立てて100m走のタイムが最小となるときの1歩あたりの進む距離(ストライド)、1秒あたりの歩数(ピッチ)を求める問題であった。問題文が長く、初めて見る用語や関係式に対応して上手に立式できるかがポイントであった。<数学Iの第3問[2]と共通問題>
[2]都道府県別の就業者数割合のデータに関する問題であった。箱ひげ図、ヒストグラム、散布図の基本的な知識が身についていれば、読み取りやすい問題であり、完答したい。<数学Iの第4問と一部共通問題>
第3問
複数の箱から一つを選びくじ引きをしたとき、どの箱からくじを引いた可能性が高いかを考える問題であった。試行調査の問題と似た傾向であり、誘導が丁寧であったため、考えやすかったと思われる。(3)以降はそれまでの設問の解き方と会話文のヒントを参考にして考えることで計算量を減らすことができる。
第4問
円周上を動く石について、その動きを1次不定方程式を利用して考える問題であった。(3)までは誘導もあり、考えやすかったが、(4)は誘導がなく、解答の方針を立てにくかった受験生が多かったであろう。時間に余裕があれば、すべてを書き出すことでも解くことができる。
第5問
近年のセンター試験で頻出であったメネラウスの定理・チェバの定理を利用する設問が出題されなかった。角の二等分線、方べきの定理、内接円などに関する知識を問う問題であったが、円が3つも出現し、正確に図を描くのが難しかったと思われる。また、最後の設問はそれまでに得られた結果をどう利用するかに気づけるかがポイントであった。

2021年1月31日(日)実施分

問題構成

大問 分野 配点 テーマ
1 [1]数と式、集合と命題 30 絶対値記号を含む不等式、集合、根号を含む値
[2]図形と計量 正弦定理、三角形の面積
2 [1]2次関数 30 1次関数、2次関数
[2]データの分析 散布図、ヒストグラム、平均値、分散
3 場合の数と確率 20 球の取り出しに関する確率、条件付き確率
4 整数の性質 20 平方数の和、連続する2 整数の積、余り
5 図形の性質 20 作図と証明、2 円の外接、2 円の共通接線、方べきの定理、角の二等分線の性質、メネラウスの定理
合計 100
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設問別分析

第1問
[1]絶対値記号を含む不等式を満たす整数の個数に関する問題であった。「絶対値記号の処理」と「根号を含む値の評価の仕方」が身についているかがポイントであった。典型的な問題であり完答したい。<数学Iの第1問[1]と共通問題>
[2]三角形の外接円の大きさを考える問題であった。参考図としてコンピュータソフトの画面が使われていた。誘導が丁寧であるから、問題文をしっかりと読み取れれば、解答の方針は立てやすい。数学的な読解力が必要な問題であった。<数学Iの第2問と一部共通問題>
第2問
[1]文化祭で販売するたこ焼きの利益と販売価格を考える問題であった。日常の事象を題材とした問題であり、与えられた情報を数式で表し、利益を表す2次関数を立式することができるかがポイントであった。<数学Iの第3問[2]と共通問題>
[2]都道府県ごとの外国人数、小学生数、旅券取得者数に関するデータを考える問題であった。センター試験と比べるとデータを読み取る設問よりも平均値、分散の計算に関する設問が多く出題された。<数学Iの第4問と一部共通問題>
第3問
赤球と白球の入った二つの袋からそれぞれ球を取り出し箱に入れ、その箱からさらに球を取り出すときの確率を考える問題であった。一つひとつの計算は単純であるが、作業量は多いため、考えるべきパターンを漏れなく丁寧に計算しきれるかがポイントであった。
第4問
四つの平方数の和に関する問題であった。受験生の多くは演習が手薄になりがちなテーマの問題であり、戸惑った人が多かったのではないだろうか。(1)は書き出して調べるしか方法がなく、(2)(3)が(4)(5)にどう利用できるかに気づけるかがポイントであった。
第5問
2本の半直線に接する円の作図に関する問題であり、(1)ではその作図が正しいことの証明を完成させる問題であった。図を正しく描き証明をしっかりと読んでいけば考えやすい。(2)は新たに図を描き直し考える必要があるが、問題文中のヒントは少なく、方べきの定理、相似、角の二等分線の性質、メネラウスの定理に気づけるかがポイントであった。

平均点の推移

年度 2021年度 2020年度 2019年度 2018年度 2017年度
平均点 57.68 51.88 59.68 61.91 61.12
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