数学Ⅰ,数学A

共通テストに向けてどのような学習を行えばよいのか、河合塾講師からの学習アドバイスをご紹介します。また、共通テストの設問別分析や平均点の推移などをまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

学習アドバイス -あと45日で押さえるポイント

数学Ⅰ,数学A学習アドバイス

1基本~標準レベルの知識や解法に穴がないかを確認しよう

共通テストの数学の問題は、1つの大問の中で難易度に傾斜がついており、後半に進むにつれて正答率が下がる傾向があります。終盤の設問の正答率は1~2割であることも多いですが、そこを正答できれば大きなアドバンテージとなります。そしてそのためにはまず、序盤~中盤にかけての基本~標準レベルの設問をミスなく、なおかつ手際よく解けることが重要になります。序盤~中盤の設問で出した結論に誤りがあると、それが終盤にも影響してしまうからです。今一度、分野ごとの典型問題が解けるか、基本的な知識に漏れがないかなどを確認しておきましょう。

2日常問題や長文問題に慣れよう

共通テストでは日常生活における事象を題材にした問題が出題されます。また、日常を題材としていない問題の場合でも、具体例や問題を解決するための細かい誘導がついていることがあり、総じて文章量が非常に多いのが特徴です。先に設問の内容を確認し、それらを解くためにはどのような情報が必要かを想定してから文章を読んでいくことが有効です。

第3回全統共通テスト模試から見直しておきたい問題

第3回全統共通テスト模試の問題から、共通テストまでに見直しておきたい問題を河合塾講師が解説します。

2025年度共通テスト「数学Ⅰ,数学A」問題構成と設問別分析

問題構成

大問 分野 配点 テーマ
1 [1]数と式、集合と命題 30 方程式、必要条件・十分条件分
[2]図形と計量 三角比の定義、正弦定理、余弦定理
2 [1]2次関数 30 噴水の水がえがく曲線、噴水の高さ
[2]データの分析 散布図、外れ値、分散、共分散、仮説検定
3 図形の性質 20 五面体、2平面の交線、方べきの定理
4 確率 20 期待値を用いた料金の妥当性の考察
合計 100
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設問別分析

第1問
[1]文字定数a、bを含む方程式の問題であった。aやbの値が与えられたうえで因数分解し、方程式の解を考える問題であり、手をつけやすかっただろう。最後の設問では、必要条件・十分条件について問われていたが、この分野の基本事項が身についていれば解きやすかっただろう。<数学I、旧数学I・旧数学A、旧数学Iの第1問[1]と共通>
[2]2つの三角形について、外接円の半径の大きさ、正弦の値、辺の長さを比較する問題であった。(1)は抽象度の高い問題であり、誘導にのって三角比の定義や正弦定理を適切に利用できるかがポイントであった。(2)は(1)を応用することができたかどうかで差がついただろう。(3)は(1)の結果を利用し、正弦定理や余弦定理を用いることに気づいた受験生にとっては解きやすい設問であっただろう。<数学Iの第2問[2]、旧数学I・旧数学Aの第1問[2]、旧数学Iの第2問[2]と共通>
第2問
[1]噴水の水がえがく曲線を放物線とみなして、噴水の高さを考える問題であった。与えられた図や仮定を用いて、放物線を表す2次関数を文字定数を用いて立式したのち、放物線が通る点の座標を利用することで2次関数を決定する問題であった。立式の仕方によっては計算量に差が出ただろう。<数学Iの第3問[2]、旧数学I・旧数学Aの第2問[1]、旧数学Iの第3問[2]と共通>
[2]都道府県別の外国人宿泊者数と日本人宿泊者数のデータに関する問題であった。散布図の読み取りや分散と共分散に関する出題はこれまでを踏襲しているが、新課程の内容として、外れ値と仮説検定が新たに出題された。仮説検定については、試作問題と同様に実験結果を用いて確率を求め、仮説が誤っているかを判断する問題であり、類題の経験がある受験生は解きやすかっただろう。<数学Iの第4問と一部共通>
第3問
2つの三角形と3つの四角形を面とする五面体について考える問題であり、この分野での空間図形の出題は共通テストが始まってから初である。(1)は3直線が1点で交わることを証明する問題であり、戸惑った受験生も多かったと思われる。(2)(i)、(ii)は五面体の辺の長さを求める問題で、丁寧な誘導がついており考えやすかっただろう。(2)(iii)は平面や直線の位置関係の把握が難しかったと思われる。<旧数学I・旧数学Aの第5問と共通>
第4問
くじに関する料金の期待値に関する問題であった。当たり、はずれの本数ではなく、3つの確率の値が与えられているところが目新しい。(1)は与えられた3つの確率をもとに期待値の計算に利用する確率を求める問題であったが、与えられている確率が3つの事象が関わっていて考えにくかった。(2)はくじの主催者の負担金額の期待値をもとに参加料の設定の妥当性について考察する問題であった。(3)ではくじ引き料が導入され、期待値を利用してくじ引き料の設定の妥当性について考察する問題であった。(1)の結果が(2)以降に影響するため、(1)の確率を正しく求められたかがポイントであった。

共通テスト「数学Ⅰ,数学A」平均点の推移

年度 2025年度 2024年度 2023年度 2022年度 2021年度
平均点 53.51 51.38 55.65 37.96 57.68
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