化学

共通テストに向けてどのような学習を行えばよいのか、河合塾講師からの学習アドバイスをご紹介します。また、共通テストの設問別分析や平均点の推移などをまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

河合塾講師からの学習アドバイス

※下記のアドバイスは、2026年度共通テストにむけたものです。

化学学習アドバイス

共通テストでは、化学の基本的な知識を問う問題とともに、問題の意図に沿って必要な情報を抽出し、基本的な知識と組み合わせて思考を組み立てていく問題が出題されます。また、2024年度までと同様、2025年度も教科書には記載されていない反応や現象などを考察する問題が出題されました。

1.基本事項を確実に身につけよう
教科書に記載されている基本事項、知識、計算を確認する問題が多く出題され、これらは確実に得点したいところです。また、思考力を要する問題も、基本的な知識を組み合わせて解いていきます。したがって、基本事項を確実に身につけることが何よりも重要です。共通テスト形式の問題にこだわる必要はなく、教科書の問題や教科書傍用問題集などを使うとよいでしょう。
知識が必要な分野では、教科書などで基本事項を確認、暗記したうえで、問題演習により知識を定着させましょう。計算問題では、計算式の立て方や考え方を理解しながら学習を進めましょう。
2.知識を組み立てる力をつけよう
初見の内容に関する問題文の中から必要な情報を抽出し、教科書で学んだ基本知識や法則と照らし合わせて、解法の道筋を組み立てていく力も問われます。また、公式に数値を当てはめるだけでは太刀打ちできない複数の思考過程を要する計算問題も出題されます。60分という限られた時間の中で思考力を要する問題に対処するためには、複数の知識、基本事項をどのように組みわせていくかの解法パターンをある程度もっている必要があります。
このような問題の対策としては、全統共通テスト模試、国公立大二次試験や私立大の入試問題の演習があります。特に、全統共通テスト模試ではこうした思考型の問題が必ず出題され、解法の道筋が解説に記載されるので、ぜひ活用してください。
3.教科書の「探究」や「実験」を活用しよう
思考力を要する問題に対応する力を養うための方法の一つとして、教科書の「探究」や「実験」の活用があります。「探究」や「実験」では、原理や法則を確認するために、実験計画を立案し、具体的に起こった現象を考察し、データから必要な情報を取り出すプロセスが提示されています。学校で実験の授業があれば積極的に取り組み、その機会がない場合でも、目標、仮説、操作、考察などの項目に目を通しておきましょう。

2026年度共通テスト「化学」問題構成と設問別分析

問題構成

大問 分野 配点 マーク数 テーマ
1 物質の構成、物質の状態 20 6 化学結合、コロイド、固体の溶解度、結晶、気体
2 物質の変化 20 6
化学反応と熱、電気分解、反応速度、塩、緩衝液
3 無機物質、物質の変化 20 6 無機物質、酸化還元、化学反応と量的関係、電離平衡
4 有機化合物、高分子化合物 20 9 脂肪族化合物、芳香族化合物、糖類、ペプチド
5 無機物質、高分子化合物、有機化合物 20 6 身のまわりの化学物質(無機物質、合成高分子、エステル)
合計 100 33
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設問別分析

第1問
化学結合、コロイド、固体の溶解度、結晶、気体が出題された。
問1は、化学結合と水溶液の性質に関する問題であった。
問2は、コロイド粒子の凝析に関する問題である。負に帯電しているコロイド粒子を凝析させるには、陽イオンの価数が大きいほど有効である。
問3は、固体の溶解度に関する正誤問題であった。飽和溶液と固体が共存しているときは溶解平衡の状態であり、溶解と析出がともに起こっていることがポイントであった。
問4は、六方最密構造の断面に関する問題である。与えられた積層の図をもとに、原子の中心位置を考える内容であった。
問5は、「アルコールロケット」の実験に関する計算問題で、aは気体の法則と化学反応の量的関係に関する問題、bは燃焼反応による圧力変化に関する問題であった。bでは、容積が一定のとき、容器内の圧力は気体の物質量と絶対温度に比例することに着目すれば解答できる。
第2問
化学反応と熱、電気分解、反応速度、塩、緩衝液が出題された。
問1は、エンタルピー変化に関する正誤問題であり、基本的な内容であった。
問2は、混合水溶液の電気分解に関する計算問題であった。析出した銀と鉛の質量から流れた電子の物質量を求めるとよいが、水溶液中の鉛(II)イオンが2価であることに注意したい。
問3は、五酸化二窒素の分解反応の反応速度定数を求める計算問題であった。表中の濃度変化から反応速度を求め、平均濃度との関係を用いればよい。
問4は、電解質水溶液と緩衝液に関する問題で、aでは塩の水溶液の性質に関する基本的な知識が問われた。bは、緩衝作用に関する空欄補充問題で、ルシャトリエの原理を用いて解答することができる。cは、緩衝作用を示す水溶液を選択する問題で、弱酸とその塩、または、弱塩基とその塩の混合水溶液になるものを選択すればよい。
第3問
無機物質に関する大問で、酸化数、リン、化学量、遷移元素、溶解平衡と電離平衡、金属イオンの分離が出題された。
問1は、酸化数に関する問題であった。陽性の強い金属の水素化合物では水素原子の酸化数が−1になる。
問2は、リンの単体と化合物の性質に関する正誤問題であった。
問3は、硫酸塩の質量から、金属元素の原子量を求める計算問題であった。水和物と無水物の物質量が等しいことに着目すればよい。
問4は、遷移元素に関する正誤問題であった。
問5は、金属イオンの沈殿に関する問題で、aは硫化物の溶解平衡と硫化水素の電離平衡に関する計算問題で、鉄(II)イオン濃度から溶解度積と電離定数を用いて水素イオン濃度の範囲を求める内容であった。bは金属イオンの分離に関する問題であった。沈殿Aは赤褐色であることから水酸化鉄(III)と判断できる。また、操作Ⅰでは金属イオンが沈殿とろ液に2種類ずつ分離されたことから、NaOH水溶液を過剰に加えたことがわかる。
第4問
有機化合物に関する大問で、天然有機化合物を含めて出題された。
問1は、芳香族化合物の反応に関する問題で、基本的な知識が問われた。
問2は、与えられた四つの条件をすべて満たす化合物を選択する問題であった。
問3は、分子式C4H8のアルケンについて、構造異性体の数と立体異性体があるものの数を答える問題であった。
問4は、糖類に関する正誤問題であった。
問5は、生体内に存在するペプチドであるグルタチオンに関する問題であった。aは、グルタチオンの構造や性質に関する正誤問題で、与えられたグルタチオン・酸化型グルタチオンの構造式に基づいて判断する内容であった。bは、グリシンの酸性水溶液の滴定曲線上の各点で最も多く存在している構造を選択する問題であった。
第5問
身のまわりに使われている化学物質に関する総合問題であった。
問1は、aはクロム、bはケイ素に関する正誤問題であった。
問2は、合成高分子であるポリイミドに関する問題であった。aは、酸無水物とアミンの反応による生成物を答える問題で、無水酢酸とアニリンからアセトアニリドが得られる反応から類推できたかがポイントであった。bは、問題に与えられたイミド結合の形成に関する反応、および、ポリイミドの構造式から、その合成原料を考える内容であった。
問3は、エステルに関する問題で、aは与えられた三つの条件をすべて満たすエステルの構造を選択する問題であった。酢酸と第二級アルコールからなるエステルであることを判断する内容であった。bはエステル化の平衡定数を求める計算問題で、平衡定数を表す式には[H2O]も含まれることに注意したい。

共通テスト「化学」平均点の推移

年度 2026年度 2025年度 2024年度 2023年度 2022年度
平均点 56.86 45.34 54.77 54.01 47.63
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  • 2023年度は得点調整後の平均点
共通テスト 科目別学習アドバイス

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