歴史総合,世界史探究
共通テストに向けてどのような学習を行えば良いのか、河合塾講師からの学習アドバイスをご紹介します。また、共通テストの設問別分析や平均点の推移などをまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
河合塾講師からの学習アドバイス
歴史総合,世界史探究学習アドバイス
- 1.「世界史B」から「歴史総合,世界史探究」になってどう変わった?
- 共通テストでは、2025年度から「世界史B」にかわって「歴史総合,世界史探究」となりました。2022年に公表された試作問題と2025年度・2026年度分しか過去問がないのですが、これらからわかる「歴史総合,世界史探究」の特徴は、出来事の内容・特徴や意義・因果関係・背景・影響などを問う問題が多いことです。また、出来事の時期を知っていないと解けない問題もあります。したがって、教科書などを利用して理解する学習が必要であり、用語の暗記だけでは対処できません。
- 2.資料や会話文を読み解く問題が非常に多い!
- 共通テスト「歴史総合,世界史探究」では、資料(文字史料・グラフ・表・地図・図版・マンガなど)や会話文のほか、情報をまとめたパネルなど、複数の材料から情報を読み取り、習得した知識に照らし合わせながら総合的に判断する問題が非常に多いです。資料のほとんどがおそらく初めて見るものであり、どのような資料か正確に読み取り、分析する力が必要です。
- 3.「歴史総合」はどうやって勉強しよう?
- 「歴史総合」は、18世紀後半以降の日本を含む世界の歴史を扱います。したがって、世界史の内容が多く含まれるため、問題の半分以上は世界史探究の知識を活用すれば解くことができます。日本史部分の攻略が必要な人は、18世紀後半以降の世界史探究の学習の際、同時期の日本がどのような状態であったか確認したり、また世界の動きが日本にどのような影響を与えていたか確認したりするクセをつけておくと良いでしょう。
- 4.さあ、始めよう!
- 共通テストでは、古代から現代まで幅広く出題されており、第二次世界大戦後の歴史からも出題されます。また、政治だけでなく、社会・経済や文化からの出題も多くあり、その社会経済史や文化史で差がつく傾向にあります。非常に広い範囲の学習が必要ですので、早めに取り組みましょう。その際、「タテのつながり」「ヨコのつながり」を意識した学習、特に出来事の時期の把握を心がけると良いでしょう。そして、資料問題に慣れるためにも、模試などを活用して問題演習の量を積極的に確保し、実戦力を高めていきましょう。
2026年度共通テスト「歴史総合,世界史探究」問題構成と設問別分析
問題構成
| 大問 | 分野 | 配点 | マーク数 |
|---|---|---|---|
| 1 | 近現代における都市の変容(歴史総合) | 25 | 8 |
| 2 | 世界史上における様々な法のあり方とその運用(世界史探究) | 21 | 7 |
| 3 | 歴史に触れるきっかけや歴史を伝える手段(世界史探究) | 18 | 6 |
| 4 | 歴史上に見られた様々な「帝国」のあり方(世界史探究) | 18 | 6 |
| 5 | 税制度と社会変容(世界史探究) | 18 | 5 |
| 合計 | 100 | 32 | |
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設問別分析
- 第1問
- 歴史総合の授業で近現代における都市の変容をテーマに班別学習をする形式で、Aでは近現代の大都市としてパリと東京を、Bでは植民地化されたアジアの都市としてサイゴン・京城(現ソウル)・香港を、それぞれ扱っている。問3で、パネルの文章中に引かれた下線部の正誤を判定させるのは、過去のセンター試験・共通テストの日本史の問題にはみられた形式だが、世界史ではこれまでみられなかった形式であった。下線部1で扱われた江戸時代の海運について述べた南海路や東廻り航路は教科書の本文中にはなく、地図にしか記されていないため、下線部4の文化住宅の時期も含めて世界史中心に学習した受験生には難しかっただろう。問4も「列島改造」を掲げた内閣を田中角栄内閣と判断させるなど、日本史の知識のみで解答する問題。円グラフを使用した問8は、それぞれの都市に関する会話文・パネル・ノートから住民構成を読み取って判断する問題。<歴史総合の第2問と共通>
- 第2問
- 世界史探究の授業で、世界史上における様々な法のあり方とその運用をテーマに班別学習をする形式で、Aは中国唐代の法を、Bは中世ヨーロッパの慣習法を、Cはイスラーム世界の法を、それぞれ複数の資料を用いて多面的に考察させる問題。問1.資料1の内容が刑法にあたると読み取れるので、空欄アには「い」の律が入る。律と令がそれぞれ何を指すのか理解しておくことが必要であった。Y.資料1と資料2の読み比べからだけでなく、会話文の最後の、甲の釈明について「白居易は、正当な理由とは認めなかったんですね」からも判断できる。問3.X.図版から重量有輪犂と三圃制の導入を読み取る。Yは19世紀に描かれたミレーの「落ち穂拾い」であるが、掲載されていない教科書もある。問5.空欄ウ・エは地図を手がかりに確定する必要がある。エチオピアの西方がスーダンであることに気がつけば、cがイギリスであることは判断しやすくなるだろう。bについては地図の地域に選択肢中のイタリア・ドイツのいずれが植民地を有していたかという知識はやや細かい。問6.メモ2.資料5の「アッラーに対して証言」、資料6の「証言者としてはアッラーで十分」やパネル中の「カーディー(イスラーム法に基づいて裁定を下す裁判官)が司っていた法廷」などから、イスラーム法すなわちシャリーアが基準になっていると判断する。
- 第3問
- 世界史探究の授業で、歴史に触れるきっかけや、歴史を伝える手段について生徒たちが考える形式で、Aはマンガを、Bは文字・文章・絵画・風刺画を、Cは記念碑や彫像をテーマとした出題。問1.フランス革命に関連する出来事を時系列に沿って配列する問題で、マンガ『ベルサイユのばら』の一コマで、主人公の一人であるオスカルが「バスティーユへ!!」と民衆を鼓舞する場面から、図1は国民議会時代のバスティーユ牢獄襲撃の時期であると判断する。Iは国民公会の時代、IIはフランス革命勃発前の時代である。問2.オランプ=ド=グージュが人権宣言では男性の権利のみが規定されており、女性の権利が規定されていないとして、『女性の権利宣言』を著したことや、ナポレオン法典が家父長権を肯定するという内容を含んでいることは、歴史総合のほか世界史探究の多くの教科書で言及されている。問3.『集史』はモンゴル人がイランに建てたイル=ハン国時代に編纂された歴史書であるが、モンゴル語ではなくペルシア語で著されている。問5.い「1931年から1933年までに、総人口が100万人以上減少した」背景X・Yのうち、Yの世界恐慌期は1931年から1933年の時期的には該当するが、ソ連が世界恐慌の影響をほぼ受けなかったことを想起して、誤文と判断する。問6.メモ2.パネルの「二人の女性兵士は、レニングラードを防衛する戦いのなかで、1943年と1944年に戦死した」から、二人の女性兵士が戦死した時期が第二次世界大戦中の独ソ戦開始後と判断する。
- 第4問
- 世界史探究の授業で、歴史上にみられた様々な「帝国」のあり方について、生徒たちが探究する形式で、Aは古代ローマにおける帝国の形成、Bはムガル帝国の宗教・思想面における政策、Cは「太陽の沈まぬ帝国」スペインの衰退とアメリカ合衆国の帝国主義をテーマとした問題。問1.資料1がカエサルの時代における「インペリウム(帝国)」について言及していることから、ローマは共和政期において「帝国」と呼べる存在であったと判断する。問2.先生の会話から、ローマ帝国が東西分裂した後もローマ帝国を継承する「帝国」と認識されていたことを読み取り、図IIがユスティニアヌス1世(大帝)時代の東ローマ(ビザンツ)帝国領を示していると判断して、五賢帝時代に書かれた資料2および、エジプトや地中海東岸・ガリアなどを領有していないポエニ戦争終結頃の共和政期に該当する図Iとの時系列を確定させる。問4.会話文中のウパニシャッド哲学が、選択肢「い」の「ブラフマンとアートマンとの同一性を悟ろうとする古代インド思想」に該当する。問5.資料4の内容から「北のアメリカ」がアメリカ合衆国を指していることを読み取り、「我らのアメリカ」にアメリカ合衆国が含まれないと判断する。問6.メモ3は、アクバルの政策が中央集権体制をめざすものであったことから誤文となる。
- 第5問
- 生徒が特定の主題について学習するという設定は、試作問題や昨年の本試験と同様であったものの、今年は主題そのものが大問の冒頭に明示されており、主題そのものを設問内で判断させる形式から変更された。とはいえ、例示された探究活動と大問中に登場した探究手法を比較させる問5の形式は、試作問題を踏襲しているといえる。問1~問4は、生徒が提示した資料から読み取れる内容と世界史の知識を組み合わせて各選択肢の正誤を判定する。問1.明清代の納税に関わる経費に苦しむ農民と、経費に苦しむことがなかった有力者という対比を読み取る。問2.空欄アにはティマール制の内容があてはまる。問3.リストの主張は、資料2の最後の「ドイツ以外の諸国民がヨーロッパで通商の自由原則を承認するまで、彼らに対して共通の関税を設定すること」を読み取る。問4.資料3は、関税と貿易に関する一般協定(ガット<GATT>)である。問5.1班・2班の事例と資料5がいずれも「納税や徴税の具体的な仕組み」に関するものであることを読み取りたい。
共通テスト「歴史総合,世界史探究」平均点の推移
| 年度 | 2026年度 | 2025年度 | 2024年度 | 2023年度 | 2022年度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 平均点 | 60.88 | 66.12 | 60.28 | 58.43 | 65.83 |
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- 2024年度までは「世界史B」の平均点


