情報Ⅰ
共通テストに向けてどのような学習を行えばよいのか、河合塾講師からの学習アドバイスをご紹介します。また、共通テストの設問別分析や平均点の推移などをまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
河合塾講師からの学習アドバイス
情報Ⅰ学習アドバイス
- 1.「情報Ⅰ」で学んだ内容を再確認!
- 「情報Ⅰ」で学ぶ4つの領域のうち「コミュニケーションと情報デザイン」「コンピュータとプログラミング」「情報通信ネットワークとデータの活用」を中心に、それらを活用して問題の発見・解決をめざす「情報社会の問題解決」まで、幅広く出題されていました。苦手分野をつくらないように学習を進めましょう。
- 2.学んだ内容を活用することを意識!
- 「用語・知識」を直接問う問題は少なく、「スーパーマーケットのレシートから得られる情報をどのように管理・活用できるか」や「おつりを渡すために何枚の千円札を準備すべきか」といった身近な題材や、旅行に関する実態といった社会との関わりを意識した題材を取り上げ、「情報Ⅰ」で学んだ内容を活用して問題発見・解決に向けて考察する力を問う問題が複数みられました。こういった問題に対応するには、学んだ内容をただ暗記するだけではなく、「なぜそうなるのか」まで掘り下げて、情報の特性や情報技術の仕組みを理解することが重要です。それらが身の回りでどのように活用されているか、問題の発見・解決に向けて自分であればどのように活用できるかといったことを普段から考えるようにしましょう。
また、「棒状の7個のLEDを点灯させる組合せが何通りあるか」など、数学で学んだ考え方を使う問題も出題されました。中学数学や「数学Ⅰ」の内容についても見直しておきましょう。 - 3.問題文から多くの設定や条件をすみやかに読み取る!
- 共通テスト全体の傾向として、会話文を含んだ長めの文章や複数の図表・資料の読み取りが課される点があります。特に情報Ⅰでは、問題解決の文脈の中で、与えられたデータや資料をもとに考察を進めることが求められます。「データの活用」の問題では、散布図、箱ひげ図、相関係数などの理解をもとに、与えられたデータについて考察することが求められました。「情報デザイン」の問題では、教科書では扱われていない法則が設問中に示され、その法則の特徴を理解し、図から読み取った情報と組み合わせて考察することが求められました。問題文、図表、資料で与えられた設定や条件からすみやかに「問題発見・解決の状況を読み解くこと」、「解答に必要な情報を正確に読み取ること」を意識するとともに、読み取った内容とこれまでに学んだ内容とを関連付けて考察できるようにしておきましょう。
- 4.過去問が十分にない中での対策は?
- 限られた時間で正解を導くためには、共通テスト「情報Ⅰ」特有の形式に慣れておくことも重要です。共通テスト本試験だけでなく、追試験や大学入試センターが以前に公表した試作問題を解き、何がどのように問われているのかを確認してみましょう。そのうえで、時間を意識して問題演習に取り組みましょう。「全統模試」や「講習での問題演習」などを活用するのも重要です。課題を明確にして対策することで、効率よく、効果的に学力アップすることができます。
2025年度共通テスト「情報Ⅰ」問題構成と設問別分析
問題構成
大問 | 分野 | 配点 | マーク数 | テーマ |
---|---|---|---|---|
1 | 1)情報通信ネットワークとデータの活用 | 20 | 2 | 情報セキュリティ、情報通信ネットワークの仕組みと役割 |
2)コミュニケーションと情報デザイン | 4 | 情報のデジタル化 | ||
3)情報通信ネットワークとデータの活用 | 2 | 情報システムとそのサービス、データの蓄積と管理 | ||
4)コミュニケーションと情報デザイン | 3 | 情報デザインの考え方を活かしたコミュニケーション | ||
2 | A)情報通信ネットワークとデータの活用 | 30 | 9 | データの収集と管理 、情報システムとそのサービス、問題の発見と解決 |
B)コンピュータとプログラミング | 7 | モデル化とシミュレーション | ||
3 | コンピュータとプログラミング | 25 | 12 | アルゴリズム、変数、配列、条件分岐、反復 |
4 | 情報通信ネットワークとデータの活用 | 25 | 12 | データの表現、データの収集と管理、データの分析と評価 |
合計 | 100 | 51 |
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設問別分析
- 第1問
- 情報通信ネットワークと情報デザインを中心とする小問集合であり、計算を要する問題も複数みられた。
問1aはデジタル署名に関する知識問題、問1bはIPv6に関する知識問題であった。
問2は7セグメントLEDを題材にした、組合せの数に関する理解をもとに答える考察問題であった。
問3はチェックディジットの生成方法とその性質に関する考察問題であった。
問4はコンピュータのユーザインタフェースのデザインに関する考察問題であった。 - 第2問
- Aは総合スーパーマーケットの情報システムを題材とした問題であり、情報システムにおける情報の流れや情報システムに必要となる条件について、思考力が求められた。
Bは表計算ソフトウェアを用いた、おつりを渡すために用意すべき千円札の枚数に関するシミュレーションをテーマとする問題であった。乱数を用いた標準的な問題である。モデル化からシミュレーション、結果の分析までの体験を実際にしていれば解答しやすい。 - 第3問
- 問1はアルゴリズムの理解を問う問題、問2は目的とするアルゴリズムの一部を担うプログラムを作成する問題、問3は目的とするアルゴリズム全体を担うプログラムを作成する問題であった。変数、制御構造、配列に関する理解があれば解ける問題であった。
- 第4問
- データの活用に関する知識問題と考察問題であった。問1は尺度水準に関する基本的な知識問題を含むが、他の問題は与えられたデータを用いた考察問題であり、正解を選ぶためには散布図、箱ひげ図、相関係数などに関する理解が必要であった。
共通テスト「情報Ⅰ」平均点の推移
年度 | 2025年度 | 2024年度 | 2023年度 | 2022年度 | 2021年度 |
---|---|---|---|---|---|
平均点 | 69.26 | - | - | - | - |
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