国語
共通テストに向けてどのような学習を行えば良いのか、河合塾講師からの学習アドバイスをご紹介します。また、共通テストの設問別分析や平均点の推移などをまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
河合塾講師からの学習アドバイス
現代文第2問や古文では同一作品の別の箇所の引用を併せ読む問題が出題されました。漢文では2025年度まで複数あった本文が一つになり、設問中に資料が提示されるという形式でした。また現代文第3問ではグラフの使用がなくなり、絵本や図といったさまざまな資料を踏まえて、〈得た情報をどう表現するか〉をめぐる問題を中心に出題されました。複数資料の読解という2025年度までの傾向を踏襲しつつも、多様な出題形式へと変化しています。時間内でさまざまな文章・資料を読み解くために、まずは基礎知識と正確な読解力を身につけましょう。
現代文学習アドバイス
- 1.問題の概要
- 第1問は評論、第2問は小説から出題されました。第1問は2025年度に引き続き、単一の文章からのオーソドックスな出題でしたが、第2問では本文と同一作品の別の箇所が設問内の【ノート】に引用されるという形式でした。また、2024年度に一度復活した語句の意味を問う知識問題は出題されませんでした。第3問は、2025年度がグラフなどの読み取りを中心とした〈情報処理の力〉を問う問題が中心であったのに対し、2026年度は「Mさんが好きな本を一冊選び、その本にどのような工夫が見られるかについて考える」というストーリーのもと問題が構成されており、絵本を含むさまざまな文章や図を読み取ったうえで、〈得た情報をどう表現するか〉が問われました。それぞれの資料の内容を整理しつつ、設問や出題者の意図と照らし合わせながら、正解選択肢を選ぶ練習が必要となります。
- 2.根拠に基づいて選択肢を選ぶ練習をしよう
- まずはさまざまな文章に触れ、どんな内容でも読みこなせるように練習しましょう。また、選択肢を正確に読み、正解以外の選択肢の間違い箇所を指摘できるようにしてください。本文の根拠を把握したうえで確実に選択肢を見極められる力を身につけることが重要です。
- 3.多様な文章の問題演習を重ねよう
- 共通テストでは複数の文章や図表・グラフなどを組み合わせた問題が出題される可能性があります。まったく練習をしていなければ間違えたり戸惑ったりしてしまうかもしれません。授業や問題集などを利用して複数の題材を比較し、関連づける問題にも取り組んでおいてください。多様な問題に取り組んでおけば、新傾向の問題が出題されたときにも冷静に対応できるようになります。
古文学習アドバイス
- 1.問題の概要
- 平安時代の作り物語『うつほ物語』の一場面から出題。2025年度は、二つの異なる作品が本文となっていましたが、2026年度は本文が一作品のみで、問5に同一作品の別の箇所が引用されていました。形式が変わったものの複数の古文を併せ読む共通テストの傾向を踏襲しています。例年出題されていた和歌に関する設問は、2026年度は出題されませんでしたが、頻出のため引き続き対策が必要です。また共通テストになってから新傾向の設問として定着していたものの2025年度は出題されなかった「語句と内容に関する説明」の問題が復活しました。
- 2.学習した単語・文法の知識をもとに、文章を読む訓練をしよう
- 共通テスト対策としては、単語をたくさん覚えること、古典文法を一通り覚えることが、まずは大切になってきます。そのうえで普段から古文を読むときに、その文章の中に覚えた単語や文法事項が出てきたら、それらがどのように使われているかに気をつけましょう。そのためには、文章を正確に現代語訳する練習をすると良いでしょう。そして、問題演習を行うときには、共通テストの傾向に沿った演習問題を、時間を計って、1題20分程度で解く練習をしましょう。
漢文学習アドバイス
- 1.問題の概要
- これまで出題頻度が高かった漢詩は2026年度も出題されず、2025年度に続いて日本漢文が出題されました。江戸時代の漢学者の評論で主題は詩論でした。また、2025年度までは本文として複数の文章が提示されていましたが、2026年度は、本文は一つとなり、設問中に比較的短い資料が提示されるという形式でした。全体を通して、否定形、使役形、詠嘆形といった基本句形の用法を押さえつつ、本文の段落ごとの主旨を正確に読み取り、選択肢と慎重に照合させる必要がある問題でした。
- 2.読解力養成のために、句形・重要語の習得に努めよう
- 共通テストは複数の文章を関連づける問題となっていますが、十分な読解力があれば解答することができます。したがって、対策も単独の文章からの出題と変わりなく、句形・重要語・頻出表現等に習熟し、読解力を養うという地道な作業が最も効果的です。また、一旦学習した文章は機会を見つけて、繰り返し声に出して読んでみるのも良いでしょう。音読は読解力の養成や書き下し文の錬成等に極めて有効です。
2026年度共通テスト「国語」問題構成と設問別分析
問題構成
| 大問 | 分野 | 問数 | マーク数 | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 論理的文章 | 6 | 10 | 櫻井あすみ「『贈与』としての美術・ABR」 |
| 2 | 文学的文章 | 6 | 7 | 遠藤周作「影に対して」 |
| 3 | 図表・資料 | 3 | 5 | 科学(生物学)的な題材を扱った絵本をめぐる資料問題(以下の資料を使用) ・生徒の書いたとする文章 ・科学的絵本の編集者へのインタビュー記事「科学絵本のアプローチ」からの抜粋 ・絵本『イワシ むれで いきる さかな』より、本文および絵の抜粋(「中間部分のあらすじのまとめ」もあり) ・イワシの回遊について説明した書籍『世界はイワシでできている?』(東京水産振興会)より、文章および図の抜粋 |
| 4 | 古文 | 5 | 7 | 『うつほ物語』 |
| 5 | 漢文 | 7 | 8 | 長野豊山『松陰快談』 |
| 合計 | 37 | |||
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設問別分析
- 第1問
- 問1の漢字問題は、一昨年、昨年と同様、傍線部と同じ漢字を選ぶ従来型の設問だけが出題された。問2以降の設問は、すべて本文中の傍線部についての説明を求めるものであった。ただし、問4は、傍線部のように述べる筆者の意図が問われており、やや戸惑った受験生もいるかもしれない。
- 第2問
- 問5は本文の表現を問う問題であったが、それ以外はすべて登場人物の心情や心境にかかわる問題であった。問6(ii)は、選択肢の一部にわかりにくいところがあり、迷った受験生がいたかもしれないが、過不足のない内容の選択肢を選ぶようにしたい。全体的には、正誤の判定がつきやすい問題が多かった。
- 第3問
- 第3問は、科学(生物学)的な題材を扱った絵本をめぐる問題。生徒の書いたとする文章と、科学的絵本の編集者へのインタビュー記事、絵本『イワシ むれで いきる さかな』、イワシの回遊について説明した文章と図などから成っている。問1・問2は資料にある情報の読み取りを中心とした問題だが、問3は情報の表現の仕方について問う問題になっており、問題全体の方向性がやや捉えにくい。問題全体の最初に置かれたリード文によって正解が誘導されてはいるが、そうした出題に慣れていない受験生は自信をもって正解を選べなかったのではないかと思われる。
- 第4問
- 本文は、主人公仲忠の妻が娘を出産した直後の場面である。仲忠とその母は、仲忠の祖父が異国で天人たちより伝授された琴とその奏法を守り伝えてきた「琴の一族」で、本文はその二人の超人的な琴の演奏が中心となっている。問1は、短い語句の解釈問題で、傍線部が昨年より長くなっており、古語の意味と文法の知識が必要な問題であった。問2は、波線部の文法とその前後の内容を問う設問で、昨年はなかったが、共通テスト初年度から続く定番の問題である。文法の知識で選択肢を絞る力が必要である。問3は、第1段落に描かれる琴をめぐるやり取りの内容を説明する設問。問4は、第2段落と第3段落に描かれる仲忠とその母の琴の演奏に関する内容を説明する設問。問5は、設問に同じ作品の別の箇所を引用して、その内容と本文の内容とをあわせて検討する設問。昨年は、問2の敬語の設問以外は選択肢がすべて四択であったが、今年は問1~3が四択で、内容読解問題である問4・5が五択である。問4・5は選択肢も長く、五択なので、正解を選ぶのは難しかったかもしれない。
- 第5問
- 問1は語句の意味の問題で、設問数は昨年の3から2に減った。問2は説明問題で、部分否定と二重否定の意味を押さえる。問3は返り点と書き下し文の問題で、「雖」と使役形の用法を押さえつつ文意が通る書き下し文を選ぶ必要がある。解釈問題は問4・問5の2つで、昨年より1つ増えた。問4は詠嘆形の知識が問われている。問5は後の文脈から願望の内容を把握する。問6・問7は説明問題で、選択肢がやや紛らわしい。問6は直後の筆者の発言の主旨を把握する。問7は本文および資料の内容と各選択肢の説明とを慎重に照合する必要がある。
共通テスト「国語」平均点の推移
| 年度 | 2026年度 | 2025年度 | 2024年度 | 2023年度 | 2022年度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 平均点 | 116.37 | 126.67 | 116.50 | 105.74 | 110.26 |
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