地理総合,地理探究

共通テストまでの残りの期間でどのような学習を行えばよいのか、河合塾講師からの学習アドバイスをご紹介します。

学習アドバイス -あと45日で押さえるポイント

地理総合,地理探究学習アドバイス

― 未知の資料に動じず、既存の学習資源を活かす ―

2025年度に初めて実施された「地理総合,地理探究」は、出題形式において従来の「地理B」と大きな違いはありませんでした。大問の構成に変化はみられたものの、資料をもとに地理的に推論し、仮説を立てて検証するという思考プロセスは「地理B」の延長線上にあります。それにもかかわらず平均点は低下し、多くの受験生が難しさを感じました。これは出題傾向の変化ではなく、提示資料の分量や構造の複雑化、「初見資料」への対応を迫る構成による処理負担の増大が要因といえます。

この傾向は2026年度以降も続くと考えられます。本番では見慣れない図表が登場することを前提に対策する必要がありますが、新しい知識を詰め込む必要はありません。むしろ既習の知識をもとに未知の資料を読み解く地理的推論力が求められます。

この力を養うには、まず❶センター試験の過去問を活用し、地理的知識の整理と論理的理解を深めることです。センター試験は自然環境、産業、都市・人口、地誌、地域調査をバランスよく扱い、基礎的な資料処理力を培う教材として今も有効です。分野別に演習を繰り返すことで、知識の定着と応用力を養うことができます。

次に❷共通テストの過去問で形式への対応力を高めることです。限られた時間で資料を整理し構造を把握する練習が鍵です。未知の資料に臆せず、既存の過去問を活用して地理的思考を段階的に育てることこそ、2026年度に向けた最も実践的な対策です。

第3回全統共通テスト模試から見直しておきたい問題

第3回全統共通テスト模試の問題から、共通テストまでに見直しておきたい問題を河合塾講師が解説します。

2025年度共通テスト「地理総合,地理探究」問題構成と設問別分析

問題構成

大問 分野 配点 マーク数
1 食料の生産や消費(地理総合) 13 4
2 愛知県東部に位置する東三河地域の地域調査(地理総合) 12 4
3 世界の自然環境と自然災害(地理探究) 20 6
4 エネルギーと産業(地理探究) 21 6
5 産業構造の変化に伴う都市の変容(地理探究) 17 5
6 環インド洋地誌(地理探究) 17 5
合計 100 30
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設問別分析

第1問
世界の穀物輸入依存度の階級区分図、世界の4地点の自然環境と農業の特徴、イギリス・イタリア・インドネシア・中国におけるコーヒーと茶の1人1日当たり消費量、南・東南アジアとヨーロッパのイモ類の生産量に占める、生産・収穫から消費までの各段階における食品ロスの割合と、最終的な消費量の割合が出題された。問4は、イモ類は年間を通じて収穫できることを考慮しなければならず、判定に悩んだ受験生もいたと思われる。
※地理総合第1問との共通問題。
第2問
豊橋市の中心市街地の新旧地形図の読み取り、豊橋市における製造業の立地特性、東三河地域の1960年と2006年のキャベツ・米・サツマイモの収穫量、東三河地域を発着地とした他府県との年間旅客数と交通手段が出題された。問3は、聞き取り調査の結果をよく読み、判定しよう。
※地理総合第2問との共通問題。
第3問
世界の四つの経緯度別の植物による光合成の活発度を示す正規化植生指数の分布、ナミビア・ネパール・フィリピンの最高標高地点周辺の陰影起伏図と地形の特徴、エルニーニョ現象とラニーニャ現象、アメリカ合衆国・タイ・バングラデシュの浸水による延べ被災者数と総被害額、北半球と南半球における緯度帯別の気温上昇の傾向、日本のある沿岸地域における津波への備えについてGISを用いた分析結果から推計できる値の判定が出題された。問1は正規化植生指数という見慣れない指標が用いられたが、注釈から植生分布と関連付けて解答したい。問5は経済活動が活発で陸地面積割合の高い北半球側の気温上昇が大きいことから考えたい。
第4問
日本・中国・ドイツの発電方式別発電量の増加率、醤油製造・石油精製・ワイン製造の工業立地、日本における繊維・衣服に関する製造品出荷額、卸売販売額、小売販売額の都道府県別割合、日本・スペイン・タイ・ドイツの国際観光収支の変化、スマートフォンメーカーのファブレス企業におけるサプライチェーンの特徴、日本・アメリカ合衆国・中国の機械類における中間財と最終財の貿易収支が出題された。問2はウェーバーの工業立地論に基づく抽象的な文の空欄補充問題で、示された条件を丁寧に読み取ることが求められた。
第5問
日本の三大都市圏と地方圏における工業用地の移り変わり、日本の首都圏に位置する二つの市区における人口ピラミッドと土地利用の変化、イタリア・オーストラリア・韓国のGDPに占める製造業の割合と都市人口率の変化、日本における出版業・新聞業・ソフトウェア業の全国の従業者数に占める東京都の割合と全国の従業者数の増減率、ロンドンにおける地区別の統計地図(外国で生まれた人の割合、高度な経営・専門業務の従事者割合、失業率)が出題された。問2はニュータウン開発やマンションの建設により子育て世帯が増加する時期に着目して解答したい。
第6問
インド洋沿岸の四つの地域におけるサイクロンの上陸頻度、インド洋周辺の四つの地域における稲作で主に天水田が利用される地域、アラブ首長国連邦・インドネシア・シンガポールのそれぞれの国家間における輸出額と移民数、インド・タンザニア・ミャンマーにおける宗教人口第1位の宗教人口割合とそれぞれの国の宗教の特徴、インド洋のモーリシャスとモルディブの概観が出題された。問1は赤道付近ではサイクロンの発生や襲来が少ないことに留意する必要がある。問5は受験生が見慣れないモーリシャスとモルディブが扱われたが、示された資料の読み取ることで解答できる。

共通テスト「地理総合,地理探究」平均点の推移

年度 2025年度 2024年度 2023年度 2022年度 2021年度
平均点 57.48 65.74 60.46 58.99 60.06
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  • 2024年度までは「地理B」の平均点
  • 2021年度は大学入学共通テスト第1日程の平均点
共通テスト 科目別学習アドバイス

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